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異世界に弟を奪われた姉達の奮闘記 〜なお弟はTSしても異世界を気ままに満喫中〜  作者: 狐のボタン


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セーラとフォーラは“今のうちに洞窟を抜けておく”と言って、キューブを持って出ていった。

元気だな…。さすがドラゴン。


「ユナ、食事の用意するわ〜」

「手伝うよ」

最近はうちもできる限り手伝うようにしてる。目に見えて料理のレベルも上がるからモチベにもつながってる。

いつかうち一人でもレイアの喜ぶ和食を作れるようになれたら…。


「ユナも手際が良くなったわねぇ〜…」

「そう?」

「ええ〜。そろそろ任せて私はのんびりしようかしら〜…」

シノ姉が料理をせずにのんびりする?絶対にないな。

でも、それくらい任せてもらえたら嬉しいとは思う。



「水中は抜けたわよ。でも、ここからはまた過酷よ」

キューブ内に戻ってきたフォーラはまた不穏なセリフを…。

「過酷ってどうなってるのよ?ずっと水中とかならあんた達が進めばいいじゃない」

「溶岩地帯なの! あたしは耐えられないから戻ったのだけど、セーラ姉様が行けるだけ進んでくれてるわ」

「今度は溶岩ですか…」

ユリノの辛そうな顔の意味、うちはわかるぞ。苦い思い出が蘇るからな。


「私が行ってくるわ。前の装備持ってるし」

「それでしたら私も行きます、リオ先輩!」

「ミミは待ってていいから」

「でも…」

「大丈夫。任せて」

「はい…」

リオがねぇ…。前は散々耐熱装備に文句言ってたのに。


「あの子もできる事をしたいのよ〜…今は任せましょう〜?」

「ああ…」

色々と思うところがあるんだろうなリオも。




三十分くらいか、夕食が出来上がる頃にセーラもリオも戻ってきた。

「リオ、大丈夫か?」

「うん。でも、この先は二人では無理そうだから」

「ボスの扉みつけた…?」

ああ、それは二人だけに押し付けるものじゃないな。


「先ずは食事しましょう〜?それからどうするか相談したらいいのよ〜…」

「だな」

全員で夕食を食べながら、リオとセーラから話を聞いた。

リオは耐熱装備を着ていったんだけど、そこまで溶岩からの熱がひどかったわけではないらしい。

「崖下の方に溶岩があって、歩く場所は高い場所の一本道だったから迷いもしなくて」

「道中に敵は出なかったのですか?」

「セーラがブレスで倒してくれたから楽だったわ」

「あれくらい平気…?」

リオは本当についていっただけで、かえって足手まといになったんじゃないかとまた落ち込んでる。

あの装備を着てると思うように動けないんだから仕方ないと言ったのだけどな。



「多分あの装備なくても平気…?ちょっと熱いくらい…?」

「ドラゴンの感覚だとアタシ達はよくても人間にはキツイわ」

「それもふまえた上で言ってる…?」

「どちらにしてもボス戦であの装備を着ながらでは戦い辛いからな。大丈夫だと言うならこのままのがうちらは楽だけど」

「仕方ないわね…。アタシが一度確認してくるわ」

「うちも行く」

アリスもヴァンパイアだからな。うちらと感覚が違いすぎる。って、うちもヴァンパイアだった…。

まぁ、でもアリスたちに比べたらうちのが人に近いだろうし、いきなりシノ姉とかに体験させるよりいいだろ。


アリスとキューブから出ると、リオの言っていたように断崖絶壁の細い通路の上。覗き込むと溶岩が遥か下に見える。

「確かに覗き込むと熱風はくるけど、耐えられないほどじゃないな」

「ユナで平気ならみんな大丈夫ね」

「…なあアリス」

「なによ?」

「うちはヴァンパイアとしてどの程度のレベルなんだ?」

「今はまだアリサの下位互換ってところかしら。あの子から血をもらいながら年数が経てば強くはなるわね」

「ステータスのレベルとは別物なのか?」

「そうね。ヴァンパイアとしてのレベルというのはないけど、クラスというのがあるのよ。例えばアタシやアイナ姉様は真祖といって上から2つ目のクラス。アリサもそうだけど、あの子もまだまだ未熟ね」

「なるほどな」

「ちなみにユナは下から数えたほうが早いくらいよ?」

そんな気はしてたからわざわざ言わないでくれ…。


アリスと話してたらみんなキューブから出てきた。

「大丈夫でしょ…?そういったのに…?」

「悪かったわよ。セーラを疑ったというよりは人間の脆さが不安だったってだけ」

実際シノ姉達も平気そうだから、セーラの言うとおりだったんだろう。

「暑いは暑いけど、耐えられないほどじゃないわね。 さて…私たちがいるうちにボス行かない?」

「私もお役に立ちたいですから!」

リオとミミがやる気なら行くか…。

みんなもやる気になってるしな。


「じゃあ行くよ…?」

「ああ。頼むセーラ」

ギギーっとセーラがボス部屋の扉を開けると、むわっと熱気が吹き出してきた。

「あっつ…」

「耐えられそうか?」

「後でシャワー浴びればいいだけです! それよりユナさん、前を!!」

ユリノの言われて前を見ると、ボス部屋の半分くらいを占める溶岩の中を蛇のような体が泳いでいるのが見えた。


「嘘だろ…あれと戦えってか!?」

水龍の炎版?炎龍とでも言えばいいのか…。

「アリス、また私達は陽動…飛びまわれ」

「はぁ…わかってるわよ。シノ、さっきの弓使いなさい。ユナ達もマジックガンで水とか氷で撃つのよ!」

「ああ…」

アリスたちが囮になってくれている間にうちらは陸から遠距離攻撃。

さっき拾った弓を射るシノ姉。確実に当てていくし、ダメージもしっかり入ってそうに見える。


「多分シノ姉が最大戦力だ! うちらは援護するぞ!」

みんなも理解してるからか、シノ姉を守るように動く。

幸いにも炎龍のブレスは飛び回るアリスとアイナに向いてて、此方へはほとんど向かないのは助かる。

気をつけるのはブレスが壁や天井にあたってパラパラと落ちてくる破片や、暴れた結果水しぶきの様に飛び散る溶岩。これは本当に気をつけないと危なすぎる!

「ユナ姉、シノ姉の守りは私に任せて!」

ガシャンガシャンとおかしな音がすると思ったら…リオが耐熱装備を着てシノ姉を守ると宣言。

「わかった、任せる! うちらは動き回って少しでも攻撃を当てるぞ!」

全員がマジックガンは持ってるし、リシェルは元々魔法が得意だから、シノ姉に次ぐ戦力だ。


「当たらないでよ!」

何かと思ったら…ノーラに守られつつ、フォーラがブレスを放つ。

あ、水が扱えるからか!

ものすごい水圧の水が炎龍へと放たれ、結果的に溶岩も部分的ではあるけど固まった。

「後は妾に任せるのじゃ。熱いのにようやったフォーラ」

「…あとは任せるわ」

限界なのかフォーラはキューブ内へ避難。


ノーラはフォーラが作った陸へとブレスを重ねる。

あれって土か?泥…?

アースドラゴンってブレスでそんなもの吐くんだな。流石に予想外だ。


「これでお主らでも歩けるじゃろ!」

「ありがとうございますノーラ。あとは任せてください!」

「妾にはこれくらいしか出来んが…。気をつけるんじゃぞ!」

「よくやったよ…ノーラ? フォーラも後で褒めてあげる…?」

珍しい…。セーラがレイア以外に優しい言葉をかけるなんて。

「ユナさん! 攻撃の手を止めないでください!」

「わ、悪い!」

リシェルに怒られてしまった…。びっくりしたんだから仕方ねーよ。













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