表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【錬金術師の再臨】〜錬金術が消えた世界で、わしの知識だけが規格外だった〜  作者: 新生浮世
間章 長旅前の準備編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/96

第85話 面倒な話ほど順序が大事じゃ

「あなた方の旅の目的なら」


 ゼノスは机に指を置き、わしらを見渡した。


「武器を携えての帝国への入国は、ほぼ必須でしょう」


「まぁ、そうじゃろうな」


 丸腰で行く理由もない。


「となると、問題は許可証じゃ」


 わしが言うと、ゼノスは頷いた。


「正式な入出国許可証。その発行方法は、大きく分けて三つあります」


 指を一本立てる。


「ひとつ。ラグナール領主に、私から頼む」


 ふむ。


「ふたつ。レーベン領主──エルンスト殿に直接頼む」


 アリアとドランが軽く反応する。


「そして三つ」


 ゼノスは少しだけ間を置いた。


「レオポルト公爵。法務大臣であるあの方なら、より強力な許可証の発行が可能です」


「ほぉ」


 ドランが小さく唸る。


「なんか一気に大物出てきたな」


「当然です。帝国を相手取るのですから」


****


「ただし」


 ゼノスは淡々と続ける。


「ラグナール領主に頼む方法は、あまり期待できません」


「ほう?」


「領主は帝国に対して及び腰です。

 仮に発行されたとしても、どこまで通用するかは不明です」


「つまり、頼りないと」


「言い方は任せます」


 ゼノスは苦笑した。


****


「ではエルンスト殿か、レオポルト殿か、という話になるが……」


 わしが言う。


「どちらも既にお会いになられていますよね?」


「うむ」


「なのであなた方はエルンスト殿とレオポルト公爵に面会出来る、という関門は突破しています」


 フレインはその事実を聞いて「なるほど」と小声で呟いておる。


 それを横にわしら三人は頷いた。


「二人で言えば最も確実なのはレオポルト公爵になるでしょう」


 ゼノスは即答した。


「ですが王都までの往復には、かなりの時間がかかります。

 それに発行の手続きもそれなりに時間を要するでしょう」


「王都は遠いからの」


「えぇ。急ぐ旅に向けて──という意味で言えば現実的ではありません」


 フレインが静かに口を開く。


「では……レーベン領主に頼むのが最適、ということでしょうか」


「その通りです」


 ゼノスは頷いた。


「先の闇ギルドの事件。

 交渉も比較的スムーズに進むでしょう」


「まぁ、話は通るじゃろうな」


 わしも同意する。



「で、どうする?」


 ドランが三人を見る。


「選択肢としてはレーベン一択じゃろう」


 わしは即答した。


「異論はないかの」


「ありません」


 フレインが静かに頷く。


「私もそれがいいと思います」


 アリアも続く。


「決まりだな」


 ドランが笑った。


****


「では──」


 ゼノスはにこりと笑った。


 ほんの僅かに、嫌な予感がする笑みじゃ。


「ちょうど良い依頼があります」


「ほう?」


「レーベン行きの乗合馬車の護衛依頼です」



「常設依頼ですので、いつでも受けられます」


「ついでに行け、ということか」


 ドランが呆れたように言う。


「えぇ、ついでに」


 ゼノスは悪びれもせず頷いた。


「報酬も出ますし、道中の安全も確保できます」


「合理的ではあるの」


 わしは顎をさする。


 フレインが小さく頷いた。


「効率的です」


「お前らほんとそういうの好きだな」


 ドランが笑う。


****


「では、その依頼を受けるということで」


「うむ」


 わしは頷いた。


「手配は済ませておきます」


 ゼノスは書類に手を伸ばす。


「出発はいつでもどうぞ。

 ミレイに話を通しておきます」


「エルマではないんじゃな」


 わしは、含みを持たせずに聞いた。


「彼女を評価していないわけではありませんよ?

 冒険者ギルドにはあのような方も必要です」


「エルマにはいつも助けられてますよ?」


 アリアは明るく言うと、ゼノスはそれを聞いて頷いた。


「まぁ今回はミレイの方が適切だと判断したまでです」


「適材適所、というやつじゃな」


****


「では決まりじゃな」


 わしは立ち上がる。


「まずはレーベンへ向かう」


 三人もそれに続いた。


 ゼノスは軽く頭を下げる。


「お気をつけて」

ここまでお読みいただきありがとうございます。


よろしければブックマーク・評価をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ