とあるおじさんと若者の会話
「松本さん、これ旨くないっすか?」
「ん?ああ、若い頃よく食ってたよ。旨いね」
「今は食わないんすか?」
「おじさんには味が濃いかなぁ…」
「あ、言うっすよね、それ
よくわかんないんすけど、味濃い方が旨くないっすか?」
「旨いよ?」
「え?ますます意味わかんねーっす
なんで我慢して薄味食うんすか?
やっぱ健康を考えてとか?」
「うーん、まぁ端的に言えばね」
「ぶっちゃけそれマジ無駄じゃねっすか?
自分の人生我慢してなんになるんすか?」
「あーキミは今は厄介なおじさんの地雷を踏んだよ」
「はい?」
「若い頃は良い……
味が濃くても油まみれでも翌日に響くことはないのだから
しかし!我々おじの身体はその便利なリジェネート能力が停止している!
ただ…それだけならキミのような刹那的な若者は理解できないだろう…
"未来の延命の為に今我慢するのはおかしい"とね
だが断言しよう!
これは今まさにこのときの満足感の話なのだ!!
健康診断の結果にBやCが並ぶ頃、おじさんはね、『もう無茶をするな』と神から言われている気持ちになるんだ
そして、実感として持っていた食後の違和感が、事実、命を蝕んでいたんだと確信する
それは今まさに目の前にある、フライドチキンやラーメン、数多の"不"健康食品に対する、それらを咀嚼しているときに快不快を超越した『恐怖』
これはね、未来がどうこうじゃないんだ
素直に楽しめないんだ
おじさんだって……食べたいんだ……」
「あっ……す………」




