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悪役令嬢そっくりなモブに転生してしまいました  作者: こもりみかん


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2/3

出発

 私は首を押さえられ、ギロチンの刃が私目掛けて振り落とされる。

 そんな未来がフラッシュバックして、 体が小刻みに揺れ、頬に冷たい汗が伝う。


「嫌だ…死にたくない」

 ただでさえ、転生して混乱しているのに。処刑される未来が約束されているなんて冗談じゃない。


「な…何か。何か行動を起こさなきゃ」

 私は手に持っていた手紙を強く握りしめる。

 階段で足を滑らせて死んだと思ったら、二度目の人生でもすぐに死ぬのが確定…? こんなの間違ってる。ローゼンベルク家からこの契約を解除してもらわなきゃ……。じゃないと……私は…。


 無理かもしれない。追い返されるかもしれない。けれど私は行動するしかなかった。



 家から出た瞬間、私は立ち尽くした。

見渡す限り畑だった。地理の教科書で見たことある。これは紅茶畑…?


「……どこ?」

乙女ゲームの主要な街並みは覚えている。けれど、こんな場所は知らない。

 道順が分からず足が止まってしまう。私は辺りを見渡し、畑にいる女性を見つける。


 そうだ。あの人に聞こう。

 私は畑で作業している女性の元へと近づく。


「あの…すみません」

 女性は振り向き、笑顔になる。

「あらマリア。起きるのが遅かったじゃない。珍しいわね。……それにしてもどうしたの…? 随分とよそよそしいじゃない」


 マリアって確か手紙に書いてた名前……。ってことは私のことか。

 つまりこの人は私の知り合い……? まずい怪しまれないようにしなきゃ。若干頭に白いモヤがかかる。

「ごめんなさい! 寝ぼけちゃって間違えちゃったの」


 なるほどと女性は零す。

「マリアもそういう日があるのね。ちょっと安心したわ。貴方いつも気負ってるから」


 この喋り方の様子的に家族ではなさそう…? でも、家の広さ的に一人暮らしではなさそうだしどうなんだろ?  いずれにせよボロを出さないようにしなくちゃいけない。


「あはは…心配してくれてありがとう」

「いいえ。それより、何か聞こうとしてたんじゃなかった?」


 私は本来の目的を思い出す。

「ローゼンベルク家に行きたくて――」

「アンタまだそんなこと考えてたの!!」


 女性は涙ながらに睨みつける。しかし、私も引けない。

 私は手紙をさらに握りしめる。女性は私の手元を見る。


「マリア…それは……」

「ローゼンベルク家からの通達」

 慌てて女性は私の手から手紙を取る。破れた紙を照らし合わせ、女性は内容を確かめた。


「そんな…身代わりに……」

「そう。だから契約を解除してもらいに行くの」

 女性は俯いたまま

「そう…しがらみに囚われているわけじゃないのね」

「ええ」


 しがらみ。ローゼンベルクとも関係を持ってたってこと…? この体は一体……。

「分かったわ。じゃあ、約束してマリア。結果がどうあれ必ずここに戻ることを」

「その約束お守りします」


 小柳奈津としてではなく、マリアになりきって行ってみせる。


「おばさま」

 無難な呼び方をする。女性は悲しそうに微笑む。

「こんな時ぐらい、貴方のお母様でありたかったわ」

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