【48話】永遠の命
十二月。街はイルミネーションでドレスアップされており、クリスマスが近づいていることを肌で感じる。美緒と那岐、伊吹、花織は予定も合ったため、一足早いクリスマス会をやろうと駅前に集まっていた。
「もうすぐ、クリスマスって早いね~」
「冬休みもすぐだし、一瞬で正月なんて過ぎるんじゃないか?」
「そしたらもう高校卒業!? やばすぎ!!」
「それはちょっと早すぎじゃない? あと一年あるわけだし」
花織は怪人が一人いなくなってからというもの、笑顔が増えたような気がする。
買い物途中、ケーキ屋さんを訪れた。
「あたし、この兎のケーキにしようかしら⋯⋯」
「あっ! 可愛いー!」
ショーケースには数々のケーキが並べられていたが、花織の目に兎があしらわれたカップケーキがとまる。
「那岐はどうする?」
「うーん⋯⋯悩むな」
「だったら那岐も兎で良いんじゃない?」
「なんで?」
「えー? だって⋯⋯那岐はウサギさん、好きだもんねー?」
美緒は笑いながら手で頭の上にうさ耳を作る。
「ば⋯⋯ッ!!」
「兎好きなのか?」
伊吹と花織は何のことかわからず不思議そうな顔をしている。
ケーキ屋さんで兎のカップケーキを人数分購入して、一同は美緒の家に向かう。
「お邪魔します」
「お邪魔しまーす!!」
「お邪魔します⋯⋯」
リビングには母親が作ったご馳走を父親が並べていた。
「あら、いらっしゃーいっ!」
花織は申し訳なさそうな顔をしていた。
「本当にお邪魔しちゃって大丈夫なんですか?」
「いいのよ! パーティーはみんなでしたほうが楽しいじゃない?」
美緒は先程買ったケーキも机に並べる。リビングにはツリーも飾られており、まさしくクリスマスであった。
そんな準備をしている最中、玄関の呼び鈴が鳴る。
「はーい!」
扉を開けると、そこには琴、有佐、ももがいた。
「お邪魔しま~す!!」
「お邪魔します」
「お邪魔ー!」
美緒が招待したらみんな来てくれた。
「あら、琴ちゃん久しぶりね!」
「お久しぶりです、由美さん」
「ママ、琴さんと知り合い!?」
「職場のお子さんだからね。美緒とも小さい時会ったことあるのよ?」
「し、知らなかった⋯⋯」
微笑む琴と目が合う。琴さんとは童話少女になってから出会ったと思ってたのに、初対面じゃなかったんだ⋯⋯
「美緒パパもかっこよ!?」
ももの驚いた声が向こうから聞こえてきた。
一同が集結し、クリスマスパーティーが開催される。
みんなでわいわい、がやがやと食卓を囲んで宴を楽しむとすぐさまお開きの時間になり、あっという間に閉幕となる。
玄関で見送る美緒に琴は振り返る。
「そうだ。明日は大丈夫そう?」
「はい! 問題ないです!」
明日は、童話少女のみんなでの女子会が琴の家であり、ガールズガイストの景品を取るため琴とゲーセンに行く予定がある。
「那岐くんとのデートとかもしなくていいの?」
「那岐は明日バイトみたいなんで!」
「あら、那岐くんバイトやってたの?」
「ですです。何か欲しいものとかあるんですかね。わかんないですけど」
「魔獣討伐の報酬全部使っちゃったの?」
「いや、全然残ってますよ」
「そう⋯⋯」
琴は少し考えた素振りを見せた後、からかうように笑みを浮かべる。
「財布は美緒ちゃんが握ってるのね」
「違いますよ!! 琴さん!!」
「ごめんごめん!」
美緒が必死に訴えるものだから琴は笑い疲れている。
「それじゃ、明日はよろしくね」
「違いますからねー!!」
扉が閉まるとさっきまで騒がしかった家の中が途端に静かになる。
「愛宕さんと何話してたんだ?」
「ううん、なんでもない!」
片付け中の那岐が玄関にやってくる。
「じゃあ、私先にお風呂入ってくるね」
美緒は通り過ぎる瞬間、那岐の頬にキスをする。
「おい⋯⋯! 見られても恥ずかしくないのかよ!」
「いひひっ!!」
美緒は明日、朝早くから琴とゲーセン巡りするため寝支度を進める。




