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承認欲求。
誰かに認めてほしいというそれは多かれ少なかれ誰でも持っている当たり前の感情だ。
それにしたって、居崎君のそれは周囲の人間のそれと比較してあまりにも大きすぎた。
というか、脳内の思考のほぼ全てがそれだった。
漏れ聞こえてくる思考の全てが承認に飢えたものだった奴なんて初めて見た。
「なぁ、音無。俺さ、生徒会に入ったら色んな奴に尊敬してもらえると思ってたんだけど……なんか地味じゃね?(書類仕事ばっかだし、誰にも見られないから凄いと思ってもらえねーし)」
「……まぁ、まだ始まったばっかりだし。そのうち分かりやすく前に立つようなイベントもあるんじゃないですか?」
「そのうちっていつだよ~。俺、書類仕事とか苦手なんだよー(ちやほやされてーなー)」
「手伝いますよ。俺、こういう地味な作業の方が好きなので」
言いながら居崎君の傍らに積まれた書類を上から半分ほど譲り受ける。
机に突っ伏していた居崎君はそれを見ると「ありがとなー」なんて言いながら体を起こして嫌そうにまた書類に目を通し始めた。
新生徒会が始動し始めてから一週間が経った。
前生徒会からの引継ぎ資料を受けて、現在の生徒会は今期の活動計画中といったような状態だ。
そんな状態だから当然派手な活動なんてあるはずもない。
もうしばらく居崎君には我慢をしてもらうことになるだろう。
文句を言いながらも手は動かしてくれているので助かる。
まぁ、天羽さんが入れてもいいと判断をした人材なのだからその点については最初からあまり心配はしていなかったけど。
「にしても、今日は三人とも遅いな」
「伊藤さんと井口さんは部活にどうしても顔出さないといけないらしいです。天羽さんは生徒会のことで先生に呼ばれてました。たぶん、そのうち来ますよ」
「おー、マジか。…………あ。じゃあさ、ちょうど良いタイミングだし聞きたいんだけど、音無って天音ちゃんと付き合ってんの?」




