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野巫の祭  作者: 凡栄
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73/81

野巫の祭 73

野巫の祭 73




エレベーターを呼んで一階に着くまでも考えていたが、さてどうしたものか。


仲見世の周りはもうやってないだろう。

できれば近いところで済ませたいが。


そうだ。

菊水通りの一本裏で国際通りに近いところ。

そこにもつ焼屋があったな。


もつ焼にビール

暑い日にはたまらないな。

よし!そこにしよう。


エレベーターが一階に到着。


一応、あたりを見回して警戒をしてから歩き出す。


ここからなら5分もかからない。


まっすぐ国際通りに出て左へ曲がり、すぐの路地をまた左に曲がる。


店の入口は開けっ放しになっていたので近くまで来ると脂の焼けるいい匂いが漂ってくる。


カウンターだけの小さい店だが、ここは落ち着けるのだ。


生ビールとカシラ・アブラ・シロを全部塩で一本ずつ。


突出しとおしぼりと生ビールが同時に出てきた。

おしぼりで手を拭いてビールを一口。


「あ"〜⋯」


小さく唸る。


さて、そんなに量は食べれないけど他に何かないかな⋯

壁の短冊紙を見ていると、あった。


「すみません。お浸しください。」


「はい〜。」


お浸しはすぐに出てきた。

今日はほうれん草か。

醤油を回しかけて上に乗った鰹節と混ぜて一口。

優しい味だね。ほうれん草は甘いからな。


生ビールが無くならないように気をつけながら飲んでいると串物3本が一緒に出てきた。


カシラを一口。

ん"〜噛むごとに旨味が出るね〜

ビールをキュ〜


噛むと甘い脂がジュワッ!

ビールをキュ〜


最高だな!


ここでビールが終わったのでレモンハイを頼む。


レモンハイが来るのを待ってシロを一口。

ん"〜程よい噛みごたえと旨味が。

レモンハイをキュ〜


合うなぁ!


その後、お浸しを途中に挟みながらもガツガツと一気に食べ飲み終わった。


はぁ〜満足だ。


ここは席数が限られているのでさっさと退散だな。

お勘定をして外に出る。

まだ体の周りにはいい匂いが絡みついている感じ。


すぐ目の前が国際通りなので日曜だが明るくて人の気配も多い。

その明るさの中を一瞬通ってまた菊水通りへ。


角にこの前の交番があるので中を見たが、世話になった警察官がいないのでそのまま通過する。


ここからは2〜3分だ。

空を見上げると月がポッカリと浮かんでいる。


その光を見ていたら古い景色を思い出した。

何だろう。

里山のような景色の中に小さな社があり、大きな幟旗が両脇に立っている。


どこで見た景色だろう。


もう少しで何かを思い出しそうだったが、そこで携帯電話が鳴ってわからなくなってしまった。


誰だろう。


腰のケースから携帯電話を取り出して開いてみると息子からだった。






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