第7話:一年生二学期
二学期になって席替えがあった。なぜか男女が交互になるように席が配置されている。一体、学校は何に配慮しているのだろうか?このおかげで女の子が隣の席になっているので、ありがたい配慮なのではあるが。
二学期で隣の席になったのは坂上 久美子さんで、教室の掃除を率先してやるような真面目な女の子だ。髪は肩ぐらいまでの長さで背はちょっと高め、明るい性格をしていておしゃべり好きだった。確か、軟式のテニス部に入っていたと思う。
新しい席に座って、隣の席の坂上さんに話しかけた。
「坂上さん、これからよろしくね」
「こちらこそ、よろしく向井君」
なぜか坂上さんがこちらをじっと見ている。
「えーと、何かあったのかな?」
「噂で向井君は、ちょっとした違いにも気づいてくれるって聞いたんだけど」
「まだ隣になったばかりで、さすがに無理だと思う」
「あれ?クラス全員の女の子を常にチェックしているって聞いたよ」
いつの間にか噂に尾ひれがついている!そういえば、中学校の頃の噂は、あっという間に話が大きくなるのが当たり前だった。
「俺って、そんなにヤバい奴に見える?」
「ちょっと、信じていたかも?」
「マジかー」
「うそうそ、冗談。だって勉強、凄くやっているんでしょ。真面目な奴って思っていたよ」
首の皮一枚でなんとか評価が残っていたようだ。
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「向井君、これ教えてくれる?」
「あぁ、これはね」
隣の坂上さんは、こちらから話しかけるまでもなく、ちょくちょく勉強について聞いてきた。最初にヤバい奴と思われていたときにはどうなることかと思っていたが、あまり噂は気にしていないようだ。
「それにしても理科なんて将来役立たないものをなんで勉強しなきゃならないんだろなー」
「役立たないってこともないんじゃないか?」
「だってレンズと光の関係なんて、そういう会社に入らない限りは関係なくない?」
将来、カメラが趣味になったりすると意味があったりするんだが、そういうことを言っているんじゃないんだろうな。
「それを言ったら軟式テニスだって同じじゃないの?」
「えっ、なんで?」
「だってプロになるんだったら別だけど、それで食べていくわけじゃないだろ?」
「でも部活で頑張って体を鍛えておくことは将来役立つでしょ」
「それなら勉強も同じだろ。頑張って頭を鍛えておけば将来に役立つだろうし」
「頭を鍛える?体を鍛えるならわかるけど」
「頭も体と同じで使えば使うほど良く動くようになるんだよ。覚えておくということだけじゃなくて、理解力とか考察力とかいろいろな能力が鍛えられるんだ。」
「そうなの?それにしても向井君ってそんなふうに考えていたんだ。本当に中学生?」
勘が鋭くてびっくりしてしまった。というかタイムリープして、いろいろと自分自身でやらかしてしまっている気がする。二回目なのに何をやっているのやら。もう少し考えて行動しないとな。
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