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「と、いうわけで球技大会の時期が近づいてきました。新生徒会の初仕事です」
わざわざ家まで着いてきて、なぜ付き合っているのかという質問に嫌そうな顔をしたのかとガン詰めされた翌日のこと。
どうやら昨日天羽さんが先生に呼び出されていたのはこれが関係しているらしい。
「そーいや、去年もこんくらいの時期だったっけ?」
「うん、そうだね。種目も去年と大きな変更はないから例年通りに進めればトラブルにはならないと思う」
言いながら天羽さんは備え付けのホワイトボードに種目を箇条書きにしていく。
バスケ、野球、ドッジボール。並べられると確かに去年もこんな感じだった気がする。メインは女子のバスケと男子の野球でドッジボールは余り物を詰め込む感じ。
去年の俺は部活等で経験のある人間以外はとりあえずドッジボールに突っ込むみたいな感じの流れで有無を言わさずドッジボールに参加させられていたはずだ。たぶん今年もそれは同様だろう。
「じゃあ、早速だけど役割分担を決めていこうか」
言いながら天羽さんはホワイトボードに箇条書きで役割を書き記す。
司会進行、支援統括、宣伝広報、記録雑務。
文化祭の時と比べると少々控えめな数の役割に生徒会の人数とあってないなと考える。
そう思ったのは俺だけではなかったようで疑問を孕んだ心の声が聞こえるとほとんど同時に左斜め前の席から声が聞こえた。
「天音、これ人数あってないように見えるんだけど二人で担当するところとかあるの?」
「ううん。この役割は私以外の皆でそれぞれ一つ担当してほしいと思ってる。私は全部の役割の管理とフォローをするつもり」
手を挙げて小首を傾げて尋ねる伊藤さん。
そんな彼女の質問に天羽さんは言ってる内容とは裏腹に穏やかな口調でそう返した。
またとんでもない無茶を……。
「……それ、大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。ちゃんと皆を頼るから」
何が、とは言わない伊藤さんの気遣いを伴った質問に天羽さんは優しい声で微笑を浮かべながら答える。
絶対嘘じゃん。嘘というか、なんだかんだ自分で全部やろうとする未来が見える見える。
こちらのそんな内心が出ていたのだろう。微かに合った視線に珍しく天羽さんはバツが悪そうに目を逸らした。




