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ルリの秘密と黒と白

 受付のお仕事は話さなくてもこなせたりします。

 話す方がいい?

 そういう日もあるのです。

「………」


 今日は『ミューズの安らぎ』で受付です。


「ルリ、少しは喋りなさいよ……」


 横で、セシリーが呆れています。


「………」


 ぶんぶんと首を横に振って、否定します。


「まったくもう……」


 どうして喋らないのか?

 先日の戦いで疲れたのです。他にも理由はありますよ?

 それで受付が務まるのか?文字で書くので大丈夫です!


「ルリ、あなたはいつになれば元に戻るのかしら?」

「………」


 私は首を傾げるしかできません。

 言いたい事はわかりますけど、私もわかりません。

 色々な記憶はありますよ?

 それも『私』ですから。


「………」

「ええ、また明日ね」


 私は紙に『部屋に戻ります』と書いて見せ、自分の家に戻ったのでした。




「ルリお姉ちゃん、お疲れ様です」


 ドアを開けると、レティアが出迎えてくれました。

 家に帰ると誰かが出迎えてくれる。嬉しいことです。


「………」


 『ただいまです』と書いておいた紙を見せる。


「……ルリお姉ちゃん、その書いた紙は先に用意していましたよね?」

「………」


 当然です!とわかるように、胸を張って見せると。


「残念さが更に増していきます……。話していても黙っていても美人なのは確かですが、日常を手抜きで生活する……残念と言うしか表現ができません……。でも、働いてはいるので、そこまで悲観的にならなくても、いいのでしょうか?だとすると……いえ、やっぱりダメです!ルリお姉ちゃんには立派でいてもらわないと……ルリお姉ちゃん?」


 出迎えてくれたのはいいのです。

 でも、続けざま私のダメさを言われると……泣くしかできません。


「………」


 『不貞寝します』と書いた紙をレティアに渡し、ソファーに飛び込んで、丸くなるのでした。




「………」


 不貞寝のまま日が変わり、明け方になっていました。


「……外に出ましょう」


 明け方と言っても、まだ外は暗いです。


「……あ」


 外に出る前に、レティアを確認しないとダメですね。

 眠っているとは思いますけど。


「………」


 寝室のドアを開けて部屋の中を確認する。

 静かな寝息を立て、レティアは眠っていました。


「……寝ていると可愛いです」


 私はドアを閉め、部屋を後にしたのでした。

 普段のレティアも可愛いですよ?




「………」


 『ミューズの安らぎ』の受付は交代で起きているので、簡単に挨拶をして外へ出ましょう。


(……静かです)


 明け方だと、普段は賑わっている前の通りも人は少ないです。


「ルリさん、おはよう」


 いつも通りの時間と言えばいいのでしょうか?

 シエラさんに外に出て直ぐに出会います。


「……おはようです」

「あれ?ルリさん、話してる……」

「!?」


 私は慌てて、口を手で塞ぎます。


「……まだ話す気にならないのかな?」

「………」


 こくこくと頷きながら、紙に文字を書いていきます。


「えーと……今のは見なかったことにしてください?」


 シエラさんが書いた内容を読み上げる。


「皆も心配してるよ?」


 それもわかってはいるのです。

 話さない理由も伝えていないだけで本当はあります。

 伝えた方がいいのでしょうか?


「ルリさんがそこまでして黙ってるって、何か理由があるんだよね?」

「………」


 こくこくと頷きます。


「そっか。でも、私だけ久しぶりに声聞いたって知られると、セシリーとレティアが怖いから、皆に言うね」

「!?」


 ダメです!

 今の私を無理やり話させてはダメなのです!


「ルリさん、そんな泣きそうな顔をしないでほしいよ……。実際、私の方が怖い目に遭うんだから」

「………」


 セシリーとレティアに問い詰められる、シエラさんを想像してみましょう。

 ……色々とダメですね。私は確実に泣きます。


「……仕方がないです」


 理由を話しましょう。


「……今から言うことは、私とシエラさんの秘密です」

「え、ちょっと、ルリさん!?」


 シエラさんの手を掴んで、裏路地に向かって歩いていきます。

 目立つ場所では少し気が引けますから。


「……ここなら、大丈夫そうです」

「えっと……」


 シエラさんがキョロキョロと周囲を見渡しています。

 この場所はお昼を過ぎると人も多くはなりますが、明け方なので人はほぼ居ません。


「あれ?もしかして、連れ込まれちゃった……?」


 シエラさんは青くなることはなく、赤くなっています。


「……そうですね」


 連れ込んだのは事実です。


「だよね……」


 シエラさんが僅かに目を逸らしました。

 私の瞳の色を見てだと思います。

 今の私の瞳は薄い赤い色ではなく深紅でしょう。


「……この瞳の理由はあります」


 シエラさんが声に反応して、私に視線を戻しました。

 先ほどよりも、顔は赤いですね。


「……私の瞳はいわゆる、魔眼と呼ばれるものです」

「魔眼?色々な種類があるって聞いたことはあるけど……」


 シエラさんが言う通り、色々な種類があります。

 私が『魔力の流れがわかる』、『魔法の分析ができる』というのは『精霊の瞳』という魔眼だからです。

 これは、アルテナから受け継いだものです。


「……薄々はわかっていますよね?」

「……これって、そういうことだよね?」


 深紅に妖しく輝く瞳。これは『魅了の瞳』というものです。

 島の家族の誰から受け継いだのかわからないのですけど。


「……今の私は言葉を発すると魔力が動くみたいなのです」

「……そうなんだ」


 自分で気が付いたのは、お城での戦いの翌日でした。

 鏡で瞳の色に気が付き、話すのを止めましたからね。


「……これは魅了の瞳です。色々と惑わす、危険な瞳です」

「魅了だもんね。……しかも、ルリさんがそんな魔眼を持っているとか、危険通り越してると思うけど」

「……ほんと、色々とダメにしますよね」


 少しずつ、距離を詰めていきます。


「っ!」


 私とシエラさんの距離があと一歩となった時、シエラさんが慌てて横を向きました。


「……どうしたのですか?」

「な、何でもない!」

「……なんでもないなら、こっちを向いてください」

「何でもないから!絶対、わざとやってるよね!?」

「こっちを向いてくれないと……」


 目の前の人が愛おしくなります。


「……愛してあげませんよ?」

「それずるい!うぅ……」


 シエラさんがこちらに視線を戻しました。


「……さぁ、私が届くように、少し屈んでください」

「……え?うそ!?」


 私の言葉に反応して、シエラさんの顔が私の目の前の高さになりました。


「……はぁ」


 思わず、ため息がでます。

 目の前の人を自分のものにしたいと。

 誰にも譲らない。私だけのものだと。


「………」


 シエラさんは硬直したと言っても過言ではありません。

 全く動きませんからね。


「さぁ……」


 シエラさんの方へ顔を近づけ……。


「……っ!」


 私はそのまま、シエラさんに抱き付きました。


「……危なかったです。魔力がコントロールできないと、自分ものまれます……」

「え!?あれ……えっと……」


 シエラさんも驚いたようです。


「……今の私は危険なのです。解ってくれましたよね?」

「……体験したからね。私としてはごほ………なんでもない!」

「?」


 最後が少し気になりますが、なんでしょう?


「ルリさんが話さないのはわかったよ。でも、皆にどうして秘密なの?」

「……シエラさんはわかったと思いますよ」


 抱き着いていた状態から離れ、数歩距離を取ります。


「私がわかる?思いつかないけど……」

「……感情すら操るものを、私は好んで使いたくありません」

「あ……」


 納得してくれたようです。


「……私はこのまま、散歩してきます。ギルドのお仕事までには戻ります」

「わかった。気を付けてね」

「……はい」


 私は裏路地を抜け、王都の外へ続く道を向かうのでした。




 王都を出て、目的地までゆっくりと散歩です。

 目的地ですか?私が作った露天風呂がある所です。これでも、時間を作っては通っていますから。


(……そういえば、屋根は修理されたのでしたっけ?)


 捨て小屋を私がお風呂にしたものですが、気になったので、ゼフィアに持ち主がいるのか確認してもらいました。結果は持ち主は既にこの世にはいないというものでした。それも結構前にです。


(……実は私は家以外にも小屋の持ち主でもあるのです)


 誰も主が居ない小屋というのもあり、所有者は私になったのです。

 湖も近い場所にあるので、立地的には良いはずなのですが、以前の黒狼騒動で不人気になっています。


(……いつか、この場所を大きな露天風呂にするのです)


 私の密かな野望でもあります。


(……経営が可能な程大きな露天風呂になれば、レティアの将来も安泰です)


 といっても、レティアは将来自然と立派な大人になると思います。

 しっかりしていますからね。ダメな私とは真逆です。

 ……自分で思ってもへこんでしまいますね。


(……レティアの将来ですか)


 大切な妹の将来です。心配するのが姉です。


(……何もなく、平穏に過ぎればいいのですけど)


 レティアは滅んだとはいえ、エネディアナ皇国の元皇女です。

 命を狙われていたのは前の話かもしれませんが、未だに狙っている人がいるかもしれません。

 『レティア・トゥルー』が『レティア・エネディアナ』と一部の人が知った時、騒動になる可能性はとても高いです。


(……今の私では守れない可能性が非常に高いですね)


 無意識に歯を食いしばったらしく、音がしました。


(……皆さんにその時は力を貸してもらわないとダメです)


 レティアの事ですから、セシリーもシエラさんもゼフィアも快く引き受けてくれるでしょう。

 ですが……。


(……少し、情けないです)


 確率は五分五分だとは思いますが、翼の一斉解放というのを試したくもなります。

 生きるか死ぬかの二択です。


(……まだ時期ではないですよね)


 試すのは簡単です。

 失敗した場合、レティアは立ち直れなくなるかもしれません。

 それに、他の皆さんも。

 私が自意識過剰なのかもしれませんが、まだするべきではないのでしょう。


「………」


 考えるのを止めて視線を道に戻すと、小屋の近くまでやってきたことに気が付きました。


(……考え事をしていると近いものです)


 小屋に近づく前に、周辺の気配を探ります。黒狼の気配はありませんね。

 この前、訪れた時は少し大変だったのです。湖の傍に黒狼の子供が沢山いたのですよ。

 確か二桁近い数でしたね。襲い掛かってくることはありませんが、『遊んで!』といわんばかりの勢いで一斉にこちらに向かって突撃してきて、飛びかかってきましたし。

 噛むのも甘噛み、構ってと身体を摺り寄せる子もちらほら、可愛いですが本当に大変なのですよ。


(……暫く遊んであげた後、親が出ましたから)


 親の黒狼の気配を感じ、その方向を見ても、黒狼は襲い掛かってくることはなかったです。

 なんといいますか、『子供と遊んでくれてありがとう』と言われた気がしましたから。

 その後は、私の周りでうろうろしている子供たちを一匹ずつ咥えて、森の中へ帰っていくのを見送りましたよ?

 襲われなければ、私は争いたくありませんし。

 あの黒狼は物分かりがよい?黒狼だったのでしょう。


(……さぁ、お待ちかねの露天風呂です。……?)


 小屋に近づくにつれて、血の匂いがします。

 とても嫌な予感がします。近くの湖で子黒狼が頻繁に遊んでいるのはギルドでも確認できてます。


(……この予感だけは外れてください。お願いですから!)


 私はその場から駆け出し、血の匂いが強くなる方に辿り着きました。


「……そんな」


 小屋から少し離れた所で、黒狼の子供たちの大量の遺体がありました。


「……酷いですが、酷いとも言い切れませんね」


 全て、一刀の元で切り捨てられていました。

 きっと、ギルドで依頼を受けた人が討伐したのでしょう。


「……私がもっと早くここに来ていたら、こんなことにはならなかったはずです」


 この子たちは悪い事をしません。

 私が知る範囲ではということになりますけど。

 それでも!この子たちは可愛い子黒狼なのです!


「……虚しい問答ですね」


 黒狼は危険な魔物であるが故に討伐されるべき対象である。

 それも理解はしています。

 でも、この子たちは……その対象ではないのです。


「……わかる人にしかわからないことですよね」


 物言わぬ亡骸になった、子黒狼を抱きしめる。


「……ごめんなさい。私がギルドで説明していれば、こんなことにはならなかったのです。……本当にごめんなさい」


 自然と涙があふれ、声が泣き声に変わりました。


「……相容れぬと決めつけるから、こんな悲劇しか生まないのに。どうして、人はここまで自分勝手なのですか!」


 私は叫ぶしかできませんでした。

 自分勝手と言っても、それは私にも返ってきます。


「……せめて、この子たちのお墓だけでも。……っ!?」


 急に背後から殺気を感じて振り返ると。


「……あなたは」


 この子たちの親の黒狼が満身創痍、いえ、瀕死と言っても過言ではありません。

 それでも、立って私を見ていました。


「……治療をしないと」


 そう思い、私は今は魔法が使えないことを思い出しました。


「……こんな時にどうして私は!……いいえ、私だから何も助けられないのです」


 絶望という言葉が似合うでしょう。

 それぐらい、私の心は深く沈んでいました。


「………」


 瀕死の黒狼は私の方をじっと見つめていました。


「……どうして襲わないのですか?私はあなたの子供を殺した側なのですよ?」

「………」


 それでも黒狼は動かない。

 いえ、動けないのでしょう。


「私がそちらに行きますね」


 黒狼もそれを待っているかの様、ぴくりとも動きません。

 そして、私が黒狼の目の前に辿り着いた時。


「……ダメです!」


 黒狼は身体を横たえたのでした。


「あなたまで死んでしまったら、私はこの子供たちに申訳がたちません!せめて、あなただけは!」


 黒狼から命が無くなっていくのが目に見えてわかりました。

 ですが、今の私は止めるすべはなく、見送るしかできません。


「……どうしてこんな」

『あなたにお願いがあります』

「!?」


 不意に頭の中に声が響きました。


「……誰ですか!」

『目の前です』

「……黒狼?」


 私の言葉にうなずいたかの様に顔を少し動かしたのでした。


「お願いというのはなんですか!私でできる事なら喜んでしますよ!」


 消え行く命の前に、嘘を言うことはありません。

 この黒狼が復讐を願ったら、私はそれを叶えるでしょう。

 たとえ、人を敵に回したとしても。


『私のお願いは小屋の中にいる子を助けてくれれば、それだけでいい』

「まだ、生き残りがいるのですか!?直ぐに戻ります!」


 私は全速力で駆けました。

 残りの子も瀕死かもしれません。でも、助けれるのなら、助けたいのです!

 小屋のドアの前に着き、勢いなど無視して、ドアを開けました。


「……わふ」

「……まだ、生きてます」


 見た感じ、怪我というのはほとんどありません。

 ただ、疲れ果てている。その言葉が似あっていました。


「……あなたの親の所に行きますよ」

「……わふ」


 私は子黒狼を抱き上げて、小屋を飛び出しました。


「直ぐに会わせてあげますから……」


 小屋を出て少し歩いた時、その願いは叶わないものとなったことに気が付きました。


「……そん……な……」


 親の黒狼は息を引き取った後でした。


「……わ……ふ」

「だ、ダメです!」


 突如、抱きしめている子黒狼まで命が消えようとしていることに気が付きました。


「どうして!?頼まれたのに、私はあなたまで救えないのですか!?」


 焦って叫ぶしかできない私に。


『黒狼は魔力を糧に生きているのです』


 と声がしました。


「……魔力を糧に」


 私は親黒狼の方を向きました。

 遺言の様なものを息を引き取る前に魔力で残したのでしょう、


「……私の翼ならもしかすると」


 翼を広げて、羽を一枚掴み取り。


「わ……ふ………」


 まもなく息を引きとるかもしれない、子黒狼に羽を見せます。


「……食べてください。あなたが助かる可能性があります。それにもし、この翼が原因で……あなたが暴れて、周囲に危害を及ぼす時は、身勝手な話ですが、私があなたを……安らかに眠らせてあげます。………何もできない私を許してとはいいません。頑張って、生きて下さい」


 子黒狼はためらいながらも、私の羽にかぶりつきました。

 最初はもそもそと噛んで居ましたが、徐々に力強く齧っていくのがわかりました。


(……これでも助かる保証はないです。どうすれば……)


 私が悩んでいると。


『ありがとう』


 と声が聞こえました。

 慌てて、親黒狼を見ますが、息絶えた姿のまま変化はありません。

 今のは聞き間違いなのでしょうか?

 でも、確かに……。


「わふ!」

「あ……」


 私の周囲を元気に走り回っている、子黒狼がいました。


「……助かった?助けれた?……うぅ……よかった……本当に良かったです……」

「わふ?」


 私が泣き出したのを見て、手をなめています。


「……大丈夫ですよ。あなたが助かったのが嬉しいのです」


 頭を撫でていると、尻尾を振っていました。


「……あなたは私が責任をもって育てますからね。それにしても……前にミーナさんにじゃれていた狼ですよね?」

「わふ?」


 子黒狼が考えるような素振りを見せた途端。


「……やっぱりです」


 左右に跳ねてから、私の背後に回り、頭に飛びかかってきました。

 この子も覚えていたのでしょうね。


「……立派になりましたね」

「わふ!」


 街中で見かけた子供の狼が子黒狼です。

 あの親が立派に育てたのでしょう。


「……あなたの家族のお墓を作りましょう」

「わふ!」


 私は頭に乗せたまま、お墓を作り始めるのでした。




「……これぐらいしかできませんね」


 湖の端に見た目は花壇の様なお墓を作りました。

 今の私では、これぐらいしかできません。


「……あなたもこれでいいですか?」


 頭上の子黒狼に声を掛けると。


「……え?」


 「ポテッ」と頭上から落ちてきました。

 飛び降りたのではなく。


「……嘘ですよね?そんな冗談は嫌です!」


 地面に落ち、動かない子黒狼を揺すります。


「……お願いですから!……お願いですから、目を開けてください……。先ほどの様に、私に走り回っていた姿を見せてください……」


 子黒狼の持つ魔力が徐々に小さくなっていくのが、魔法が使えなくなった私でもはっきりとわかりました。


「……ダメです!」


 私が叫び声を上げると「ポンッ!」という音が響き、目の前が輝きました。


「…………一体何が起きたのです?」

「わふ!」


 目の前には一匹の真っ白な子供の狼が居ました。


「……あなたですか?」


 聞くまでもなく、子黒狼なのはわかります。

 でも、訊ねてしまいます。


「わふ!」


 私の周囲を元気に走り回りました。


「……困った子ですよ」

「わふぅ……」


 子白狼を抱きしめて撫でるのでした。




「……どうやってごまかしましょう?」


 汚れたので、小屋にあるお風呂に入っています。


「わふ?」


 白い犬と言うには少し無理がありますが、言いきれば大丈夫ですね。

 たぶん……。


「あなたはこれから犬ですよ」

「わふ!」

「わふではありません。わんです」

「わん!」

「いい子です」


 お風呂に漬かりながら、子白狼を洗っています。


「あとは名前ですね」


 名前って難しいです。

 私も白狼は初めて見ましたから。


「……ユキにしましょう」


 昔、島で見た空から降る雪は綺麗だったのです。


「……ユキ、あなたも大切な私の家族です」

「わん!」


 一人と一匹。

 仲良く、くつろぐのでした。

 白狼となったユキですが、初めて登場した時から再登場は考えていました。

 名前はシロで……(私の方が残念な気がします)。


 再登場の仕方もまったく違う内容だったのですが、このようになりました。

 再会する場所は同じなのに、内容が変わると全く別ものになりますよね。


 ルリに増えた新しい家族はどの様に過ごすのでしょう?




 次回の更新は書き終わり次第となります。

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