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第十七話の後のスピンオフ 人とは

無断転載・複製・商業利用禁止。

本作品の著作権は作者個人のものとする。

本作品はフィクションであり、実在の人物・団体・事件とは関係御座いません。

突然だが、気になる葉女の正体について探っていこうと思う。

とは言いつつも、実際には現在、すでにある情報を整理し、それらを元に俺なりに考察するだけだ。

ちなみに、俺は自然界や植物全般、詳しくない。

⋯さて、頼りない自分一人でまずは情報整理だ。

六葉さんの頭や首、手首に巻きついた蔓植物と少し大きな葉。

緑の自然から生まれた葉女⋯雪女を参考にそう表現した、という本人の言葉。

頭から生えている綺麗な白と薄ピンク色の花。雄蕊や雌蕊が無いこと。蒲公英の綿毛のように解りやすい種らしきものも見えなかった。そして非常に良い香りがする。

そして、彼女から採れたハーブで作るハーブティーは美味しい。採ったハーブは、ほんの二、三日後の朝に生えている。

それら、彼女の植物的な身体部分に変化は見られず、色褪せることも無い。

耳の全体的な形はほぼ人間と同じだが、上部がほんの少し尖っており、そもそも人間の皮膚ではなく厚い緑色の葉でできている。人間でも個体差があり、耳の形も例に漏れず人それぞれであるため、実際に少し尖ったような耳の形の人もいるが、彼女の耳は肌色と緑色のグラデーションも特徴的だ。

また、火は苦手だったが直ぐに克服した。

しかし虫は完全に苦手。

関係のありそうな情報は、おおよそこの程度だ。

出会ったころは、金髪に黄緑色の瞳という容姿から、最初は変わったファッションの外国人詐欺師か、クオリティの高いコスプレイヤーに揶揄われているのかと思った。

次に、ファンタジーな説だが、雪女と似たような、いわゆる妖怪ではないかと考えた。しかし、非現実的すぎるので可能性としては薄い。

今は⋯単に良き同居人件、想い人という認識だ。

整理した情報から、今、彼女の正体について考えると⋯。

⋯⋯⋯解らない。

先ほどは非現実的な説を否定したが、そもそも、大したメリットも無いのに三十路の男に優しくしてくれる巨乳美女という時点でファンタジーすぎるので、やはり人間ではないのかもしれない。しかし、妖怪というのは六葉さんのイメージらしくない。

精霊⋯?

「⋯ピッタリだ⋯⋯」

コホン、情報整理、その二といこう。

疑問点の列挙だ。

出会った当初、人間に関する知識に偏りがあった。

仮に人でないとして、ではなぜ、人の言葉が話せるのか。

「⋯そもそも、どうして俺なんかに声を掛けてくれたんだっけ?」

疲れた様子が気の毒だったから?

植物を買いたいという独り言を言っていたから?

⋯つまり、単なる利害の一致。

おぉ、急に妥当な説が一つ浮かんだな。

⋯六葉さんは、人間に興味があるから、人間について知りたいんだったよな。

そもそも、なぜ人間に興味があるのだろうか⋯?何をキッカケに興味を持ったのだろうか?

デリケートな内容である気がするため、直接、本人に質問する勇気は無い。

「⋯何も解らないや」

それでも彼女が魅力的であることに変わりはない、と自分の中で一人、勝手に納得するのだった。

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