63
「咲希が言ってたよ。相談乗ってもらったって。……頼れる奴だってさ」
「え……あぁ。いや、別にそんな大したことは何もしてないですけど」
「叶も言ってたよ。音無君が私の良いところ探してくれた。優しい人だねって」
「……いや、あれも別にそんな大したことは何もしてないんですけど」
「どういうつもりでやってるの? おかしくない?」
「この流れで責められるとは思わなかった」
「咲希とか、叶とか、居崎君とか。仲良くなるのはいいけど、そもそも何のために生徒会に入ったか忘れてない? 私のためだよね?」
「そうなんだけど改めて聞くと凄いこと言ってますよね」
違和感とかない?ないですか。そうですか。
「茶化さないで。ふざけてんの?」
「…………ごめんなさい」
怖すぎるって。人殺しの目じゃん。何がそこまで怒らせたんだよ。謝るから許してよ。
「私のために生徒会に入ったんだよね?」
「…………はい」
「なのに、他の三人とばっかり喋ってるのおかしいよね? 私が一番に優先されるべきだよね?」
「別に……なんか困ってるなら聞くけど……」
「そういうこと言ってるんじゃないんだけど。分かんない?」
「ごめんなさい」
怖い。ずっと怖い。たまに声の温度がグッと下がるのが拍車をかけて怖い。
なに?なんかメンタルやられるようなことがあったとかじゃないの?単純に俺への不満が溜まってただけ?
「一生私に尽くすって言ったくせに……」
「いや、それは…………ん? ……待って。言ってない言ってない。知らない思い出過ぎる」
「でも、言ったかもしれないって今思ったよね? そう思ったってことは言ったってことだよ」
「なに、俺洗脳されてるの?」
「そういうのいいから」
よくないよ。一大事だよ。




