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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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いつもとは様相の違うダンジョン



高難度ダンジョン攻略中、突然現れたのはイリエル神。

「緊急事態だから報告しておくね! 落ち着いて聞いて!」

もう絶対ろくな事じゃないよな?どーせレイア絡みだろ…。


「私が貴女達にダンジョン攻略っていう試練を課したよね?それと同じように地球側の神である私のお姉ちゃんがレイアちゃんにも試練を受けさせるってさらっていったの! 私になんの断りもなしに…」

「はぁ!? ちょっとアリサは無事なの!?どこに連れて行かれたのよ!」

「このダンジョンの最奥…」

「感知できないんだけど…」

「私も無理…?」

同じダンジョン内にいるのに、アリスどころかアイナとセーラですらわからないとかどうなってる!?

いや、ダンジョンなら別々の空間なんだっけ?でもイリエル神の言い方はまさにここにいると言ってる気がする。



「ここって今はお姉ちゃんの管轄になるダンジョンだからね。貴女達では力が及ばない。私もすぐに確認してくるけど、貴女達は予定通りダンジョンクリアを目指して。最終地点に目的のモノとレイアちゃんがいると思えば頑張れるでしょ?」

「レイアは無事なんですね?それだけは保証してください!」

「大丈夫だよ、ユリノ。無事は間違いないから。お姉ちゃんにとっても大事な子供みたいなレイアちゃんに危害を加えたりはしないから」

それならまぁ…報酬としてレイアを助け出せると言うなら身も入る。だってあわよくばかっこよく助け出したって惚れてもらえたり…。なんてのは甘いか。

さすがにうちも学習した。レイアを惚れさせるのはとんでもなく難易度が高いって。

最近感じているのは、レイアには恋愛感情というものがないのでは?と。鈍いとか鈍感とかそういうのとは違うんだよな、あの反応は。

性別が変わったからとか、異世界に来てるからとか、もしくは過去のうちのせい…。

要因は色々ありそうだけど多分、合ってると思う。そんなレイアを惚れさせるなんてダンジョン攻略より遥かに難易度が高いだろう。



「…アリサへの試練って?それを聞かないと安心できない…」

「そうよ! アイナ姉様の言うとおりだわ!」

「それに関してはアリスとアイナにも責任はあるんだよ? ほら、あの子ヴァンパイアでしょう?二人のおかげで力も増してきてる。でも地球にはもうヴァンパイアは存在していない」

「つまり、レイアちゃんはヴァンパイアなのをバレないようあちらで振る舞えるかの試練という意味ですか?」

「リシェル正解! 理解の早い子がいて助かるよ」

言わんとしてることはわかるけど、何も攫う必要まであるか?神の考えることはわかんねーな…。


「ならば我々は主殿を迎えに行くのみ!」

フンスと気合を入れてランスを構え直すシャロン。まあ言うとおりなんだけど、納得いかねー…。


「ノーラ姉様は?心配してるんじゃないかしら」

「ノーラ達にはお姉ちゃんが直接伝えたって。あの子のダンジョンに居る時にかっさらってくれたらしいから」

ノーラもさぁ、もうちょっとしっかり守ってくれないかな?自分のダンジョンだろ…。

っても相手が神では無理か…。ましてや今、目の前にいるイリエル神より格上の神っぽいし。



レイアがどういう状況か確認が取れ次第、また教えてくれるといってイリエル神は消えていった。

「私達は進もう…?それしかない…?」

「そうだな。シノ姉もいいか?」

「ええ。神を名乗るのなら、ちゃんと大切なあの子を守ってくれないと困るんだけどって言いたかったけど、我慢したわ〜…」

それで黙り込んでたのか…。



うちらの目的は結局のところ変わりはしないし、進むしかない。

文句を言ってたって何も変わらないから。


でもなぁ…。ここのダンジョン、今まで出会ったようなモンスターっていうのか?そういう敵じゃなく、日本の妖怪みたいな奴らばっかりでてくる。

わかりやすいので言うなら、いかにもって風体の鬼とか…。ユリノも鬼だけど、もっとこう節分の赤鬼や青鬼みたいなやつ。

他にも顔だけのおっさんとか、着物姿で首が伸びる女とか。ザルに入った豆か何かを洗ってるだけの爺さんとか…。危害を加えてこない無害っぽいのもいるから判断に困る。


「ひっ…」

珍しい、シノ姉が怯えてる…?

何かと思ったら幽霊かよ! 確かにシノ姉はお化けや幽霊だけは苦手なんだよな。


「物理攻撃も魔法も一切当たりません! どうしたら!?」

「知らないわよ! なんなのこれ…半透明でゆらゆらと!」

幽霊に対処するのってどうするんだ?御札とかか?


「悪霊退散!! どっかいって〜!」

シノ姉が叫びながらなにか投げつけたらあっさりと消えた。

「シノさん、今何を投げたんです?」

「塩よ〜…」

あー、なるほど! 盛り塩とかあるもんな? 嫌いなだけあって対処法は頭に入れてるシノ姉はさすがだ。しかも普段から料理をするシノ姉は塩なんて常備してるだろうしな。


「でもあんまり量はないから〜」

「引き寄せてまとめて倒すしかありませんね」

「ならそっちはシノとユリノに任せるわ。ユナ、アタシ達はあっちよ!」

「ん…?」

アリスが指差す先にはタオルみたいなのがふわふわと空を飛んでる。

なんだっけあれ…。零くんならああいうの詳しいのに。


アリスと空を飛んでるタオルみたいなやつへ攻撃。

あたった手応えはあるのに、ふわっとタオルがたわむだけで倒せない。

「ユナ! 鈍器は駄目よ! 刃物使いなさい!」

「うち、刃物なんて持ってねーよ!」

「ユナさん、こちらを!」

リシェルが投げてよこしたものを反射的に受け取る。

ってこれ…セーラのダンジョンで部品を集めた刀じゃねーか!

なんでもってきてるんだ?っていう理由なんて今はいい!

「助かった!」

鞘から抜くと鈍く光る刃。


お母さんの実家で祖母が鍛錬してた姿を見様見真似で実行。スッと振った刀で撫でるように斬るだけでタオルはバッサリ切れて落ちていった。

切れ味やば…。


「それ、アタシのカマより切れ味よくない!?」

「かもな…」

やたら手に馴染む刀でタオルみたいなのを切って回った。


下で素材の回収をしてるのはシノ姉。

「なにかとれた?」

「木綿ね〜長さは一反くらいかしら〜…」

ああ! 一反木綿かさっきの! 名前がわかってスッキリしたな。


「レイアちゃんの無事は確認できたよ!」

また突然現れたのはイリエル神。

「試練ってなんだった…?あの子、辛い思いして無い…?」

「大丈夫! 心配して見に行ったのに、ラスボスと仲良くお昼ごはん食べてて力抜けたよ…」

は…?


「なぁ、まさかラスボスって女じゃねーだろうな?」

「さぁ?それは秘密。 試練を受けてる貴女達に言う訳ないでしょう?気になるなら最奥にたどり着いて自分の目で見て確認しなさい」

これ、絶対女だ。

うちの予想はみんなも同じようで…。

全員が複雑な顔してるし。


「倒せるボスなら倒せばいい…それで済む」

「そうよね。そうよ、倒せばいいだけの話よ!」

まぁ…それもそっか。ライバルになる前に始末してしまえばいいだけだな。

よし、頑張ろ…。








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