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過去と帰路

とある昔の話、ある種族の少女の話。

その種族の村は小さく狭いところだった。

その少女は種族の中で唯一天才と呼べる存在だった。

その種族は長命で伝統を大事にする種族でした。


「お母さん!また魔術上達したの!」

「あら〜良かったわね、ほんと天才ね」

「えへへ」


その少女は幸せに暮らしていました。


「土魔術教えてよお母さん」

「そうね、そろそろいい頃ね」


少女は土魔術を教えてもらいました。

少女はやはり天才で覚えるのも早かった。


「すごい!もう覚えちゃうなんて」

「簡単じゃん!もっともっと練習する!」

「頑張ってね」


少女はひたすら練習しました、日が暮れるまで外で魔術を使い、疲れて帰ってくる。

でもそんなある日少女は思いました


「私は強い」


それから少女は皆に自慢するようになった


「私はこんな事出来るよ!」

「すごい!私にも教えて!」

「やだね〜」

「なんで?」

「自分でやればいいじゃん」


少女は調子に乗った、周りと差がつけばつくほどそれは大きくなった。

そしてある日、一人で遺跡に行ってしまった。

その遺跡は禁じられた遺跡で入ってはならないと言い伝えられていました。


「私なら余裕でしょ」


少女は遺跡へ入りました。

でも禁じられた遺跡は少女の侵入を拒んだ、ムキになった少女は無理やり結界を解いてしまった。

その瞬間遺跡の中からとてつもない魔力と黒い瘴気が飛び出てきた。

魔力と瘴気は村を飲み込んだ、少女は寸前に魔術で空に跳ね上がり魔力と瘴気を逃れた。

その判断は天才ならではの反応速度だった、村の人はそうはいかなかった。

子供も大人もみんな魔力と瘴気に飲まれて死んでしまった。

自分のせいで村を滅ぼしてしまった。


「嘘…私…私のせい?…だってこんな…」


少女は深く絶望した。

何時間経ったのか、顔を上げると魔力も瘴気も消えていた。

急いでお母さんの所へ向かった少女は目の前の光景に吐き気がした。

死んだ村人の腕や脚や顔に黒い紋様が刻まれた死んでいた


「お母さん…」

「あぁ…無事だったのね…良かった」

「お母さん!今治すから!」


少女は治癒魔術を必死にかけた、それでもお母さんは治らない。

そしてお母さんの体から力が抜けた


「今…治すから…お母さん」

「生きて…病気にならない…ように…ね」

「待ってよ…死なないで…」

「愛してるわ…アリシア」


母親は力尽きた。

アリシアの手を握ろうとして上げた手は無情にも届かなかった。

少女…アリシアは旅に出た、全てを捨てて。


朝日が昇った


「…嫌な夢」

「なんで今こんな夢なんか見るの、やっぱりここは嫌い」


横を見るとフーラがいる、5歳児に見えるがこの子は転生者だ。

記憶を持って転生してきた子


「フーラ、起きてください」


フーラはすやすやと寝ている、寝顔は5歳児そのものだ。

フーラの体を揺らした。朝から出発しなければ何日かかるか分からない、時間は無駄に出来ない。


「アリシアさん…なんですか」

「行きますよ」

「早くないですか」

「時間は無駄に出来ないですから」

「アリシアさん?目が赤くないですか」

「気の所為です」

「でも…」

「気の所為です」

「は、はぁ…?」


土魔術を解いてしばらく歩くと丘が見えた。

これからここを登るらしい、地獄か?


「地獄かって顔してますね」

「分かります?」

「分かりすぎます」

「アハハ…」


数時間後、疲れたで埋め尽くされた脳を強制的に叩き起こして歩いた


「休憩にしますか」

「やった!」

「ご飯をどうにかしなければ死にますね」

「そうですね、アリシアさん持ってます?」

「持ってるわけないですよね」

「ですよね」


さてご飯問題だ、魔物を食えばいいのだろうか。


「魔物を食べましょう」

「美味しいんですか?」

「そんなわけないですね」

「……」

「飢え死にしたいんですか?」

「食べます」


今回食べるのはサソリの魔物です、甲殻類…なんですかね?不登校に生物の知識があるわけなく、とりあえず食えればいい。


「どうぞ、それは爪の部分ですね」

「いただきます」


殻を外し火で焼いた、とてもいい匂いがした。

大体の物は焼けば食えるとアリシアも言っていたしそこまで不味くもないだろう。

そして食べた。

ふむふむ独特な風味だ、土を混ぜた牛乳に納豆を混ぜた味だ。

端的に言うと…不味い


「不味いですね」

「…分かります」

「この地域の人はこれを食べて生活してるんですか」

「そうなりますね」


アリシアは平気そうな顔をして食べてる


「よく食べれますね」

「まぁ」

「食うしかない…」


死にそうになりながら食べているとアリシアが突然立ち上がった。

青い顔をしてる


「アリシアさん?」

「トイレです…」

「顔真っ青ですよ?」

「トイレです…うっ…」


アリシアは口を押さえて膝をついた


「アリシアさん!?ちょっと大丈夫ですか?!」

「平気です」


嘘つけ!青い顔通り越して灰色だぞ


「ほら吐いて」


しばらく背中をさすっていると楽になったらしい。


「ありがとうございます」

「いえ、やっぱり無理して食べてましたね」

「おかしい…昔はもっと…あっなんでもないです」


こうして無事に食事を終えた、無事だ。

異論はうるさい。

また歩き始めてやっと頂上に到着した

辺りがよく見渡せる。


「あれ村…ですかね?滅んでるようですけど」

「はぁ…やはりここでしたか」

「ん?」

「場所は分かりました、大体の帰り道も」

「本当ですか!?」

「えぇ」

「ここはルーザ地方北端。帰宅までの期間は大体4年ってところですね」

「長っ!」

「文句言わないでください」


ここから帰宅の旅が始まる。

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