第44話【断絶の9日間XII】〜静寂の居室、微弱な電流が刻む服従の刻印〜
検査の夜、就寝前の、点呼に来たのは、担任の由羅様でなく、大和様を連れた光也様だった。
ガチャリと居室の扉がゆっくりと開く音がした瞬間、私の体はびくりと震えた。大和様を連れた光也様の足音はいつも通り冷たく、無慈悲に床に響く。昼間の検査台で晒された恥辱の熱が、まだ頰に残っている。
「15番。検査中の不手際、言い訳は聞かない。……大和、徹底的に修正してやって。方法は君に任せるよ。他の家畜共、第一服従姿勢」
光也様の感情を一切含まない低い声が部屋にこだました。
「かしこまりました」
「承知しました、光也先生」
私は恐怖が背筋を這い上がると同時に、下腹の奥が熱く疼いた。真衣ちゃん達に見られながら罰を与えられる……それだけで、私は自分が『商品』として選ばれたことを、惨めなほどに喜んでしまう。
迷いのない手つきで、私は硬い床に押し倒された。床の冷たさが背中に染みる。昼間の検査台とは違う、静かな部屋。だからこそ、大和様の息遣いや、機械の微かな作動音が異様に大きく耳に刺さる。
「ひ……っ、大和様……」
「静かにしろ。動くたびに回路が感応するよう設定してある」
大和様の指が、私の薄い衣服を乱暴に捲り上げ、露わになった胸に直接、冷たい金属の電極を貼り付ける。ぴたり、と肌に吸い付く感触。ぞくり、と全身の毛が逆立つ。
「……っ、んんぅ!!」
指先一つでスイッチが入った瞬間、鋭いパルスが乳首の先から心臓へ突き抜けた。体が弓なりに反り、喉から抑えきれない喘ぎが漏れる。心臓が跳ね上がり、全身の力が一瞬で抜け落ちるような、甘い痺れ。恐怖で涙が滲むのに、乳房の奥が熱く脈打って、喜びの蜜が秘部からじわりと溢れ出すのを止められない。
大和様は私の耳元に唇を寄せ、吐息を吹きかけるように囁いた。
「これは翌朝まで外さない。……寝ている間も、微弱な電流が『お前は商品のままだ』と教えてくれるはずだ。外そうとすれば……わかるな?」
「かしこまりました」
その言葉が、頭の中に重く落ちる。商品。ただの番号、15番。逃げられない。反抗できない。明日も、明後日も、ずっとこの身を捧げ続ける運命。
恐怖が私を飲み込もうとする。でも、その恐怖の底から、熱い喜びが湧き上がってくる。大和様の冷たい視線に、支配される悦び。電極が肌に食い込み、微弱な電流が乳首を絶え間なく刺激し続けるこの感覚……私はただ、天井の暗闇を見つめながら、震える息を繰り返した。
心臓の鼓動よりも速く、容赦なく波打つパルスに、身も心も委ねるしかなかった。恐怖で涙が頰を伝うのに、腰が小さく、淫らに揺れてしまう。怖い。怖いのに……もっと、感じていたい。
夜はまだ長い。電流は朝まで、私を『商品』として疼かせ続け、私の屈辱と歓喜を、じっくりと味わわせるだろう。




