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隣の天使様が今日も心の中で信じられないくらい毒吐いてて怖い  作者: 日暮キルハ


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 文実の定例打合せは週に一回。

 それ以外の日にも会議室は解放されているのでそれぞれの役割で自由に集まってタスクをこなす。

 週一回の定例打ち合わせではそれぞれの役割に求められる対応の進捗状況を報告し認識を擦り合わせ、問題点があるならなるべくその場で解決策を講じる。

 これが例年の進め方であり、これまでその進め方で文化祭は無事に開催されてきた。


 それは今年も変わらず、随時雑務はあると言えど文実での役割でリソースを丸々持っていかれるわけではない。

 そもそも、天羽天音という人間にそんなことは許されない。

 万人は彼女に完璧を求め、彼女もその期待に応える。


 つまりどういうことかというと、


「天音さん、コスプレ衣装ってルールとかある?」


「天羽さん、コスプレ喫茶で出すメニューってどの程度の調理までいいんだっけ?」


「天音ちゃん、クラス展示の予算っていくらもらえるの?」


 クラス展示においても彼女に羽を休める時間はないということだ。天羽だけに。


「ちょ、ちょっと待ってね。すぐ確認するから(殺すぞ……)」


 およそひと月先まで迫った文化祭。

 コスプレ喫茶という方針は決まったものの、具体的な中身も各々の役割もまだ詰められていない。

 せめてクラス展示のリーダー的ポジションが決まっていればその人を起点に話が進むのだろうけど、そこすら決まっていないので必然的にクラスメイト達の疑問や不安は普段から頼れる相手に寄っていく。


 ところで今の殺意って忙しいのに質問してくるクラスメイト達に向けられたものだよね?俺に対してのものじゃないよね?


 あ、めっちゃこっち見てるわ。完全に俺への殺害予告だったわ。


「……あー、去年のガイドラインみたいなの貰ったからそれ参考に決めていったらいいと思う」


 予告が予告で済んでいるうちに働いておこうと昨日貰ったバカみたいな量の資料の一部を引っ張り出して天羽さんの机に置く。

 唐突に会話に割り込んだせいでこちらに向く天羽さんに話しかけていた女子達の視線。

 それらは心を読むまでもなく雄弁に語っていた。


 誰?と。


「音無君ありがと。これ見てもらったらたぶん分かるからみんな持って行って(……ねぇ、何したら同じクラスなのに存在認知されないなんてことになるの?もう二学期だよね?)」


 そんなもん俺が聞きたい。

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