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夏休みが終わってからそれほど間も置かずに文化祭の準備期間が始まる。
そして、慌ただしく文化祭が終われば今度はこれまたろくに間を置かずに生徒会選挙が始まる。
文化祭と違って、これに関心を寄せる生徒は非常に少ない。
例に漏れず俺も生徒会選挙には微塵の興味もない。誰が生徒会長になろうが、自分の学校生活にそれほど影響があるとは思えなかったからだ。実際、誰がなったとしてもほとんどの人間には何の影響もないだろう。
だから、去年の生徒会選挙は気がついたら始まっていて、候補者がどんな人間なのかもよく分からないまま適当に投票をした気がする。あの時、誰に自分が投票したのかすら今となっては覚えていない。
だが、今年はどうもそんな風に無関心でいるわけにはいかないらしい。
今年は天羽さんが生徒会長になるから。そして、彼女になんでもいいから役員として参加することを求められたから。
色んな意味で、それを断るという選択肢はこちらに用意されていなかった。
とても嫌だ。
本当にやりたくない。
やりたくないけど、どう考えたって俺が何を言ったところで天羽さんが考えを変えるわけがない。
天羽さんがやると言ったらそれはもう確定事項なのだ。
俺のような平民は大人しく従うほかにない。
「天羽さん、申請書ってこれでいいんですか?」
「……うん、ばっちりだよ! 私から出しておくね!」
生徒会長への立候補の仕方以上に知られていないであろうことだけど、実は生徒会役員にも立候補ができる。
天羽さんに言われて初めて知ったそのプリントに言われるがままに名前やら何やらを記入する放課後の図書室。
どうやら生徒会役員の方は推薦人とかは必要ないらしく、五分かそこらであっさりと記入が必要な項目は埋まってしまった。
希望する役職はなんとなく一番楽そうに見えた庶務を選んだけれど、本当にあれでよかったのだろうか。
というかそれぞれの役職が何するのか全く知らないまま書いたけど本当によかったのだろうか。
どうせなら一番楽な奴を天羽さんに聞けばよかった。
プリントをひったくって職員室へと天羽さんは向かってしまったので今更な話ではある。
ただ、今更ながらそんなことを思った。
……なんか、焦らせて不利な契約を結ばせる詐欺にあったような気分なのだけど本当に大丈夫だろうか。




