対水龍戦の成果
シャロンのお陰で水龍の討伐も完了。
なのに、一番活躍したシャロンが中々水から上がってこない。
フォーラが迎えに行ったのに…。
「大丈夫でしょうか…」
「二人とも無事は無事…?なにか揉めてるっぽい…?」
水中でか?なにしてんだよ…。
「ちょっと見てくる…?」
セーラも水中へ潜れるのな…。まあ本体が島になってるくらいだしあり得なくもないか。
「今のうちに拾えるものを回収して、すぐに休めるようにしておきませんか?」
「水龍って何か取れるのか?」
「ええ…。伝説級のものが」
リシェルも知識ならユリノに負けないくらいある。そのリシェルが言うんだから相当なんだろう。
「ここはやっぱりシノ姉に任せるか。少しでもいいものが取れるかもだし」
「わかったわ〜…」
しばらくシノ姉は水龍の頭付近でゴソゴソしていたけど、やがて水龍の体が消滅。
素材を取ると消えるのはいつも通りか…。
「シノ、何が拾えたのよ?」
「わかんないからみんな見て〜…」
地面にシノ姉が並べたのは大きな水色の玉に、鱗や角、後はやたらキラキラして半透明な水色の弓。ガラス製だと言われても納得するような見た目。
「水龍から取れる最上位の物が揃ってますね…」
「ええ。水龍玉は秘宝レベルですし、そちらの弓に関しては私の知識にはありません。ユリノさんわかります?」
「恐らく龍神の弓(水)かと…」
「カッコ水ってなんだよ」
「通常の攻撃に水属性が乗るんです。火属性の敵には効果抜群です」
「弓なんて使えるのシノ姉くらいだから渡していいよな?」
「いいわよ。別にお金になんて困ってないもの」
「素材とかどうでもいい…」
アイナは海賊としてそれでいいのか?秘宝レベルらしいぞ、あの玉。
とはいえ、うちの知る限りアリスとアイナが欲を見せるのなんてレイアに関する時だけだもんな。他のことに関しては一切無頓着とも言える。
「シノ姉、全部預かっておいてくれ。弓は好きに使えばいいし」
「そう〜?なら…」
シノ姉が戦利品をしまい込んでいたら、ゴポゴポとまた地底湖が泡立ち、全員が戦闘態勢へ。
恐らくフォーラ達だろうけど万が一がある!
水から先に飛び出してきたのはセーラ。少し遅れて大きなフォーラがざぱぁんっと波を立てて顔を出した。
セーラは小脇にシャロンと、二本のランスを抱えてる。
「シャロンは大丈夫なのか!?」
「気を失ってるだけ…?休ませたいからユナ…?」
「ああ!」
キューブへとみんなで入り、セーラはシャロンを地面へと寝かす。
ずぶ濡れだしな…。セーラ本人はとっくに乾いてるのは突っ込んだほうがいいのか?
「埃を払うようにしただけで乾いてましたから」
ユリノは見てたのか。ほんと、ドラゴンはよくわかんねーな。
「そいつ、ほっといて大丈夫なの?」
「水中に沈んでるのに、水龍に刺さってたランスを取ろうとして諦めなかったのよ。セーラ姉様の説得にも耳を貸さなかったの」
「レイアに買ってもらったとか言っていたランスですね」
「そういう事ね。 途中で急に水龍が消えたものだから、驚いて溺れただけよ」
「大丈夫なのかそれ…」
「しっかり呼吸もしていますし、問題はないかと…。すぐに目を覚ますと思います」
「わかった、ありがとなユリノ」
「いえ…。レイアがいればすぐに治療できたでしょうが…」
居てくれたらってうちも思うけど、居ないんだからどうにもなんねーって。
そもそもシャロンはそんな大切な武器ならぶん投げるなと言いたいところだけど、あれが決定打になったのは事実だからな。
しばらくして目を覚ましたシャロンはランスを抱きしめるように頬ずり。
もうヤバいやつじゃん…。
シャロンを見かねて、その日は一旦キューブ内で休み、ログインしたリオとミミにも情報共有。
せっかく来たのに何もすることがなくて悪いけど、うちらも疲れたんだよ…。
「リオ、お母さんはあれからどうしてる?」
「いつも通りだよ。週末に零に会えるからって元気にしてる」
「そっか」
明日は金曜日で明後日には会えるからな。うちらも頑張るか…。
リオとミミは地底湖を見てくると言ってキューブから出ていった。
特に何もなかった気がするけど…。ミミなら意外となにか見つけそうではある。
しばらくして戻ってきた二人。
「あの、ここってボス部屋じゃなかったんですよね?」
「違うと思うぞ。例のドアもなかったし…。セーラ、ドア無しでボス部屋とかあり得るのか?」
「それはない…?あれはせいぜい中ボスクラス…?」
あれでかよ…。
「じゃあおかしいわね」
「はい、リオ先輩」
「何がおかしいんです?」
「次の行き先が無いんですよ。皆さんが這って通ってこられたと思しき穴はあったんですが、他には何処にも」
「見落としたとかは?」
「そう思って何回も確認したのよ。でも穴は一つだけ」
つまり行き止まりって事だよな?途中にも横道なんてなかったぞ?狭い一本道だった。
「多分地底湖の中よ」
「見たのか?フォーラ」
「ええ、ちらっとだけど大きな洞窟みたいなのが水中に見えたの。その先が繋がってる保証はないけど…」
「あってる…?把握してるから大丈夫…?」
「セーラが言うのなら間違いないのでしょうが、どうやって進むかですね」
距離によっては息も続かないしな。
「アンタ達、時々バカになるわよね」
「アリス、方法があるならケンカ売らずに教えてくれ」
「キューブをフォーラかセーラに渡して進んでもらえばいいじゃない」
……。
その手があったか。
なにもバカ正直に生身で行く必要もない。
「そういうアリスも狭いとか言いながらもキューブに入らなかったじゃないですか」
「うるっさいわよユリノ! いつ戦闘になるかもわからないのに汚れるからなんて理由だけでサボってたらあの子に合わせる顔がなくなるわ!」
ツンデレか…。
「水龍がいたくらいだから他の驚異はしれてる…?私とフォーラで進むから待ってて…?」
「悪いな。流石に水中はどうにもならないから任せる」
「仕方ないわね。人も不便ね?」
「ドラゴンにも不便なの一人いるけどな」
「妾は地上専門なんじゃ! 仕方なかろう…」
アースドラゴンだもんな?




