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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第4章 勇者が来るみたいだよ?
49/78

43 なんか、これからどうしよう…

 たまには1日に2話投稿もいいかな~って事です。



「お待たせ致しました。さて、では勇者についてお教えいたしましょう」

 城に戻って一段落した頃、部屋にメイドさんが入ってきた。

 そういえば、城の食事とかはどうしたんだろう?メイドさんは俺に付きっきりだったし…ま、誰か他の人がやったんだろ。

「ホントですよ。あの場で話さずにわざわざ帰ってから話すだなんて…緊急だったんじゃないんですか?」

「焦ってますね。ではジュン様の困った顔を見て楽しみたいので、もう少し後で話します」

 そう言って部屋から出ようとドアへと向か…

「って、待ってください!割とマジで命に関わるんで、お願いですから教えてください」

 するとメイドさんはヤレヤレといった感じで、

「我が儘なジュン様ですね。わたくしも忙しいのですが、お教えいたしましょう」

 と言った。

 納得出来ないのは俺だけではないはず…ってかメイドさん、絶対俺で遊んでただろ。


「まずは何故勇者が現れるかですが、そもそも勇者とは…」

「あ、それは聞いたことあります。確か魔王、つまり今の俺が現れた事によって、バーラン共和国が特別魔法で召喚するんですよね?」

「・・・その通りです。何らかの手段によって魔王の出現を察知しているようです」

 やべっメイドさんが科白を奪われてちょっと不機嫌だ。

「へ~、そうだったんですか~、知りませんでした」

「白々しいですよ?まあ、いいです。それで、今代の勇者ですが、性別は……会えば分かるでしょう」

 え~、めっちゃ気になる~。

「バーラン城での修行を終え、現在は仲間を集めて旅を始めたばかりです。

因みにメンバーは勇者を含めて4人、いずれも手練れであることは間違いないでしょう」

「4人もいるのか~、となればコッチも4人がいいかな」

「そのくらいがよろしいかと思います。ですが残りの3人にあてはあるのですか?」

「えっ?メイドさんは力を貸してくれないんですか?」

「わたくしはハリンテ国の、それも城に仕えているような者が魔王の手の者というわけにはいきません」

「という事はメイドさんはもちろん、女王様の力も借りることが出来ないと」

「基本的にはそうなります。しかし間接的に関わる事は可能ですので、何かお困りになったのなら女王様やわたくしを頼るといいでしょう」

「因みにハリンテ国、つまり女王様やメイドさんは勇者側になるんですか?」

「表面上はそうなります。勇者が訪れれば歓迎し、怪しまれない程度に魔王についての情報も流します。ですがこれについてもあくまで間接的なものに留め、直接敵になる事はないのでご安心ください」

「俺が仲間を3人選ぶ上で何か条件はありますか?」

「恐らく勇者の仲間にはプロミネントギルダーの守砦壁と時操師を入れてくると思います。ですのでセレン様のような一般人は入れない方が得策でしょう。ハリンテ国のプロミネントギルダーも、わたくしたちが直接手助けが出来ないのと同じように仲間に入れることはご遠慮ください」

「『手助け』じゃなきゃいいですか?」

「何を考えているのか分かりかねますが、少なくとも城の主である女王様と城に仕えているシリチナ様は仲間には出来ませんよ?」

「ヴェルなら問題ないですよね?」

「ノルティ様ですか?ですから先ほど言いましたようにハリンテ国のプロミネントギルダーは…」

「手助け出来ないんですよね?じゃあ、操られてるって設定ではどうです?」

「・・・なるほど、わたくしたちは勇者が訪れた時にノルティ様が操られている旨も伝えればよいという事ですか」

「そういうことです。頼めますか?」

「その程度の事ならいいでしょう。ですが問題はノルティ様がそれに応じるかですが」

「まあ、その点は俺が何とかします」

「ですがこれでもまだ2人しか揃ってませんよ?」

「そこで質問なんですが、外国から仲間を集めることは可能ですか?」

「レーテルンですか。それは各国に任せるのでわたくしからは何も言えません」

「そうですか…ありがとうございます」

 そう言って俺は部屋を出た。



「ヴェル?いるんだろ?」

 部屋を出た俺が向かったのはヴェルのいる例の庭だ。

「久しぶりだね~、おにいさん」

 いつものように俺の背後から現れるヴェル。

「一緒にレーテルンに行った以来だな」

「そうだね、で?今日はあたしに頼み事があって来たんでしょ?」

「ああ、そうなんだ」

「さしずめ勇者関連ってとこかな?」

 ホント鋭い娘だ。なんで分かるんだ?

「流石だな。それで単刀直入で言うと、俺の仲間になってほしい」

「女王の許可とかは取ったの?あの女王がそれを許すようには思えないけど」

「ああ、だから魔王である俺に操られてるって設定で仲間になってほしいんだ」

「おにいさん考えたね~、後はあたしの意思次第って事か~。・・・条件を呑んだら仲間になってあげる」

「俺に出来ることなら何でも」

 するとヴェルはだんだん赤くなっていき、

「じゃ、じゃあ明日、その、あたしと、・・・・・して?」

 俯いて何やら言っている。

「え?今なんて?」

 俺がそう言うと、ヴェルは何かを決意した感じで、目に涙を浮かべた真っ赤な顔を俺に向けて、

「だからっ、明日あたしとデートしてって言ったの!!」

 と言い放った。

 強いといってもやっぱり女の子なんだな~、こういう時つくづく思い知らされるよ。

「断る理由が見当たらないな。むしろ嬉しいくらいだぜ」

「ホ、ホント?」

 ここでウソとか言ったらどうなるんだろうな?まあ、やらないけど。

「ああ、約束だ。じゃあ明日は午前10時に中央広場オブジェクト前に集合でいいか?」

「うんうん!じゃ、また明日」

 そう言ってヴェルはサッサと消えてしまった。

 本当に仲間になってくれるかどうか聞くのは野暮ってもんだよな?


 もうこの庭に用はないので俺も部屋に戻ろうと歩き出す。

((潤君、潤君))

 何か声が聞こえた気がするけど気のせいだろう。

((気のせいじゃないってば!))

 そういえばどこかで聞いた声だな~。

((私だよ、転生の女神だよ~!))

((ん?ああ、ああ、KY女神、お前だったか))

((やっと会話が成立したよ…ってか名前がまたKY女神に戻ってるし))

((いやぁ、久しぶりだな。てっきり本当に降板されたかと…))

((そんな訳ないでしょ!意地でも残ってやるんだから))

((けどお前、実際何話ぶりだ?))

((言わないで、悲しくなるから))

((で?今回は何しにきたんだ?))

((勇者について、ちょっとね))

((ホットな話題だな。何が分かったんだ?))

((私が独自に調べたんだけど、どうやら勇者は異世界人らしいよ?))

((まあ、想像はついてたけどな))

((でね、その異世界人は地球、つまりあなたと同じ世界出身らしいよ))

((ふ~ん))

((あれ?あんまり驚かないね))

((今更元の世界に帰ろうとは思わないし、知ったところでどうという事もないというか))

((元の世界に全然未練がないんだね))

((出来ることなら元の世界の記憶を消し去りたいくらいだしな))

((ああ、あなたの過去の事ね))

((・・・・・))

((・・・・・))

((・・・どうすんだよこの空気))

((どうしよう…))



次回予告


潤「思うんだが、やっぱり次回予告っていらなくないか?本文読んだ人の9割以上は次回がどんな話か分かっちゃうだろ?一応言っとくと、次回はヴェルとのデートです。・・・・・ほら、みんな『やっぱりな』みたいな顔してるじゃん」

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