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支配された帝国【番外編】、淑女養成学院  作者: 鎖乃れいな
第4章〜神の器として〜

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第98話【器・Ⅲ】〜悪魔の指、帰依の血判と救いの囁き〜

 どのくらいの時間が経ったのだろう。

耳元で繰り返される『愛してる、れな』というお兄ちゃんの声と、『二度と触れたくない』という大和様の拒絶。最初は否定していた心も、何度も、何千回も聴かされるうちに、それが『本当の真実』のように思えてくる。


 (れなって…お兄ちゃんが、オリエンテーション中連れていたり、この間、椅子にしてた子だよね?愛してる?分からない…私は……お兄ちゃんの妹じゃなかったの? 私は……ただの、1番……?)


 「1番、自分が何者かわかりましたか?」

どのぐらい経ったか分からなくなってきた頃。私の耳は何も拾っていないのに、真冬様がいきなり現れた。

「はい…。私は…1番。…淑女養成学院の『極上商品』です…」

「そうです。よく出来ましたね。ご褒美ですよ」

真冬様が優しく抱きしめ、音声を止め、目隠しを取ってくれた。急に明るくなって、クラクラする。


 「さて、自分の立場がわかったところで1番、いい事を教えてあげましょう。鏡の前で第四服従姿勢」

「かしこまりました」

鏡の前で、第四服従姿勢をとる私。どうしても腰がくねくね動いてしまう。

(愛理様の薬の効果がまだ残っているのかしら)


 「腰をそんなにくねくねさせていやらしい『器』ですね」

「申し訳ございません」

「謝る必要はございません。愛理様の薬に本能が逆らえないのでしょう。いい傾向です。1番、この誓約書に血判を押しなさい」

真冬様に差し出されたれた誓約書…それは私をただの器としてしか見ていない内容だった。

(当たり前か…)

「1番、早くなさい。それともわたくしがあなたの指を切り刻み、その血を誓約書に押し付けてあげましょうか?」

真冬様がナイフを差し出す。


 「自分で出来ます」

「いい子ですよ、1番」

真冬様は優しく微笑むと私を抱きしめ、私の耳元で囁いた。そう。まるで内緒バナシでもするかのように…。

「れいな、よくお聞き。僕の本当の名は『春夏秋冬聖蓮ひととせせれん』。君の叔父だよ。僕は君を助けたい。従順な器になった振りをしなさい。そうすれば、君が器として完成した時、大元帥様に納品するふりをして助けてあげる」

(私の叔父?どういうこと?)


 「よく出来ました、1番。今日からあなたが暮らす特別寮へと向かいますよ。ゴールデンウィークが明けるまでの2週間、あなたにはそこで暮らしていただきます。もちろん、授業には出ていただきますが、 夜は、わたくしが選抜した教師による特別授業を受けていただきます。いいですね、1番」




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