第39話【断絶の9日間Ⅹ】〜公開査定、家畜の告白〜(真冬視点)
昨日はれいなの精神に、奴隷としての心構えを叩き込んで差し上げました。今日は特上の『駒』とするため、もっと管理社会に適合した、従順な身体へと仕上げていきましょう。そのために、凜人様、悠羅様、光也にお手伝いいただくことにしました。
壁際に用意された特等席。凜人様はそこに深く腰を下ろし、感情の読めない冷徹な瞳でこちらを凝視しています。傍らには、担任である由羅様が査定用のノートを広げ、冷ややかな眼鏡の奥で教え子の肉体を品定めするように見つめておられました。
由羅様に連れてこられたれいなの目は、死んだ魚のようでした。ですが、凜人様の姿を見つけた瞬間、その頬が微かに緩みます。……これはいけませんね。その淡い期待こそが、彼女を完全な『商品』にするための不純物です。もっと深い地獄へと突き落として差し上げましょう。
「15番。今日は『査定』のために、凜人様と由羅様にお前の無様な醜態を見学していただくことにしました。ハッキリ言って、私の中ではお前は落第点です。最低ランクを取りたくなければ、そのだらしのない顔をやめて、さっさと処置台にあがりなさい。第二服従姿勢」
「……か、かしこまりました……っ」
彼女が処置台に上がり、無防備に肢体をさらけ出します。由羅様は事務的にペンを走らせ、カリカリという硬い音が静かな部屋に響きます。一方、凜人様は記録など取る気もないのでしょう。ただ無言で、妹の生体反応をじっと『観察』しておられます。その冷徹な視線こそが、彼女の自尊心を鋭く削り取っていく。
「今日は手始めに、神経への局所刺激による、絶対的な条件反射を身体に覚えなさい」
「かしこうぅんっ……!」
返事を待たず、私は彼女の最も過敏な神経節へ特殊な刺激デバイスを押し当て、強烈なパルスを強引に送り込みました。
「15番、動くなと命じたはずですよ。……お仕置きです。光也、動けないように押さえつけてやれ。思いきり、体重をかけていいぞ」
「はい、父さん」
光也の手が彼女の肩と腰を処置台に押し潰します。
「んんっ……あっ……あぁんっ……お……お許し……ください……真冬様……っ!」
「許すかどうかは私が決めます。悠羅様も査定されていますよ。もっとよく聞こえるように鳴きなさい」
由羅様がペンを動かすたび、凜人様の視線が彼女の肌を這うたびに、れいなの自律神経は狂っていきます。
「ひぁっ。ま、真冬さまぁ……な、なにか……あぁっ……来ちゃ……あっ……」
過呼吸が臨界点に達する寸前で、私はぴたりと刺激を止めました。
「……切なそうな顔をして、どうしましたか?」
「ま、真冬さまぁぁッ……!」
「今の状況を説明しろ」
――ビシィッ!
内腿を手の平で強く叩き上げると、悠羅様がその反応を数値化するかのようにノートへ書き留めます。
「真冬様の刺激が……頭が真っ白になって……っ」
「真っ白になって?」
「……抗えなくなってしまったんだと、思います……っ」
「それで? 今、あなたの身体はどのような状態ですか? 凜人様と由羅様方に聞こえるように答えなさい」
「なにかが……頭の中に押し寄せて……それなのに……っ。途中で放り出されて……嫌なはずなのに……身体が疼いて……っ. 止められると、辛いのです……っ!」
「それでいいのです。あなたには少しずつ逆らえない快楽を教えていき、そのうち自らひれ伏してご主人様をねだるように『再教育』して差し上げましょう」
恐怖と刺激で滴るほどに溢れ出した汗を指で拭い、再び過敏な神経へとデバイスを滑らせます。凜人様の『鑑賞』に晒されながら、彼女は自らの感覚に裏切られ、さらに激しく悶え始めました。
「はぁん……あぁん。あぁ……解放してください……お願いします……真冬様ぁ……っ」
「では、お前ににとってわたくしはどんな存在ですか?」
「ご、ご主人様です……あぁっ!」
「ならば、わたくしたちがご主人様なら、お前はわたくしたちの何だ?」
「し……商品……です……っ!」
「良く出来ました。ご褒美です。限界を迎えなさい」
一際強くパルスを流し込むと、れいなは身体を大きく跳ね上げ、脳内の快楽中枢が完全にパンクしたかのように、凜人様と由羅様の前で無様に果てました。由羅様は満足げにノートにチェックを入れ、凜人様はただ、冷ややかな視線を向け続けておられます。
「光也、次はさらに拘束を強めて押さえ込みなさい。由羅様にも、体内組織の変調がどうなっているか、奥までよく見えるようにな」




