第30話【断絶の9日間Ⅴ】〜歪んだ愛情の檻、家畜へと落ちる15番への宣誓〜
れいなに接近禁止を命じて4日が経った。そろそろれいなは、自分はただの『商品』で、俺どころか、誰の『特別』にもなれず、ただただ壊されていく『玩具』である事に気付き、身も心もボロボロになっている事だろう。俺は、オリエンテーションを終え、足元に跪かせたれなに奉仕させながら、管理室で今日のれいなの懲罰の様子を録画した映像を見ていた。学院や寮の至る所に設置されているカメラには録画機能もついているからな。
今日れいなが連れて行かれたのは、ビデオカメラと、枕元と足元に固定用のベルトが2つずつついたベッドが置かれ、壁の一面が鏡張りになっている、広い教室だった。
「執事、女中学校の普通科を卒業したお前たちの中には、まだ女の身体を実務として扱ったことがない者もいるだろう。だが、龍雅院家の執事となったからには、『商品』の『検品』ぐらいは出来るようになってもらわなければ困る。よって今日は、衣服の上から行う精密な肉体計測について教える。全員ベッドを囲め」
我が家の使用人、いつきの指示で、今年度から我が家に務めることになった見習い達がれいなを囲む。今年度採用した見習いは全部で6人で、そのうち4人が普通科を卒業した者だ。俺はれいなの心をへし折るために、いつきに自分のことを『ご主人様』と呼ぶように命じさせている。れいなは薄い訓練着を着用したまま、ベッドの上で後ろ手の手錠で拘束され、怯えたように震えていた。
「いいか、まずこれが『骨盤および太もも付け根の黄金比』の計測だ。15番のこのラインは、商品としては少々肉が付きすぎているな。君、金属製の皮下脂肪測定器を持って、15番のそこを衣服の上から挟んで正確な数値を記録しろ」
つうっと、冷たい金属のキャリパーの先端が、汗でぴったりと張り付いた訓練着の上から、れいなの最もデリケートな太ももの付け根の肉をガチリと挟み込んだ。
「ひぁっ……!」
ビシッ!
「変な声を出すな」
我が家の執事である鏡磨が、れいなの太ももを戒杖で叩く。
「申し訳ございません」
ビシッ!
「『ありがとうございます。申し訳ございません』だ。言い直せ」
「ありがとうございます……申し訳ございません……っ」
普段は最下層である、Jランクの『商品』の躾を任せている鏡磨は、学院のどの教師、いや、この俺よりも冷徹で厳しい男だ。いつきもJランクの躾を任せている、そこそこ厳しい男だ。この2人の『測定調整』にどこまでれいなは耐えられるだろうか。
「よし、次は『恐怖および羞恥による自律神経の従順度テスト』だ。人間は嘘を隠せても、肉体の拒絶反応は隠せない。君、冷えた聴診器を15番の胸元と下腹部に衣服の上から当ててみろ」
指名された、先程とは違う青年が冷たい聴診器を手に取ると、それを汗ばんだ訓練着の上から、れいなの激しく波打つ胸元と、下腹部へとゆっくりと押し当ててくる。冷徹な金属の感触が肌に伝わる。
「あ……あ……だめ……そんな、大勢の前で、私の音を……っ、お願い、許してください……!」
「ほう、ただ見習い達に見つめられながら聴診器を当てられているだけで、心拍数が150を超え、下腹部が過呼吸で激しく痙攣しているな。実に見苦しく、いやらしい拒絶反応だ」
いくら叫んでも許されるわけもなく、あまりの羞恥と恐怖による過呼吸で、れいなは激しく膝をガクガクと震わせ、シーツの上にポタポタと大粒の涙をこぼして青年たちの笑いものにされていた。
「次は、おまちかね、後ろ手の手錠によって強制的に反らされた『後ろの門』の外見測定だな。検体によっては、この精神的羞恥によって完全に心が屈服する。君、15番の現在のカルテの数値を読み上げ、衣服の上から大型ノギス(測定器)をあてて歪みがないか目視で確認しろ」
「承知しました。15番、カルテの記録によると、『通常時直径2cm(20mm)』の可動域がすでに固定されているようだね。これほど裏の門が拡張されているというのに、まだ純潔を気取っているのかい?」
「いやぁ……そんな……こと……あぁっ……ありませんんっ」
大勢の若い見習い達の目の前で、自分のアナル直径の数値を大声で読み上げられ、衣服越しに金属の定規でそのラインをなぞられる――れいなは、その徹底的なデータ化と羞恥で感じるタイプのようだな。これからいくらでも可愛がる機会があるから、その時楽しませてもらおう。
「よし、肉体の数値観察はその辺でいいだろう。今度は『精神的な躾』を行うぞ。拘束を解いたのち、第四服従姿勢」
「かしこまりました」
「そのまましゃがめ」
ビシッ!
「もっと足を大きく広げろ。何度も同じことを言わせるな」
「ありがとうございます。申し訳ございません」
「鏡に映る、自分の目を見ながら、『わたし15番は、ご主人様の快楽に奉仕するだけに存在している『商品』です。わたし15番は、これまで人間を気取っていたことを反省し、一生恥ずかしいことが大好きな『最下層の家畜』になります。わたし15番、ご主人様の指示にはどんなはずかしいことも喜んで服従する家畜になります。わたし15番は、全身を敏感にしてご主人様に満足していただく身体になります。わたし15番は、一日中ご主人様のことだけを考える家畜になります』と100回言え。絶対に鏡に映る俺たちから目を逸らすなよ?100回言えたら終わりにしてやる」
「かしこまりました」
ビシッ!
「目を逸らすなと言われただろ?ノーカウントだ」
鏡磨が、れいなが少し目を逸らしたのを見逃さず、お尻を叩く。
「ありがとうございます。申し訳ございません」
目を逸らす、恥ずかしがるなど指示に背いた態度を取る度、戒杖を与え、カウントは0に戻る。本当容赦の無いやつだ。だからこそ、Jランクの『商品』の調教を任せられる。
さて、そろそろれなを可愛がってやるとするか。
「れな、第二服従姿勢」
「かしこまりました」
俺は懲罰が終わったあと、どうやってれいなをもっと依存させ、絶望の淵に叩き落としてやるかを考えながら、れなで最果てに達した。




