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隣の天使様が今日も心の中で信じられないくらい毒吐いてて怖い  作者: 日暮キルハ


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 うちの学校の文化祭は例年有志団体によるステージ上でのパフォーマンスが夕方から実施される。

 学年問わず多くの生徒が集まり盛り上がる文化祭のメインイベントともいえるそれにパフォーマーとして参加するためには事前に団体の代表者がメンバーと実施内容について申込書に記載して提出、その後申込書が有志統制の責任者と文実委員長、それから学校に承認される必要がある。

 

 そんなわけで有志統制の責任者と学校側の承認を経て天羽さんの手に渡ったのが件の書類。

 その内容は当日のスリーピースバンドとしての参加を望むものであり、メンバーは伊藤さんと井口さん、それから天羽さんだった。

 申請の内容自体に問題はない。文化祭にステージ上でバンドなんてどこでもやっていることだ。友人との思い出作りには持ってこいなのだろう。

 問題なのは、天羽さんが自分も参加することになっていると知ったのが今日彼女の下まで申請書が回って来てからだったこと。


 つい数日前、三回目の定例会議のあった日。

 準備があると言って先に会議室に向かっていた天羽さんを追いかけて会議室に向かう前、申込書を前に相談をしている二人を見た。

 二人は申込書を前にあーでもないこーでもないと話しながら最終的に「まぁ天音なら何とかしてくれるでしょ!」と力強く言い切って申込書を書き切っていた。


 その時は相変わらず信頼されてるなぁ程度に思っていたのだけどこうなってくるともう少し事態を重く受け止めるべきだったかもしれない。

 まぁ今更言っても仕方のないことだけど。


「(あの二人はいっつもそう! 勝手に私の予定決めて勝手に自分達のやりたいことに巻き込むの!! そりゃあ楽しいことだってあるけど親しき仲にも礼儀ありでしょ!?)」


 かれこれ一時間と少しが経過しただろうか。

 全く天羽さんの無言の熱弁が収まる気配はないが徐々に日は落ちてきており、薄暗さが完全下校の時間が迫っていることを教える。

 天羽さんもそれに気がついたのだろう。時計に一瞬視線を向けると珍しく小さく不満げな表情を覗かせて口を開いた。


「……帰ろっか」


「ですね」


 どうやらまだまだ不満は尽きないらしい。

 けれど残念ながら今日のところは時間切れだ。

 そもそも、どれだけ不満を吐いたところで根本的には意味のない話だ。


「明日二人にセトリ聞いておかないと……」


 天羽天音が天羽天音である限り、有志の参加を断るという選択肢は最初からないのだから。

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