零ー23 セティ先生〔1〕
「お久しぶりです、ルイさん」
「ああ、久しぶりセティさん。色々聞きたいことがあるけど取り敢えず何なのここ?」
「スウちゃんに頼んで会いに来ちゃった☆」
「……」
寝たはずの俺は懐かしい教室に何故かいた。この教室は俺が地球で通っていた高校の教室だ。
そして相変わらず偶に弾けて、後になって後悔してしまうセティさんが頼んだというスウ様。
見た目はロリっ娘だが、中身がかなり酷い眠りの神だ。上辺は可愛らしく取り繕っているが、俺はあの人に死という悪夢を何度も夢の中で味合わされた事を絶対に忘れないからな。
「うっ……こほんっ、それはさておき「後で後悔するんだよな」そこっ、煩いですよ!」
「がっ!?」
セティさんが何かを投げ、俺は何故か感じた久しぶりの痛みに思わず目を閉じてしまう。
そして目を開けるとそこには――
「授業を始めますよ!」
「コスプレかっ!」
今時コスプレでしかしないような教師の格好をしたセティさんがいた。
勿論白がメインのだ。
「えっ、えぇぇ!?」
「わざとじゃなかったのか?」
「スウちゃんに聞いたら授業の時はこの服装だって!」
「聞く相手間違えてるから……」
ミニスカにタイツに眼鏡。
コスプレ以外では中々揃わないような見事な揃いっぷり。いたとしてもごく稀のはずだ。
でもスウ様グッジョブです!
「……スウちゃんに今度確認してきます」
「あ、ああ、そうか……」
恐らく次も騙されそうだけどな。セティさんってスウ様の事だいぶ可愛がってるし嘘に気付かないだろうから。
「こほんっ、今日の授業はルイさんのステイタスについてです」
「セティさ「先・生!」……セティ先生、それはかなりの死活問題だったと思います」
「いえ、そうでもありませんよ。それにそのほうが面白そうでしたので」
「結局それがっ!?」
また投げられて気付いたけどそれチョークか!?
「セティ先生」
「何ですか、ルイ君?」
「君って……。先程からセティ先生が投げるチョークが避けられません、それに痛いです。どういうことでしょうか?」
「それはそういう設定だからです」
また面倒な設定を……
「それではルイ君のステイタスについて――」
そういうとセティさんは黒板に俺のステイタスを書き出していった。
そして今度は教鞭を持ち、上から順に指していく。
「まず、ルイ君の名前の横にあるのは年齢です」
ルイ(17〈+15〉)
「セティ先生、何故17と15とがあるのでしょうか」
「いい質問です、ルイ君。それはミーシア様がルイ君の体の成長を止めているからです。今は15とありますが、35年後には無くなると思いますよ」
「分かりました」
てことは17というと俺の死んだ時の年齢か。
「職業と総魔力は……分かりますね」
「はい」
「では次にスキルです」
スキル
剣術Ⅲ・刀術Ⅴ・風魔法Ⅵ+Ⅰ・回復魔法Ⅶ・魔力操作Ⅵ・魔力増強Ⅳ・苦痛耐性Ⅷ・恐怖耐性Ⅹ・調理Ⅲ・消費魔力効率化〔小〕・生活魔法
「剣術の隣にあるⅢという数字はそのスキルのランクを表しています。ランクといえば魔道具のランクや、気にしていないでしょう冒険者ランクと同じですので覚えておいてください――」
そこまで言うとセティさんは再び黒板に何かを書き出した。
スキル
・Ⅰ:素人
・Ⅱ:経験者
・Ⅲ:一般兵
・Ⅳ:一般兵が頑張れば
・Ⅴ:一般兵が死ぬ気で頑張れば
・Ⅵ:才能がある者の限界
・Ⅶ:死線を何度も経験した才能のある者
・Ⅷ:人種の化物
・Ⅸ:神の卵
・Ⅹ:自力では到達しえない……はずだった
魔道具
・Ⅰ:誰にでも
・Ⅱ:誰にでも
・Ⅲ:頑張れば誰にでも
・Ⅳ:一定の才能を持つ者
・Ⅴ:境界線
・Ⅵ:達人
・Ⅶ:廃人
・Ⅷ:人種の限界
・Ⅸ:魔具神のみ
・Ⅹ:統括神のみ
冒険者ランク
・Ⅰ:???
・Ⅱ:一般
・Ⅲ:下位魔物パーティ討伐者
・Ⅳ:下位魔物単独討伐者
・Ⅴ:中位魔物パーティ討伐者
・Ⅵ:中位魔物単独討伐者
・Ⅶ:上位魔物パーティ討伐者
・Ⅷ:上位魔物単独討伐者
・Ⅸ:上位魔物単独討伐者で多大な功績を挙げた者
・Ⅹ:あるだけ
(なお、素業の悪い者はそのランクから変動しない。まあは降格する)
「――こうです」
「なんと具体的な……」
「ちなみに、ルイ君が持っている恐怖耐性Ⅹは”精神力強化”と”精神適応”があることで取れたものです。それが無かったら人間としては生きていなかったでしょう」
「は、ははは……」
なんかもう慣れた
「次にユニークです」
ユニーク
精神力強化・精神適応・潜在能力解放・潜在能力拡張・(試練の枷-5/6)
「ユニークはスキルと違い後天的には現れません。もちろん例外はありますが、まず無いと考えてもらって構いません」
「セティ先生、試練の枷に無かったはずの数字が加えられていますが」
「それはですね、私がニーシャ様の所まで行き、試練というものを具体的に決めてもらったからです。試練の内容はまずイカーケン改良種の討伐」
あれって試練だったのか。それにしては随分と楽なものだったな。
「……イカーケンってクラーケンのパクリですか?」
「いえ、別種です。イカーケンの他にタコーケンもいますが、クラーケンは今は存在していません」
タコーケンて。イカーケンもそうだがネーミングセンスがおかしすぎるだろ。
分かりやすいからいいのかもしれないけど。
「今はいない?」
「はい。完全に存在しない、という訳では無いのですが、イカーケンもタコーケンも元はクラーケンでした。それが私達も気付かないうちに分離していたんですよ。それに伴い力も半減しましたので、船での移動の危険が減少しました。結果オーライですね」
てことは、試練の内容がクラーケン討伐だったらかなりやばかったって事になるのか
「――ルイ君が戦ったイカーケンはクラーケンの標準の力でした」
「ならクラーケンでよかっただがっ!?」
イカーケンってほんとにイカって感じすぎて何とも形容し難い気持ちになったんだよ。
「……まあいいや。試練の残りは何だったんですか?」
「幻魔5種の討伐です。生存目指して頑張ってください」
「…………分かりました」
「最後に称号ですね」
称号
悲しみを持ちし者・残念イケメン・神獣の契約者・神の試練を受けし者・風の狂鬼・魔力の智・神の玩具
「この中でルイ君の生死に関わるのが”悲しみを持ちし者”です。称号にはそれぞれ効果があります、ルイ君のは――」
”悲しみを持ちし者”
・思考速度2割低下
”残念イケメン”
・魅了値にマイナス補正〔極小〕
”神獣の契約者”
・念話可能距離増加〔小〕
”神の試練を受けし者”
・試練時身体能力上昇〔極小〕
”風の狂鬼”
・風魔法ランク上昇〔+Ⅰ〕
”魔力の智”
・消費魔力効率化〔小〕
”神の玩具”
・身体能力上昇〔極小〕
「思考速度2割低下……」
「何故この称号がついているかはルイさんが1番分かっているはずです。私もその称号がどうすれば無くなるかを調べてみましたが、どうやら私と同じ場所に来てもらわなくてはいけないみたいです」
「どういうこと?」
「これにて授業は終了です。暫くは休み時間なのでゆっくりしていてください」
「いや、同じ場所って……」
「また会いましょうねー」
「ちょっ……」
直後、俺の視界は暗転した。
△▽△▽△▽
私はルイさんと別れた後、自宅に転移しました。
そして私の目の前には綺麗な夜の空の様に黒く少しだけ紫がかり、ふわふわした髪のとても愛らしい少女……いえ、幼女が!
「ありがとうございました、スウちゃん。それと聞きたいことがあるのですが……」
「ぐすっ……うぅ……セティ……お姉ちゃん。わたしが……まちがえちゃったこと怒って……る……?」
「えっ!?」
ルイさんに言われた事をスウちゃんに聞こうとした私はいきなり死地に立たされます。
「そ、そんなことはありませんよ!? 間違えは誰にでもありますからっ。だから泣かないでください〜……」
「……ほん……と?」
「はいっ、本当ですよ!」
「えっと……ね。わたし、セティお姉ちゃんに渡すお洋……服まちがえちゃって……。ほんとは……ね? ほんとは……こ……のお洋服……渡そうとして、たの……ひっく……」
あぁ!? また泣きそうに!
「あぁぁ……泣かないでください……。大丈夫ですよ、私は全然怒っていませんからね〜」
「ほん、と? じゃあ……また、着てくれる……?」
「もちろんですよっ」
私はそう言ってスウちゃんを抱きしめます。
「あり……がとう……」
「あぁ〜、スウちゃん可愛いです〜」
この可愛さはまさに天使っ、いえ! それでは足りません! スウちゃんが世界そのもののといえる可愛さです!
「(ニタァ……)」
「あっ、異界種の事伝え忘れてました。まあ仲間も出来ましたし大丈夫ですよね。ねぇ〜スウちゃんっ?」
「うん!」
はぁ〜、可愛いです!
新たに出ました、夢魔神スウ様。
漢字だけを見ると夢魔は悪魔となりますが、今回は少し違い、他には誰も使えない夢魔法を使う少々特殊な神様です。
なので必ずしも悪夢を見せる訳ではありません。他の神同様面白いことが好きなだけです
⚠︎セティ=ロリコンという訳ではありません。




