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気まぐれセカンドライフ  作者: 誰かの何か
第4章 勇者が来るみたいだよ?
50/78

44 なんか、またデート?

 明日から頑張ろう


 微妙な空気で終わった前回だが、1日経った今ではもう気にしてないぜ。

 はてさて、今俺は約束通り中央広場オブジェクト前に居るわけですが…まだヴェルの姿は見当たらない。まあ、まだ10分前だからいいんだけどさ。

 そういえば、サナトスに協力を求めに行かなきゃいけな…

「お待たせ~、おにいさん」

「え?あ、ああ、ヴェルか。昨日ぶりだな」

 ドサッて感じで背中に衝撃を感じ、というか抱きつかれ、一瞬混乱する。

 気配無く背後をとられたからめちゃくちゃビックリした。

「んじゃ行こ?ほらほら早く~」

 と無駄にハイテンションなヴェル。というより背中から退いてくれないか?周りの目が突き刺さるんだが…

「分かった分かった。じゃ、行くか」

 そう言うとヴェルは空気を読んだのか、俺の背中から離れ、横に並んだ。

 って事で~、潤の~ファッションチェ~ック!

 

 はい、始まりました。毎週恒例の潤のファッションチェックのお時間です。メインパーソナリティはこの俺、羽山潤がお送り致します。

 さて、早速ファッションチェックの方に入りたいと思います。

 今回のターゲットはプロミネントギルダーの1人、一匹狼のヴェルさんで~す。

 ふむふむ、今日の服装は制服ですね。ヴェルさんは学校に行ってるとは聞かないので、なんちゃって制服というやつでしょうか?ブレザーにチェック柄のスカートはヴェルさんの中学生を思わせる体格にマッチしていて非常にグッドですね。

 辛口という事で有名な俺から言わせてもらえば、この服装は~…

 ・・・100点です!ちょっと厳しい採点でしたかね?でもこの点数はヴェルさんのファッションセンスを留めないためのものだと思って、これからも頑張ってくださいね?

 おっと、終了のお時間が来てしまったようです。残念ですが今週はここまで。また来週も聞いてくださいね~、では、さよなら~。


 うん。ラジオ番組も出来そうだな、俺。ファッションの事なんかこれっぽっちも知らないけど…

「どうしたの?おにいさん。ぼ~っとして」

 どうやら俺が脳内ラジオ放送をしている間、こっちでも時間はリアルタイムで流れていたらしい。

「ああ、ヴェルの服装を見ててな、それって制服か?」

「よく知ってるね~、おにいさんの言うとおり、これはハリンテの王立学校の制服だよ?」

 なんちゃって制服じゃなくて本物の制服だったのか。

「あれ?ヴェルって学校通ってたのか?」

「ううん、通ってないけど貰った」

「貰った!?っと、着いたぞ?」

 俺としては制服というのは果たして貰える物なのか非常に気になるところだが、目的地に着いてしまった。

「ここは…服屋?」

「おう、ちょっと遅くなっちまったがクリスマスプレゼント(詳しくは『番外編 クリスマス♪』を見てくれ)も買ってやりたいしな」

「覚えててくれたんだ、ありがと~!」

 ちょっとだけ忘れかけてたのは俺とみんなの秘密だぞ?


 俺たちはつい最近入った覚えのある服屋に入り、服を漁りだした。

「おにいさんおにいさん、これなんかどうかな?冬でも暖かそうだよ」

 そう言ってヴェルが俺に見せてきたのは毛皮(狼皮)のコート。

 おい、忘れそうな設定だがお前は人狼族だろう。いいのか?そのチョイスは。

「あ、おにいさん今あたしが人狼族なのにいいのかって思ったでしょ?」

「まあ、正直」

「大丈夫だよ。人狼族っていうのは狼のような特徴を持つ『人』だから」

 人というところを強調して言うヴェル。

「何か、すまん」

「いいよ、分かってくれれば。で、どう?似合う?」

「ああ、主張しすぎないくらいの毛皮で、ヴェルによく似合ってると思うぞ」

 さっきも言ったが俺にファッションは分からないけどな。

「ホント?じゃあこれは買いだね」

 と、そんな事を言いながら服を探すべく店の奥へと消えた。

 値札を見なかったけど大丈夫なのか?毛皮のコートなんて高そうだけどな。

「んじゃ、俺もヴェルへのプレゼントを選びますかね」


「お待たせ~」

 紙袋を3袋ほど抱えたヴェルが歩いてくる。

「随分と買ったんだな」

 1袋に3着くらい入りそうだから、7~9着ってところか。

「こういう所って初めてきたからね~ついいっぱい買っちゃった」

「初めてって、今まで服はどうしてたんだ?」

「元々持ってた2着を着回してたの。最近まではファッションとか他人の目とか気にしたこと無かったからね~」

 理由はよく分からんが、ファッションに興味が持てたなら良かったな。ヴェルも女の子なんだし。

「じゃ、オシャレに目覚めたお嬢さんにおにいさんからプレゼントだ。大事にしろよ~?」

 そう言って俺はヴェルの首にマフラーを巻く。紺地に赤のチェックが入ったよくありそうなマフラーだ。

「わ~、あったかい。ありがとうおにいさん」

「いいっていいって、じゃ、次行こうぜ?」



「ここって、ゲームセンター?」

「おう、少しうるさいが大丈夫か?」

「うん、人狼族の耳だからって人より聴力がいいわけじゃないからね」

 って事はその耳は飾りみたいな物なのか?

「そうなんだ。んじゃ行こうぜ」

 そうして俺たちはゲームセンターの中へと入っていった。

 さて、結果報告をしよう。

 ゲームセンターも初めてというヴェルの言葉を聞いて、ゲームセンターにあまり行ったことの無い俺でもいけるんじゃないかと俺は勝負をふっかけたわけだが…

 クレーンゲーム

「最初はこれで勝負しようぜ。コイン5枚以内に何個の景品が取れるかで、多く取れた方の勝ち」

「いいよ?でも操作の仕方が分からないからまずはおにいさんからやってよ」

「よ~し、俺のテクニックを見てビビるんじゃないぞ」

 ってな感じで俺の戦績は2つの景品、つまり5回中2回は成功だ。なかなかうまくいったぞ、うん。

「じゃあ次はあたしの番だね」

 続いてヴェルの戦績は5つの景品、つまり全部成功。お前初心者だって言ってたじゃねぇか…うぅ。


格闘ゲーム

「まだまだ、次はこれで勝負だ。これは対戦が出来るゲームだ。ルールは単純に相手の体力を無くした方の勝ちだ」

「1回だけ練習させて?これも初めてやるから」

「いいぞ、たった1回の練習で俺に勝てるかな?」

 そんな事を言ってる時期が僕にもありました。

 結果?開始早々フルコンボを決められてヴェルの体力を全く削れなかった俺の心情も考えて言ってくれよ。

「ま、まだまだの次こそは」


リズムゲーム

 4回しか間違わなかった俺とパーフェクトを叩き出したヴェル。


馬車レース(元の世界でのカーレース)

 インコースを意識して最短距離を走っていた俺を余裕のドリブルで抜かしていくヴェル。


 これが何を意味するか分かるだろ?

 と て も じ ゃ な い が 勝 て な い 。

 どういう事だよ!俺だってかなり良い成績だったはずだぞ?なのにパーフェクトって……パーフェクトって。


「完敗だよ、はい、賞品」

 と、俺はヴェルに飲み物を渡す。

「ありがと~、ちょうど喉渇いてたんだ~」



 一緒に飲み物を飲んだ後は他にも本屋、装飾品店、武器屋(何故?)に行き、夕食を食べて集合場所だった中央広場オブジェクト前で解散した。


 明日はサナトスに助けを求めに行くかな。



 


次回予告


潤「次回はサナトスのところに行ってくるぜ。いや~、緊張するな~。怖いからな(顔が)あの人」

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