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野巫の祭  作者: 凡栄
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野巫の祭 72

野巫の祭 72




今まで、そういう意識があまりに無さすぎたのか出てくるページを貪るように漁っていたな。


インターネットというものを、これほど活用しないできたのかと、つくづく思う。


調べたいものを探すのは目的が決まっていたので、こんな使い方や見方をしてこなかった。

目的のそれ以外は興味が無いというか関心が湧かなかったというか、仕事のこと以外でパソコンの前に長く座ることも今までは無かったな。


これはこれで面白いが、疲れた。


それもそのはずで、昨日からずっと見ていたものな。


目新しいというのか、開くページはどこも明るく楽しい雰囲気のものがたくさんあり、自分でも出来るかなと考えるのも実際楽しかった。


でもピンッとくるものも少なかった。

情報の量はまさに溢れていたがね。


やはり、自分はラジオとなんちゃってビールの組み合わせが一番なのかもしれないのかな。


いや、昨日から今日は買い置きの冷麦や焼酎でごまかしたから今夜は外に出ることにしよう。


気がつけば陽が沈んで腹も減った。


昨日の昼前に管理人さんに会った時から外に出ていないしな。


と、なると着替えないと⋯か。


少し面倒だが、外に出るのに寝巻きのままとはいかないし。


帰ってからだと面倒だからシャワーも浴びていくとしよう。


下着だけになり風呂場へ。


脱いだ下着を洗濯機に入れて、バスタオルの匂いを確認すると⋯

ギリギリアウト

仕方ないので新しいのを出して、前のものを洗濯機に入れて風呂場に入った。


熱めのシャワーで身体を流していく。


胸の赤い黒子のようなものが気になってまたも擦る。

そういえば昨日から無反応だな。


そんなことを考えながら鏡を見るとさすがに髭が目立っている。


剃るかな。

面倒だな⋯


こういうことを思うようになると色気も無くなるのかな。


そもそも、そんなもの無いがね。


一人風呂場でクスクス笑いながら髭を当たり、泡を流して新しいタオルで身体を拭いていく。


さて、今夜は日曜日だから開いているお店も少ないかな。

いや、自分が落ち着けるお店が日曜は少ないというべきか。


着るものは⋯


まぁ何でもいいが、たまにはTシャツでも着るか。

とは言っても直接一枚だけというのは好きではないから肌着を着てと。


ふと妻の写真が目に入り


「楽しそうに見えるか?」


と小声で訊ねる。


写真の妻は笑ったままだ。


「そうでもないんだがね⋯だけど行ってくるよ。」


また小声で言う。


上下がチグハグかもしれないが、別に気にしない。


色気などとはよく言ったものだかな。


エアコンを止めて、サンダルを履いて部屋の中へ向かって


「行ってきます⋯」


そう言って電気を消して外へ出た。


鍵を閉めながら、今夜どこへ行くかをまだ決めていなかったことに気がついて、洗ったばかりの頭を掻きながらエレベーターへと歩き出した。






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