それぞれの想い
ノーラSide
「な、なんだ!? ここは…」
「最下層でもあり、妾の居住地じゃ。 茉莉花、話をしてやるから武器を納めるんじゃ」
「…わかった。フカシこいたらぶっ殺す」
「やれるものならな?アホなことをする前に妾の話を終いまで聞くのじゃ」
「………」
妾の元へと飛ばしたのは茉莉花とレイアの友人達。
幼いローラとルーラは念の為コアと一緒に隠しておいた。
「ミヌエットと言うたか? 少し前に屋敷で世話になったな」
「えっ…? あっ!! あの時の方でしたか! これはこれは、ご丁寧にありがとうございます」
「ああ、真っ黒でキレイなお姉さんと一緒だった小さなドラゴン…。本当はそんなに大きかったんだ…」
「おっきいのぉ〜」
「そうじゃろ? そんな事よりじゃ! 妾もレイアの事は心配じゃから、きっちり説明してやるのじゃ」
「無事なんだね!?」
「それだけは間違いないのじゃ。 お主らがどこまでアヤツから話を聞いておるかわからんが…話せる範囲で話してやろう」
「話せる範囲ってなんだよ! 全部話せや!」
「レイアの個人的な事を妾が勝手に話すのは違わんか? 茉莉花はそんな口の軽い奴を信じれるか?」
「……いや。 俺は実際、まだレイアの事をほとんど知らねぇんだ…。楓花から無理に聞き出した内容くらいしか…」
これは異世界や神の存在などは知らんと見ていいのじゃな。
「ノーラ!! ちょっと何があったの!? って…」
その神の一柱がいきなり登場してしもうた…。もういっそ説明してくれんか?
「はぁ…。仕方ないなぁ。 わかったけど、ノーラ?まずはここで何があったか教えて?」
そうは言うてもじゃな…。いきなり妾のダンジョンをお主の姉を名乗る神が乗っ取ってレイアをかっさらって行ったなどと、こ奴らの前で言えるわけ無かろ。
「やっぱりお姉ちゃんか…。試練とか言ってた?」
「うむ…。妹が来たら伝えておくようにと言われたのじゃ…」
「本当にもうお姉ちゃんは! 勝手なことして!」
「おい、いきなり現れてなんだよお前…。そっちだけでわかったように話すな! レイアは無事なのか!?ハヅキはどこだ!」
「落ち着きなさい、茉莉花。 私はイリエル。この世界を作り、管理する者。つまり神だね」
「はぁ!? フザケてんのか…?」
「信じないのは茉莉花の勝手だけど、その場合、レイアちゃんの事もハヅキの事も教えてあげない」
「二人の事を知ってるのか!?」
「神だからね。 そうだな〜、君たちにも全員、一つだけどんな質問にでも答えてあげる」
「なんでもいいのぉ〜?」
「勿論。でも一つだけね。 誰からにする?」
「あ、あの! レイア様はご無事なのですか?」
「無事といえば無事だね」
「曖昧な答えじゃなくちゃんと答えてください!」
「ミヌエットは無事かどうかしか聞いてないでしょう?」
「……っ」
「どこにいっちゃったのぉ〜?」
「ここから遠い、颯真という大陸にある超高難度ダンジョンの最奥へ連れて行かれたね」
「誰がどうしてそんな場所へレイアちゃんを連れて行ったのですか!」
「質問は一つだよ楓花。連れて行ったのは私のお姉ちゃん、つまり別世界の神」
「ミヌエット、リン、楓花…ありがとな。俺の聞きたいことをあらかた聞いてくれて。 じゃあハヅキは! アイツは何処にいった!」
「あの子も颯真の大陸にあるダンジョンの一つに飛ばされたよ」
「無事なのか!?」
「質問は一つ。 ノーラ、私はゼファーラやあの子の姉達にも伝えに行かなきゃ行けないからここは任せるね」
「嘘じゃろ!?」
中途半端に答えてこやつらの謎を更に増やして妾に丸投げするとか何してくれとるんじゃ!?
消えよったし…。神というより悪魔の所業じゃろ、これはもう。
「どうなってやがる…! ハヅキが飛ばされたのはわかってんだよ! 無事かくらい答えていってくれ…。地名も聞いたことがないし、どうしろって言うんだ…」
「茉莉花姉様…」
「レイア様の飛ばされた先と同じですが、確かに聞いたことのない地名でした…」
「なのぉ〜…」
やれやれ…。
それくらいなら手を貸してやれるか。
確かローラはこうしておったよな?…うむ。一度見ればできぬものでもないな。
「お主らもある程度の地図は見たことあるじゃろ? ここが今おるアーニマルタ大陸じゃ」
「あら…。 あの、この地図おかしくありませんか? 確かここに魔の国があったと思うのですが…」
「うむ。ミヌエットはよう知っとるな。 少し前にな?魔の国は移動したんじゃ。今はここじゃ」
「こんな海の真ん中に小大陸が…えっ、魔の国が動いた!?」
「そこがレイアの飛ばされた颯真の大陸じゃ。ハズキもここらしいな」
「魔の国が動いたのぉ〜?」
「ほれ、レイアは魔の国の王女じゃろ?それ関係でちとな?」
まさか妾の姉がレイアに会いたいがためにだけに動いたとも言えんじゃろ…。
「ならそこにダンジョンはいくつある?」
「五つじゃな。レイアが飛ばされたのはその中でも一番難易度の高いダンジョンじゃ」
「なら、この大陸へはどうやって行けばいい?」
「当然船じゃろ。 じゃが、レイアのおる大陸のダンジョンは茉莉花では絶対に攻略は不可能じゃ。間違いなく死ぬぞ」
「…くそっ! そんなところへレイアは飛ばされたのかよ!」
「まぁ、そこにはアヤツの姉と妾の姉と妹らも向かっておるから、任せておけ。妾もすぐに向かう」
「連れてって! 僕がレイアちゃんを迎えに行きます!」
「わたくしもです!」
「いくのぉ〜」
「話を聞いておったか? 妾のダンジョンすら生ぬるい難易度じゃぞ?」
「だからってここで待ってるのは違うでしょ! お願いします、連れて行ってください」
「なんとかお願いします! レイア様をお救いせねば…」
「おねがいなのぉ〜頑張るから…」
「そうは言うてもじゃな…」
ユナのきゅーぶでも借りん事には無理なんじゃ。妾も飛んでいくのは大変なんじゃぞ?
「俺も行くぞ。勝手な俺の都合にレイアを巻き込んだんだ…てめぇの命大事さに見捨てたらハズキにも合わす顔がねぇんだ。なによりアイツもそこにいるのなら行くしかねぇだろ」
「ううむ……」
「あの…ノーラ様」
「こ、こら! ローラ! 隠れてないとだめでしょ!」
出て来てしもうたか…。もうしょうがないじゃろな。
「どうしたんじゃ?ローラ」
「わたしに一つ考えがあるのですが」
「うん?」
確かにローラならなにか思いついてもおかしくはないと思ってしまうのじゃな。聞いてみて損はない筈じゃ!




