第41話【断絶の9日間XI】〜精密査定と消えゆく矛持ち〜
「15番、お前は知らないだろうが、昨日のオリエンテーションで、『調教学』の授業のパートナー決めが行われた。お前のパートナーとなった、『志藤大和』だ」
サイレン音と共に起床し、クラスメイトたちがバタバタと支度をする中、光也様が紹介した。『志藤』…龍雅院家の人間じゃないのか。ということは、私と同じように収監所送りになった人だよね。助けてくれるといいな……
「お前の『管理』を行う大和だ。これに着替えた後、居室の前で第一拘束姿勢」
「かしこまりました」
苗字は違えど、既に『龍雅院家』側の人間だ。
ドスッ
「遅い。準備に1分もかけるな」
お尻を手加減なく蹴られました。今までにあったどの『龍雅院家』の人より、『龍雅院』らしい。本当に一般人?
「こらこら大和、やりすぎだよ。それじゃぁ15番が怖がるだけだ。恐怖を与えずに支配するやり方を覚えるようにね」
「はい。すみませんでした。光也先生」
「構わないさ。ほら、15番が待っているよ、早く拘束して連れて行こう」
「はい」
私が連れていかれた場所、そこは『調教室』でもなく、『拷問室』でもありませんでした。私が渡された下着と同じ下着を着けた同級生全員が『服従姿勢1』で待機している体育館だったのです。壇上では、真冬様、悠羅様、お兄ちゃ…凜人様が何やら打ち合わせをしている。
「そんな驚いた顔をしてどうした?まさか、今日も『特別』に一人で『検品』してもらえるとでも思っていたのか?そんなわけないだろう。お前も『商品の1部』に過ぎないのだから」
大和様が冷酷な笑みを携え、私をさらに深い地獄へと突き落とす。
「15番、お前の所定待機場所はこっちだ」
大和様にリードを引かれ所定場所に連れていかれ、第一服従姿勢を命じられた。
「大和、『商品』の『検品』を怠ってはいけないよ。ほら、15番が震えているだろ?寒いのかな?『下着の仕掛け』を起動して温めてあげて」
「はい、光也先生」
大和様が『スイッチ』を取り出して私に見せつけるようにしてボタンを押す。
「うぅんッ」
乳首には電流が、腰周りには振動が走りました
「これだけで気持ちよくなるのな。まるで『欠陥品』だな。こうしたらどうなる?」
乳首に振動が加わり、ほかの振動がさらに強いものに変わった。
「あぁっ...うんっ……」
「俺の指先1つで振動の強さもあげれるし、電流を振動に変えることも、電流の強さをあげることもできる。これでお前をお前の大好きな『お兄ちゃん』の前でもっと壊してやろう」
「大和、15番をあんまり虐めないであげてよ。彼女、今日は由羅様から預かった『特別な正装』を着ているんだから」
「失礼いたしました、光也先生。……ですが、この15番は先ほどから下着の刺激に耐えかねて身体を震わせております。商品としての自覚が足りません」
由羅様から預かった『特別な正装』……。私の下着だけ、みんなと違う下着ってことか。道理で、いつもより感じやすいと思った……。
「……へぇ、本当だ。スイッチを入れた所なのに、こんなに震えちゃって。大和、ちょっと『検品』してみてよ。由羅様に報告するデータが必要だろう?」
「はい」
大和様は事務的な手つきで、私の脚を強引に割り、下着のクロッチ部分に指を差し入れた。かつては自由を求めて戦ったはずのその指が、今は龍雅院の利益のために、冷酷に私を検品する。
「……っ、あ……っ、いやっ……!」
「動くな。……報告。15番、体温上昇に伴う経皮吸収薬の反応、極めて良好。……いえ、良好を通り越して、既に自制心を失いつつあります。光也様、これは『極上個体』として由羅様に報告すべきかと」
「あはは、流石は大和。手際がいいね。……15番、聞こえた? お兄様の前で壊される前から、君はもう『欠陥品』寸前なんだよ」
光也様の嘲笑と、大和の無機質な指の感触、電流、振動がじわじわと脳を焼き、自分の身体が『下着』という名の檻に蹂躙されていく絶望に、ただ涙を流すことしかできなかった。
「今日のオリエンテーションは明日行われる、『貫通式』に向けて追加の検査を行う。検査は班ごとに壇上で行う。多少の検品は許すが、うるさくしないように。各クラス、1班上がれ」
私の『検品』が終わるのを待っていたかのように、凜人様の声が響いた。




