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「お疲れさま、天羽さん。それに伊藤さんと井口さんも。その様子だと提出書類は問題なかったみたいだね」
「はい! ばっちりでしたよ先輩!」
「嘘つけ。誤字脱字抜け漏れありまくりで叶が担当した部分ほとんどやり直しだったでしょ。しかもあんた結局天音にやってもらって……」
「あはは、まぁまぁ咲希ちゃん。私は全然気にしてないから」
「天音は叶を甘やかしすぎ。こんなんでほんとに書記なんてできるの?」
「咲希、私を甘く見すぎだよ! ところで書記って何すればいいのかな?」
「あんたほんと……」
本気で分かっていないようで首を傾げる井口さん。呆れたように頭を抱える伊藤さん。
そんな彼女らを微笑みながら見守る天羽さん。
普段教室で見るような光景が生徒会室で広がっていた。
二人は今回、天羽さんの応援演説を担当するはずだった。
候補者が全員辞退したので生徒会選挙は非常に珍しいことに信任投票となり、このケースでは候補者本人による演説はあるものの応援演説は省略されるため結果的に二人の出番はなかった。
とはいえ、応援演説はなくなったもののそれを二人が担当していたことには違いない。
新生徒会長たる天羽さんがそれを望み、応援演説を担当するはずだった二人もそれを望んだため二人の生徒会役員への就任が決定した。
伊藤さんが会計、井口さんが書記、ちなみに俺は副会長。
庶務って書いて出したはずなのになんか副会長になっていた。
もう正直このくらいじゃ驚かないよね。提出する前に書き換えられたんだなぁって普通に受け入れられてしまった。
全然文書偽造だし犯罪だけど咎めたところで俺に勝ち筋なんてない。
「ねぇ、音無。今からでも書記やらない?」
「副会長と交換なら全然いいですね」
「間違えた。書記もやらない?」
「え、俺掛け持ちさせられそうになってます?」
こいつはダメだとばかりに溜め息を一つ吐くと、名案を思い付いたとばかりに無茶苦茶なことを言ってのける伊藤さん。
「大丈夫だよ、音無君! 天音が私でもできると思って書記にしたんだから音無君でもできる!」
「それ言ってて悲しくないですか?」
絶対書記の仕事ってそんな簡単じゃないし。
というかたぶんそれ天羽さん最終的には全部自分でやるつもりだし。




