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野巫の祭  作者: 凡栄
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野巫の祭 47

野巫の祭 47




平成館の特別展は二階だ。

その二階部分まで吹き抜けになった巨大な空間の真ん中には幅の広い大きく長い階段がある。

ありがたいことに、ここにはエスカレーターが設置されているので、これでまた汗をかくことにはならないですむ。


エスカレーターの手前でまた列が止まり少し待たされたが、程なくしてエスカレーターに乗って、歩いて上ったら一苦労な高い二階部分へ一気に運んでもらえた。


さてと


いよいよ特別展


東京国立博物館 140周年

古事記 編纂 1300年

出雲大社大遷宮

「大出雲ー聖地の至宝ー」


これに何を感じたのだろうか。

利与の出身地であり、二人で行く旅行の次の目的地でもあった出雲。


とにかく中へ入らなければ何も見れないな。


入口を入ると中は薄暗く、展示物にはスポットライトが当たり、浮かび上がるように見えるものもあった。


出雲の位置や歴史を説明する大きなパネルがあるが、とくに興味がある訳でもないので展示物の方へと進んで行く。

ミニチュアではあるが、実際に見た者にとって、その見事な檜皮葺の本殿は重厚で物々しく感じる模型があった。


利与と二人でお詣りしたのを思い出し、その時は感じなかった不思議な位置に目がいく。

巨大な本殿は一般には公開されておらず、手前にある八足門というところまでしか行けない。

その手前に御仮殿というこれまた巨大な建物があり、私はそれが本殿かと思ったほどだった。

模型を俯瞰で見てみるとこの二つが同軸に乗ってなく微妙にずれている。

御仮殿の大きな屋根の手前に小さな(とは言っても十分大きく威圧感のある)屋根がせり出していて、そこにこれまた巨大なしめ縄がかけられているのだが、建物に対して中心線からずれている。

本殿に目をやると、同じような造りになっていて中心線からずれたところに小さな屋根が出ている。


「ふ〜ん⋯」


あまり見ない造りだな。

鳥居から御仮殿、八足門、本殿と、敷地は広大で段差や坂などないのにもかかわらず位置関係が直線的でないのが気になるところだ。


「二礼二拍手一礼」

「二礼四拍手一礼」

「二礼八拍手一礼」


など、行事や祭礼などで柏手の数が変わるらしいし、古いなりの色々があるのだろう。


さて、次は⋯。

色々な宝物が並べられているが、そもそも興味の無い世界でもあり、神話との関連や説明などは群がる人達を横目に飛ばしながら進んでいく。


足が止まったのは発掘で見つかったという三本の柱を金具で止めて一つの大きな柱としていたというもの。

「宇豆柱」うずばしら

と言うらしい。

それぞれ直径がうずくまった人よりも太く三本まとまるとかなりの太さになる。

こんなもので何をしようとしたのか。

そう思っていると横にこの柱を使って建てたであろう古代の出雲大社のミニチュア模型が展示されていた。


それが目に入った瞬間、血の気が引くような、気が遠くなるような感覚になる。


三本の木が一つにまとめられた巨大な柱を九本使って、まるで天にそびえるように高く高く持ち上げられた神殿に、長い長い階段が一直線に登っている。


「何だ?これは?」


異様な形に思わず声が出てしまった。


あまりにも不安定で実用的な姿形ではない。

もし本当であれば世界的にも珍しい木造での巨大建造物だったろうな。

横に説明が書いてあり、のちの時代で平安時代に書かれたものに


「雲太、和ニ、京三」

出雲が一番大きく、次が奈良の大仏殿、三番が平安京の大極殿ということらしい。


後の時代で平安時代か⋯

とも思ったが実際に見たことがあるのは奈良の大仏殿だが、あんな巨大なものがあちらこちらにあったのかと考えると古代の人々の建築技術には驚かされる。


いや、これは自分が建築関係の仕事をしていたせいかもしれないな。


単純に考えれば古墳など巨大なものを作ることはさほど珍しくはなかったのかもしれないし。


その場を離れつつ振り返って見ると、スポットライトのせいだろうが、光に向かってそびえ立つ神殿に続く長い階段は、天に向かって人が登っていくための一種の台の様にも見えた。











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