第24話【断絶の9日間Ⅰ前編】〜罰と途切れた鎖〜
光也様に連れて行かれたのは、正面の壁が鏡になっていて、鏡の前には、バレエの練習で使うようなバーが置いてある、正にバレエ教室のような場所だった。
「鏡の方を向いて第一服従姿勢」
「かしこまりました」
光也様は厳しい口調で命じ、移動式のバーを片付けた。
「俺は懲罰会議へと行ってくる。自分の惨めな姿を見ながら大人しく待っていろ」
「かしこまりました」
どのぐらいたっただろう。足音が2つ聞こえて来た。1つは光也様、もうひとつは……お兄ちゃんだ。
やっぱり今日の特別カリキュラムはお兄ちゃんのお仕置きなんだ。ドキドキするけどワクワクするな。
ガチャリと音をたて扉が空いた。
「待たせたな、れいな。その姿勢を維持したまま回れ右」
「かしこまりました」
お兄ちゃんの顔、すごく怖い。こんな怒った顔しているお兄ちゃん、あの時以来見ていない。私は、初めてお兄ちゃんに対し、恐怖を感じた。
「れいな、これから3日間、俺の前に姿を見せる事を禁じる。オリエンテーションにも参加しなくていい。その時間は光也を始めとした、我が家の使用人たちがお前を調教する。この3日間でしっかり反省しろ」
……そんな。3日間もお兄ちゃんに会えないなんて耐えられない。
「凜人様、どうか、どうかそれだけはご勘弁ください」
お兄ちゃんに懇願してみる。
「誰が余計なことを喋っていいといった?罰を追加する。5日間、俺の前に姿を現すな」
「かしこまりました。口答えをしてしまい、申し訳ございませんでした」
あさはかな行動をとってしまった。少し考えればこうなることぐらいわかったはずなのに
「光也、あとは頼んだ」
「かしこまりました、『御当主様』」
えっ。今なんて言った?『御当主様』?お兄ちゃんいつの間に当主になってたの?ていうより、お兄ちゃんが1番偉いんじゃこの罰が変わることは無いだろう。きっと、光也様は私を絶望させるためにあえて『当主』という呼び方をしたのだう。これも私に与えられ罰なのだろう。だってそれだけの事をしたから。
私は隠しカメラか、盗聴器が仕掛けられているという『仮定』の元動いた。でもそれは、由羅様達が来たことでもわかるように『事実』だった。私が喧嘩を売ったのはルームメイトではなく、琉雅院家なのだから。
お兄ちゃんはそこまでわかっているのだろう。私は絶望に包まれながら、遠ざかるお兄ちゃんの足音を見送った。




