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第6話:期末テスト

7月になって期末テストの季節がやってきた。中間テストが終わったと思ったら、すぐにまたテストだ。中学生の日常はなかなか厳しい。


「小谷さん、勉強進んでる?」

「全然できてないよ?大川君はどう?」

「おれも全然だよ」


授業が始まる前に、近くで大川が小谷さんに話しかけている。大川はどうやら小谷さんに気があるみたいで、こうやってちょくちょく小谷さんに話しかけていた。それにしても小谷さんは中間テストのときにも勉強が進んでいないと言っていたような気もするが、それで1位が取れるわけもない。まぁ嘘は言っていないのかもしれない。できていないというレベルが違うだけで。

前回もそうだったが、今回もなぜか勉強をしていても、やっていないというのがクラスメイト全体の決まりごとのようになっている。勉強をしていなくても、良い成績を取れると自慢したかったのか?それともやっていないということによって他のクラスメイトが油断するのを期待していたのか?もしくは日本人ならではの謙遜だったのか?


「向井君はどう?」


話の流れで俺にも話が振られてきた。前回の俺は他のクラスメイトと同じように全然できてないと答えていたと思う。でも今回は、やっているならやっていると素直に言うと決めていた。


「俺はかなり勉強したからな。結構いいところまでいくと思う」

「えっ、そうなの?、凄い自信だね。」

「じゃぁ期末は向井が1位か?」


小谷さんと大川が驚いた顔をしている。勉強しているということを明言したからだろう。クラスでここまではっきり勉強していたと言う奴はこれまでに見たことがなかったからな。特に大川は驚いたあとに、かなり焦っているような表情も見せた。


「自信というか、とにかく実際に勉強しているから」


気がつくと、多くのクラスメイトがこちらを見ていた。まずい、そこまで目立つつもりはなかったんだが。


□▲□


結局、期末テストの結果は中間と同じで小谷さんがクラスで1位で、大川が2位、俺は3位だった。


「向井になんとか勝てたよ。ずいぶん自信があったみたいだから焦ったよ」

「調子は良かったんだけどな。大川の努力が俺を上回ったんだろ」

「俺はそんなには勉強できていなかったけどな」


大川は勉強できていなかったと言っているが、俺がかなり自信ありそうということでかなりがんばったんだろう。前回はお互いにやっていないと言いながら、裏では一生懸命勉強していたわけだが、それだと足のひっぱりあいになってしまう。こうやってお互いにプラス方向に刺激しあえた方がいいに違いない。こうしてテスト結果の事を話していると、前の方に座っていた大石という奴が、俺の席の方に歩いてきた。


「よう向井、さんざん勉強していると自慢していながら3位とは情けないな」


まさか勉強していると言うだけで絡まれることになるとは。テスト前に悪目立ちしたのが良くなかったのか。出る杭は打たれるの典型的な例のような展開だ。みんな勉強していないといっているのだから、その協調を乱すな?ということなのだろうか。


「そうだな。あれだけやっても3位なんだからまだまだ足りないんだろうな」


以前の俺なら、ここでムキになって反論したと思うが、素直に認めることにした。


「向井はこれからは勉強しているなんて言うのをやめるんだな」

「いや、実際に勉強しているんだから、これからも言い続けるが」

「なんだと」

「勉強しているのに、していないと言うのがいいとは思えないな。騙すようなことを言うのがいいというのか?」

「それは...」


ここで小谷さんから助けがはいった。


「大石君、そこまでにしようよ。向井君も嘘を言っているわけじゃないし、それに3位だって十分にいい成績でしょ」


さすがにクラスで人気のある小谷さんには反論できなかったようで、大石は何も言わずに席に戻っていった。


「ありがとう、小谷さん助かったよ」

「ううん、向井君が勉強すごいやっているというのは確かだと思うし、気にしないでね」


小谷さんは、こういう優しさがあるからクラスで人気なんだな。タイムリープして二回目の中学生なのに、こうやってトラブルを引き起こしている俺はまだまだなんだなと思い知らされるのであった。


□▲□


期末テストが終わると夏休みだ。しかし水泳部にとっては夏が最も練習しやすい時期である。というわけで練習は平日に毎日あったし、土日も自主練と中学生らしいイベントはなかった。救いは川岡さんとは毎日のように会えたというぐらいだろうか?ただ部活で一緒といっても、水泳部だと基本的に一人で泳ぐことになるわけで、その間は周りはほとんど見えないし話をすることもできない。さらに男子と女子では泳ぐコースも違っていて、近づくこともできやしない。結局、川岡さんと親しくなることはいまだできずにいた。きっと球技系の部活なら同じ部の男女でパスの練習とか、シュートの練習とか仲良く練習したりできるのだろうと思うと、バレーやバスケット部が羨ましく感じる。なるほど、青春学園小説やアニメでバスケットなどが良くでてくるわけだ。水泳じゃ絵にならない。

第6話までお読みいただきありがとうございます。よろしければ評価、感想などを頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

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