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──かくして、文化祭は終わった。
天羽さんたちのバンドが盛り上がりすぎて一部の生徒が半ば暴動のようなことを起こしたり、文化祭の効果で天羽さんのチェキの値段が30倍程度まで吊り上がって小金持ちになりかけたりしたがひとまず文化祭は無事にその日程を完了させた。
周囲から聞こえる声からも、その出来が非常によかったことには疑う余地がない。
生徒会長の閉幕の挨拶が終わり、各所の片づけが終わり、長かったはずの文実の活動は気づいた頃には終わってしまっていた。
早く終われと何度思ったことか分からないけれど、いざ終わってしまうとそれはそれでどこか寂しいような気持ちになっているのだから不思議なものだ。
存外、俺も文化祭を準備含めて楽しんでいたということなのかもしれない。
まぁ、なんにせよ、終わってしまったものは終わってしまったのだ。
うっすらと胸に残る空虚感をおそらくは誰もかれもが持ちながら明日からまた日常が始まるのだろう。
なんとなく帰るのが惜しくて、ぼんやりと図書室の窓から外を歩く生徒を眺めながら柄にもなくそんなことを考えていた。
「音無君、ここにいたんだ(やっぱりここにいた。行くならひと声かけなさいよ)」
ひとつ間違えた。
どうやら日常は明日どころかもう帰ってきちゃったらしい。
「……いつも以上に人に囲まれてたし、声かけない方がいいかなって」
「(すっごい囲まれて大変だったんだけど。……助けてくれるんじゃなかったの?)」
「…………もしかして、これって一生続く感じ?」
「(何でもって言ったよね? ……ところで、一つお願いがあるんだけど……聞いてくれるよね?)」
「……」
もうひとつ間違えた。
迂闊なことは言うべきじゃない。




