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支配された帝国【番外編】、淑女養成学院  作者: 鎖乃れいな
第3章〜学院の生徒として〜

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第48話〜残酷なる頂冠式、共食いの始まり〜

 聖マリアンヌ性奴隷女学院の巨大な体育館は、異様な熱気と静寂に包まれていた。本日は三校合同入学式。未来の支配者の手足となる『執事・女中養成学校』、そして支配者の玩具となる『淑女養成学院』と『紳士養成学院』の生徒が一堂に会する儀式だ。


 「……っ、うぅ……」

広い床の上、私たちは第一服従姿勢で並ばされていた。冷たい床に正座し、肩幅に足を開き、掌を上に向けて膝に置く。少しでも姿勢を崩せば、背後に控える教師や執事・女中見習い養成学校の生徒たちの鞭が飛ぶ。一方で、大和様たち養成学校の生徒には、私たちを見下ろすようにパイプ椅子が用意されていた。この『座る権利』の有無こそが、この学園の絶対的な境界線だった。


 長い来賓祝詞が終わり、いよいよ壇上に凛人様が立った。

「……これより、ランクおよび班分けを発表する。これ以降、貴様らは名前を捨て、管理番号で己を定義しろ」

凛人様の冷徹な声が響く。

「第1班。班長、管理番号1番、れいな。Hランク。……前へ」


 (1番……。私、なの……?)

私は震える足で壇上へ這い上がった。全校生徒の視線が、シースルーの制服に包まれた私の身体を舐めるように動く。

「続けて、10番さらさ、13番麻衣、Iランク45番響。……そしてJランク、179番陽子、180番優里。前へ」私の横に、猫を被った微笑みを浮かべるさらさ、不安げな麻衣、そして計算高い瞳の響が並ぶ。最後に、剥き出しの憎悪を向ける陽子と、虚ろな目の優里が並んだ。


 凛人様が不敵に笑い、会場全体に宣言する。

「本年度より、班員は連帯責任とする。下位の者が粗相をすれば、班長がその身体で購え。……また、今日より寮はHランクからJランクまでが混在する『特殊収監棟』へ移る。班長には、部下を監視し躾けるための個室を与える」

会場にどよめきが走る。最高位の私が、最底辺のゴミ二人の責任を取らされるという理不尽。


 凛人様が私の前に立ち、見習い時代の『白い首輪』に手をかけた。

「さらばだ、15番。……今日からお前は、俺の最高級の『1番』だ」

パチン、と乾いた音を立てて白い首輪が外され、代わりに『│深紅クリムゾンのベルベット首輪』が嵌められた。喉元には、燦然と輝く銀のプレートに『1』の数字。


 一方で、陽子と優里の首には、安っぽく肌を傷つける『│錆色ラストブラウン』の首輪が、乱暴に嵌められた。


 「1番。……その鎖を持て」

凛人様から渡されたのは、彼女たちの首輪へと繋がる『│親鎖マスターチェーン

「……っ、ぁ……」

私が鎖を引けば、陽子と優里が屈辱に顔を歪める。私が彼女たちの『飼い主』でありながら、彼女たちの失態ですべてを奪われる『生贄』でもあることが、全校生徒の前で確定した。


 「……式を終了する。パートナーは商品を拘束し、連行せよ」

背後から大和様が歩み寄り、私の手首を背後で手錠により拘束した。

「1番、移動する。……鎖を離すなよ。お前の所有物だろう?」

大和様の声に慈しみはない。彼は私の深紅のリードを引き、私は二人のJランクを引きずるようにして、体育館を後にした。


 これから向かうのは、個室という名の監視部屋。私は、自分自身の首にかけられた『1番』という名の呪いと、手に握る『錆びた鎖』の重みに、ただ涙を堪えることしかできなかった。


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