第78話〜衛生・美容、聖痕の刻印と沈黙の彩色〜
登校直後、一時間目。重い胃の不快感と寝不足の頭を抱えたまま、私たちは衛生・美容の教室へと足を踏み入れた。鏡張りの壁が、特製スムージーを無理やり飲み下させられた後の、血色の悪い私の顔を冷酷に映し出している。
教壇に立つ愛理様の手には、貫通式の日に使われたあの、特殊なペンが握られていた。
「昨日の剃毛で、お前たちの肌はようやく『キャンバス』として整ったわ。今日はそこに、お前たちの本質を刻み込む『聖痕』の授業を行います」
愛理様の冷ややかな声が響く。
「各自、主人の前にひざまずき、昨日の授業で滑らかにした箇所を提示しなさい。主人は、その家畜に最も相応しい言葉を選び、その肌に直接、刻印を施すこと。一画ごとに、己が何者であるかを魂に刻みなさい」
「かしこまりました」
大和様の前に這いつくばり、私は第二服従姿勢から腰を高く突き出した。スカートが捲れ、大和様の視線が、昨日ツルツルにされた下半身を舐めるように動く。
「一番。まず、そのケツに書かれた番号を消さないとな。このペンは普通にしていたら、一生聞けないが、特殊なインクを使えば消せるからな。鏡から目を逸らすな。いいな?1番」
「かしこまりました」
大和様がペンを手に取った。ジィィ……という微細な駆動音が静まり返った教室に響く。ペン先が、お尻に触れた。
「っ…!」
「動くな。線が歪む。それは主人の筆を汚す、重罪だぞ」
ペン先から伝わる細かな振動が、昨日から酷使されている私の神経をダイレクトに逆なでする。大和様は迷いのない手つきで、一画一画、丁寧に文字を刻んでいく。
まずはお尻の数字を『15』から『1』に直す。そして、腹部、両胸に新たに『聖痕』が刻まれ、赤く腫れた肌と振動による熱と痒みが、私の理性をじわじわと削っていく。周りを見渡せば、さらさちゃんの太ももには、麻衣ちゃんの腹部にも、見るに堪えない屈辱的な文字が並んでいた。
「……くっ、ぅ……ふぅ……」
「よし、完成だ。愛理様、検品をお願いいたします」
大和様に腰を掴まれ、私は愛理様の前に差し出された。愛理様は手袋をはめた指で、赤く火照った私の文字をなぞる。
「…。ええ、これ以上の言葉はないぐらいお前に似合っているわ。合格よ、1番。昨日のように全員の検品が終わるまで、黒板の前で待機していなさいな」
「かしこまりました」
愛理様の冷たい言葉が、刻印の痛みよりも深く、私の心に突き刺さった。鏡の中に映る私は、真っ白に剃り上げられた股間に、鮮やかな赤い文字で自らの羞辱を宣言する、ただの『汚れたモノ』に成り果てていた。




