怪しい夢と友達
夢の中にいた。
体は異世界のままだ。
その空間は前世の俺の部屋だった、見慣れた景色とパソコンがあって整頓されてない。
そして俺のベットに座る謎の人型、真っ黒で人型としか分からない
「誰だお前」
「俺か?俺は…そうだな」
「おいなに正体偽ろうとしてんだよ」
「まあいいだろ俺の正体なんて」
「いいわけあるか俺の部屋だぞ」
「落ち着けよ____」
「…なんで前世の名前知ってんだ」
「今日は挨拶だけさせてもらうよ、またな」
「おい待て!!」
視界が真っ白に包まれて目が覚めた、いつも通り異世界で俺の部屋だ。
そして太陽はもう上っていた、時間は分からないが朝ではない。
リビングに行くと忙しく動くクロエと鍛錬中のガルダ、そして赤子を抱くカルラがいた
「あらおはようフーラ」
「おはよう母さん、その子は妹だよね」
「そうよ、あなたの妹で名前はルナ」
「ルナ…触ってもいいですか?」
「優しくね」
俺は頬に触れてみた、柔らかくて穏やかに眠っている。
この子は転生者なのだろうか?流石に二人連続で転生者はないだろうと思うがやはり考えてしまう
「可愛いですね」
「そうでしょ?頑張ってねお兄ちゃん」
「はい…もちろんです」
(お兄ちゃんか…前世でも言われた言葉だな)
なにやら外で話し声が聞こえる。
父さんの声と女の人の声?
「あっ来たみたいよあなたの家庭教師」
「あーそういえば今日でしたね」
「おーいフーラ!!」
庭に行くと若い女性がいた、赤い髪が腰まで伸びている。
20代前半くらいに見えるがこの世界には長寿の魔族もいるらしいので確認するまで分からない
「えっと…フーラです」
「ふふっかわいい子ね、私はアリシア」
「よく来てくれたわねアリシアさん!こっち座って?自己紹介しましょう」
てなわけで家族揃って自己紹介が始まった、もちろんルナもだ
「昨日の深夜に…私来て大丈夫でした?」
「何言ってるの~私たちが呼んだんじゃない気にしないで」
「そうですか、ところで私が教える生徒はどこに?」
「え?フーラよ」
アリシアが固まった、笑顔のまま固まってるがよく考えたら俺は二歳だ。
俺も逆の立場なら固まるどころかにやけるぞ
「フーラさんはおいくつで?」
「二歳よ」
「二歳ですか…なんで家庭教師が必要だと思ったんですか?」
「うちの子天才なのよ!!こんなにハキハキ喋る二歳見たことある?」
「ないですけど魔術は本来5歳くらいからで」
「早い方がいいじゃない?」
「そうですか?まあやれることはします」
俺の自慢をカルラが話そうとしたときルナが起きて泣き出した
「あらごめんなさいね」
「いえ、赤ちゃんの仕事なので」
自己紹介は終わりを迎えた、早速腕が見たいとの事なので庭にやってきた
「いいですか?まず魔術というのは詠唱が必要です」
「はい」
「詠唱をすることで魔力を集めて形にして発動する、ここまで分かりますか?」
「はい」
その後も魔術についての説明をされたがほとんど本で知っていてはいとしか言えなかった
「聞いてますか?」
「聞いてますよ?」
「…とりあえず見本を見せるので見てください」
辺りをきょろきょろしてるがどうした?人がいないか確認してるのか
「…杖をさっきのリビングに置いてきました、取ってきます」
「え~…」
ポンコツ?いやミスくらい誰だってするか。俺も前世じゃミスしかしなかったからな
まあ焦って取りに行ったからか途中でつまずいていたが
「気を取り直して、見ててください」
杖を前に突き出した。
詠唱をするその姿は美しかった、かっこいいのだ。
「ウォーターボール」
庭の外に弧を描いて飛んだウォーターボールは塀を超えて向こうの通り道に消えていった
「うわ!?」
「え?」
「ん?」
塀の外から女の子の声と水が当たる音が聞こえた、嫌な予感がするが威力は大したことないから怪我はないと思うが。
急いで見に行くと白髪の緑の瞳をした女の子が呆然と立ち尽くしていた、見た目は4歳とか5歳とかその辺か。
にしてもこの子絶対将来美人になると思わせる容姿をしてる
「あの!大丈夫ですか?」
「な、なんで水が…」
「ごめんなさい考慮してませんでした!まさか子供がいるなんて」
「大丈夫…痛くないから」
とりあえずこのまま帰すわけにはいかないから家に招き入れた
「母さんちょっといいですか」
「あらフーラ、もう終わった…誰?」
「今そこの道でウォーターボールが当たってしまって」
「ええ!?大丈夫?怪我は?」
「大丈夫です」
「あなたお隣の子よね?」
「はい」
クロエが手際よくその子を拭いた、あまり濡れてなくてよかった
「隣に子供なんていたんですね」
「そうよ、名前は確か…」
「リーナです」
「そうそうリーナちゃん!うちの子はフーラっていうの、これからよろしくね」
「フーラです、よろしく」
「よろしくねフーラくん」
こうして異世界初めての友達が出来た。
そしてリーナは度々アリシアの授業を庭の塀に座って見ていた
「すごい…もう魔術が使えるんだ」
「早いらしいね」
「早いよ!だって私もまだウォーターボールしか使えないもん」
俺は初級魔術全部使えるけどね、無詠唱で。
ちなみにアリシアに無詠唱を伝えたら鍛えがいがあると不敵な笑みを浮かべていた
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アリシアが来てから三年が経った。
俺も5歳だ、そしてリーナは七歳らしい。
外を出歩かせてもらえるようになった俺はリーナと村のあちこちに行った、大きな樹がある場所が最終的にお気に入りスポットになった。
「今日は何をしようかリーナ」
「また魔術の練習する?」
「いやーあんまり詰めても途中で投げる気がするんだよね」
「…5歳とは思えない発言だねほんと」
「ちょっと成長が早いだけだよ」
にしてもあれ以来黒い人型は出てきてない、ただの悪夢だったのかもしれない。
そもそも俺の部屋だったしな、きっと夢だったんだ。
妹の名前「ルナ」
家庭教師「アリシア」
友達「リーナ」




