第23話:卒業
この話を含めて残り4話で完結予定です。
大会が終わると三年生は部活動から引退になり、別クラスの川岡さんとは全く会えなくなってしまった。こういうときに漫画とかでは、下駄箱とかで偶然に会うなんてこともあると思うのだが、なにしろ一学年で9クラスもあるため、クラスが隣ならまだしも、遠いクラスだと下駄箱も別の場所になってしまう。結局、そんな都合のいい偶然も発生しなかった。すでに二年生二学期に隣の席にしてやっただろ!という神の声が聞こえてきそうである。まぁ振られた後に、偶然に下駄箱で会ったとしても、何にも起きないような気がするが。
二学期以降は、本格的な高校の受験勉強が始まり、友人との雑談でも色恋の話は減っていった。
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受験勉強が優先される時期とはいえ、たまの日曜日ぐらいは体を動かそうということで、大川と校庭で軽く走ろうということになった。
「向井は高校はどこにしたんだ?」
「西高を受けるつもりだよ。大川はどこにしたんだ?」
「北高だよ」
この市では高校が東西南北の名前になっていて、北高は市内で一番の進学校だ。
「向井なら北高でもいけるんじゃないか?ここまでの成績勝負でもほとんど五分だったじゃないか」
「最後の勝負で大きく離されちゃったけどな」
一年生のときから大川とはテストの成績で勝負していた。だが最後の勝負は、成績ではなく告白のことである。大川はその後も近藤さんと付き合い続けていた。クラスメイトや部活の仲間からの冷やかしを乗り越えたようだ。
「そういえば近藤さんはお前と同じ高校を受けるのか?」
「いや、近藤さんは東高校だな」
「せっかく付き合ったのに別の高校なのか」
「別の高校になっても、お互いに連絡をとりあうようにするよ」
中学生の恋にはハードルが多い。クラスメイトの冷やかしを越えても、高校というハードルがあり、その先にも大学、就職と二人を引き裂こうとするイベントがたくさん続くのだ。中学生の頃から付き合い始めて、ゴールまでたどり着くカップルというのは相当に稀だとは思うが、なんとか大川にはがんばってほしいと思った。
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大川も俺も高校には無事に合格することができ卒業式を迎えることができた。タイムリープして中学生からやりなおして前回の失敗は克服できたが、結局のところ俺の中学生の恋はうまくいかなかった。一年生のときに皆に冷やかされてしまってその後は仲の良いところを見なくなってしまった小谷さんと長谷川、それをみて失恋を悟った大川、そして川岡さんに振られた俺。思いかえしてみるとうまくいかなかった恋ばかりのような気がした。きっとその他にも数多くの中学生の恋があったはず。でもおそらくそのほとんどがこの3年間に散ってしまったんじゃないかと思うと、卒業式に流れるホタルの光の歌が中学生の恋へのレクイエムに聞こえるのであった。
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