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「というか、二人とも文実はいいの? クラス展示は私と叶で何とかするから気遣わなくていいよ」
Bさんこと、伊藤咲希さんのその一言で俺と天羽さんは会議室へと向かうことになった。
ちなみにAさんは井口叶さんだった。
天羽さんに教えて貰った。もう忘れない。
「(そもそも、二学期にもなってなんで覚えてないの?)」
関わりがなかったから、と言いたいところだけど伊藤さんと井口さんが俺を覚えていた以上それは言い訳にならない。
いや、ほんと視線が痛い。
もう忘れないから許して……。
「でも、ほんとに大丈夫かな。クラス展示のこと任せちゃって……」
会議室への廊下。
居たたまれない気持ちで視線に晒されていると不意に突き刺さるような視線が途切れた。
不思議に思って隣に目を向けると天羽さんが正面よりやや視線を下に下げて心配そうに呟いた。
「たぶん大丈夫です。色々考えて動いてるみたいでしたし。それに、天羽さんに負担が寄ってるのかなり気にしてました。助けになりたいんですよ」
「……うん。そうだよね(それは分かってるし気持ちはありがたいんだけど、それなら普段から無茶言わないで欲しいかな)」
それに関してはノーコメントで。
複雑な感情が入り雑じったことが窺い知れる表情を浮かべる天羽さんに返すべき言葉は見つからない。
そんな俺を置き去りに天羽さんはもう一言心のなかでこぼす。
「(……あと、あの二人に任せると私の衣装が何されるか分からなくて心配)」
あー、それは……うん。
とりあえずスカート丈が心許ないことは覚悟しておいた方がいいかも。




