第42話【断絶の9日間XI・中編】〜公開されるひぶ、拒絶できぬ商品体質〜
「大和、よくわかった。……でも、由羅様が一番気にされているのは、『商品』としての純度と、どんな負荷にも耐えられる柔軟性だ。……検品して」
光也様の、まるでおもちゃの動作確認を命じるような軽い口調。大和様は、迷うことなく私の太腿の内側へ手を伸ばしました。
「……はっ。15番、第二服従姿勢」
「かしこまりました」
大和様の冷たい号令に、私の身体は反射的に動いた。膝をつき、上半身を床に深く伏せ、顔を床に押し当てる。そして、顔とは対照的に、お尻だけを高く、天に向かって突き出す。ごく普通の少女として育った私が、なぜこんな場所で、同級生たちの視線の真っ只中で、自分の秘部を品評会の展示物のように晒しているのか。下着から流れる電流と振動が、私の理性をじわじわと溶かしていく。
「失礼します、15番」
下着に、手袋越しの大和様の無機質な指先が押し当てられた瞬間、私は全身を走る戦慄に息を飲みました。
「ひ……っ、やだ……そこ、はっ……!!」
「動くな。……報告。15番、完全な未開発。指一本を受け入れる余裕すらありません。……下着の振動で強制的に粘膜を昂らせているものの、括約筋は恐怖で固く閉じています。……ですが光也先生、見てください。入り口を少し突いただけで、この喜びよう。後ろを責められることへの恐怖が、この女を余計に喜ばせているようです」
「ち、ちが……っ、痛い、痛いの……っ!」
「『痛い』? ……自分自身の身体が、その痛みを快楽に変換しようと必死に脈打っているのがわからないのか? ……お前も俺と同じ、ただの収監された『商品』なんだ。大人しくしてろ。……その『純潔』が汚される瞬間の絶望こそ、由羅様が最も好まれるデータでしょうね」
大和様はそこへパルスを流した。
「……あ、ぁぁ……っ、んんぅ……ッ!」
「15番、お前の後ろの穴、初めての刺激驚いているようだな。……管理されるだけの存在に、プライドなんて必要ない。……ただの、穴の空いた『肉』にすぎないんだ」
大和様の言葉が、未経験の場所に与えられる激痛よりも深く、私の心を切り刻む。さらに大和様は、床に顔を押し付ける私の耳元で、冷たく断罪するように囁いた。
「15番。お前、勘違いしているようだが……。今お前をこんなにしているのは、電流や振動のせいだけじゃないぞ。仕掛けの刺激なんて、ほんのきっかけに過ぎない。……いいか、お前が『俺たちに見られてる』と意識して、その浅ましい身体を熱くさせるたびに、お前の中のメスとしての本能が暴走しているんだ。……わかるか? お前が今、こんなに刺激を欲しがって、自分からお尻を振っているのは、下着のせいじゃない。お前自身の本性だよ」
「……っ!? な、なに、を……っ」
衝撃が、私の脳を白く染めました。違う。違う。私は、無理やり刺激されているから……。でも、刺激を、求めるこの感覚、奥の方が疼いて止まらないこの熱さは、本当に『私』が望んでいるものなの……?
惑う私の思考を切り裂くように、凜人様の冷徹な声が体育館に響き渡りました。
「次、各クラス6班上がれ」
「さあ、御当主様たちがお待ちだ。大和、15番を『納品』するよ」
「はい。15番、いい格好だからそのまま行くぞ」
「……かしこまりました」
私は、自分自身の本能という名の怪物に裏切られたまま、第二服従姿勢のまま、惨めに壇上へと這い進むしかなかった。一歩動くたびに、初めての刺激を知った身体が悲鳴を上げながら熱くさせ、床に点々と汚らわしい痕跡を残していく。
壇上に這い上がると、そこには磨き上げられた革靴が三足。それを見上げることすら許されない私の視界に、由羅様の冷ややかな微笑みが降ってきました。
「大和、ご苦労。……15番のコンディションはどうだ?」
「はっ。未開発ですが、下着の負荷により既に受け入れの兆候を見せています。本人の意志に反して、非常に貪欲に脈打っております」
大和様の報告を聞き、由羅様は私の突き出したお尻の横に立ち、手袋を嵌めた指先で、ひくひくと震える私の『初めて』を軽く弾きました。
「ほう……。真っさらな状態というわけか……。それは楽しみだな。では、査定を始めるぞ」
お兄ちゃんが見ている。クラスメイト全員が見ている。未開の肉が内側から無理やり引き裂かれ、広げられていく激痛と、絶望的な重圧。
その最悪のステージで、私の『精密査定』が始まった。




