学校終りにダンジョンへ
学校終わりに一度寮へ戻り、動きやすい服へと着替える。
カティアさんには友達と街へ遊びに行くと言って許可ももらった。
護衛のアヤさんはついて来るけど、ギルドタグもってるんやろうか?
学校の敷地から出る門のところで茉莉花達と待ち合わせだから、みんなが集まるまでに聞いてみた。
「ギルドタグは持ってませんね…」
「でも魔の国ってダンジョンを国が管理してるとかやなかったっけ…?」
「ええ。新兵の時から訓練として何度もダンジョンへは行ってますが、あくまでも兵としてですから」
仕えている国の管理するダンジョンへ兵士として入ってるから、一般人の様にギルドタグが必要ないのか…。
「じゃあアヤさんは他所の国ではダンジョンに入れないんやな」
「そうなりますね。国軍として入るというなら可能ですが、意味もなくそのような手段は取れませんね。最近ですとカカオ周辺のダンジョンへなら魔の国の兵士が調査目的で入りましたが…」
「ああ。あそこももう魔の国の支配エリアなんやっけ」
「ええ。シノ様の命で街から近いダンジョンは低階層までなら調査済みです」
「シノ姉が…。 調査って何を調べたんや?」
「どのような敵が出るか、何を落とすか、後は明確な難易度ですね。低階層からでも全体の大凡の難易度は推し量れますから。それらの情報をギルドと共有してダンジョンに入る人間をランクでわけて事故を防ぐようになってます」
さすがシノ姉…。今はオレの奴隷って扱いになってるお姉さん達みたいに、ダンジョンで大怪我するっていう可能性を予め減らしておくんやな。
「何故ダンジョンのお話を…?」
「ん? 今からみんなで遊びに行くからやな!」
「はい!?」
「まずいのか?」
「レイア様は魔の国の王女様です! そのような危険な事は…」
「タグも持ってるのにか?」
首からかけてるのを見せたらかなり驚いてる様子。
「Bランク!? すごい…ハンターでもBへ上がれるのなんて10%にも満たないですのに…」
まぁほとんど姉たちのお陰なんやけど、今それを言ったら入るの許してもらえなさそうやし、だまっとくか…。むちゃするつもりなんてないしな。
「待たせて悪いな! 楓花が準備に手間取って時間かかったんだ」
「ごめんね。普段あまりダンジョンって入らないから…」
楓花は産まれながらの王女だもんな。いつも潜ってる茉莉花がおかしいんだろ。
「楓花は許可貰えたのか?」
「うちはほら、茉莉花姉様がいるからね。レイアちゃんは大丈夫だった?」
「んー。まぁ大丈夫やろ」
アヤさん、何も言わなくなったし。
少ししてミヌエットとリンも待ち合わせ場所へ到着。
二人も問題なく許可がもらえてるらしい。
「うちも近くにダンジョンはありますし、王族の嗜みとして一通りの戦闘は学んでいますから」
タグもしっかり持ってるのな。ニャンダー近くのダンジョンっていうとフォーラのとこか?
今更やけど、ここにいるの王族ばっかじゃねぇか。
オレの王族のイメージって、こう…城に籠もってて優雅にお茶してるかパーティしてるって感じやったけど、そうでもないのな。この世界の王女は逞しいわ…。
街の中にあるダンジョンへと向かう間に、茉莉花から戦い方について説明があった。
「俺と楓花は前衛、レイアは後衛。お前ら二人は何ができる?」
「わたくしもリンも前衛です」
「そうか…。ちょっとバランス悪いがしゃーねぇか」
ミヌエットは見た目にそぐわないくらい大きな剣を背負ってるし、リンは大きな手にピッタリな金属製の篭手をつけてる。これ、あれや…ぶん殴りに行くタイプ…。
「楓花は武器って何を使うんだ?」
「実践で見せてあげるよ。援護よろしくね?」
「まかせろ。でもみんな怪我だけは気をつけてくれよ。治せるとは言っても怪我する皆の姿とか見たくねぇからな!」
ユナ姉みたいな酷い怪我は本当にやめてほしい…。
「ま、今日は肩慣らしだから大丈夫だ。どこまで連携取れるか確認しねぇと先へ進むにも危ないからな」
「茉莉花は慣れてるんだよな?指示に従うからよろしくな!」
「おう、任せろ!」
茉莉花から色々とダンジョンについて説明を聞いていたら、いつの間にか入り口についてた。
ここへ来るのも結構久しぶりな気がするな…。
今はノーラもダンジョン内に居ないから気をつけないとだな。また落下したら目も当てられねぇ…。
一階にあるギルドで手続きをして、アヤさんとはここで別れる。
「お供できず申し訳ありません」
「こっちこそ待たせちゃうけどごめんな。休憩スペースでのんびりしててくれ」
あまり高額だと困らせるだけやと思い、飲食が楽にできるくらいの硬貨を渡しておく。ここにも飲み食いできる施設はあるし。
「レイア様!? 受け取れません!」
「いいから。いつもお世話になってるんやからこれくらいさせてくれ」
「…わかりました。ありがとうございます」
受け取ってくれてよかった。オレもある程度金銭感覚は学んだからな!
「いいとこあるじゃねぇか」
「そうか?世話になってるんやから当然やろ。待たせちまうんだし」
茉莉花やミヌエット達はそもそも護衛なんて連れてきてないしな。うちもそうすればよかったんだろうけど、アヤさんは絶対について来るって言うやろうなぁと。
兵士じゃなかったらギルドタグ取ってまでついてきただろうし。兵士はギルドに所属できない決まりなんだと言って謝られたくらいだ。
「ある程度進みながら全員がどれくらい戦えるか見るぞ。俺は危険が無きゃ手を出さねえからやれるだけやってみろ」
「僕だって戦えるってところ見せるから! 見ててねレイアちゃん!」
「おう。援護は任せろ」
「ではリン。わたくし達も負けていられませんわね」
「はぁい〜。はりきっちゃいます〜」
声と行動のギャップすごいなリン。ほわほわしてるのに、両手に着けてる金属の篭手をガチンッと打ち合わせてる。
オレも弓を構えとくか…。




