第22話:告白
三年生になりクラスメイトはほとんどが入れ替わってしまった。当然、川岡さんとも別クラスである。新しい友人もできて、二年生のときに親しかった内田と竹下とはすっかり一緒に遊ばなくなってしまった。この先、大人になって中学生の同窓会とかが催行されても、クラスとして集まるのは三年生のときのクラスメイトだけになってしまう。一年生や二年生に仲の良かった友人と再び会う機会は訪れるのだろうか?そして、せっかく二年生二学期で隣の席になって仲良くなった川岡さんともこのまま疎遠になっていくのだろうか?
大川と三学期の終わりに話をして、やっと告白する決心がついた。ここで告白しないでいたら、何のためにタイムリープさせてもらったのかわからなくなってしまう。なにもしないでいたらきっと後悔すると思い、昼休みに川岡さんのいるクラスに行くことにした。
「すいません、川岡さんに話があるのですが呼んでもらえますか?」
入口付近にいた知らない女の子に川岡さんを呼んでもらうことにした。
「どうしたの向井」
「ちょっと川岡と話がしたくて。今、いいかな?」
「もう昼は食べたしいいよ」
定番の体育館の裏まで歩いて、川岡さんに告白をした。
「二年生の二学期のときに隣の席になっていろいろと話をして、川岡のいいところをいっぱい見てきたんだ。好きです。付き合ってください」
「えっ、ちょっと待って。向井って私のことが好きだったの?」
「そうだよ。だから告白しているんだけど」
「ごめん、好きとかそういうことは意識してなかった。向井とは気があったし、話をしていて楽しかったけど。」
タイムリープして再び仲良くなれて安心していたのがダメだったのか。前回の失敗を乗り越えたと思っていたんだが、今回もまた別の失敗をしていたのか。いったい何回タイムリープしたら失敗をせずに乗り越えられるのだろうか?
数日後、俺が振られたという噂がクラスにも流れてきて、新しい友人達に慰められた。
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川岡さんに振られてしまった俺だが、水泳の方はここでやめてしまったらすべてを失ってしまうと思い、全中の市内大会に向けて練習に没頭した。その全中の市内大会は6月にあり、三年生は全員が選手として出場した。俺は自主練の成果がでたのか市内大会では1500m自由形で優勝し、県大会まで行くことができた。しかし県大会ともなると、スイミングスクールで鍛えてきたようなレベルの違う選手がでてきて3位に入るのがやっとだった。それでも県大会の3位というのは、相当な快挙だったようで校長室に呼ばれたり、全校生徒の前で校長先生から表彰されたりもした。もちろん水泳部でも皆から褒められ、一目置かれる存在となることができた。川岡さんからも一言凄いねとは言われたが、その後にさらに会話が続くというようなことはなかった。川岡さんの注目を浴びたくて自主練までして、それですべて上手くいくわけではなかったけど、県大会まで行けてやっておいて良かったとは思うことができた。
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一学期の終わり頃に廊下で近藤さんと久々に会った。
「久しぶり、近藤さん」
「あっ、向井君。県大会で3位だったんだって?凄いね」
「ありがとう。そういえば近藤さんは?」
「私は市内大会で3位まで行ったけど、県大会までは行けなかったよ」
「それでも表彰台に上がったんだから凄いね」
「そういえば、向井君の噂を聞いたよ」
「あー。失恋したって噂ね。やっぱ、そっちまで流れていたか」
「うん。」
「頑張るって言ったけど、結局ダメだったよ。うまくいかないもんだな」
「でも、私は本気で好きだったから、それだけは覚えておいてね」
「ありがとう。それを聞いて救われた気がするよ。大川の奴のこと、よろしくな。あいつは俺の友人で最高にいい奴なんだ」
「うん」
失恋というのはやっぱりつらい。近藤さんもつらい思いをしたはずなのに、こうやって俺を励ましてくれる。とてもかなわないなと思いつつ、少し心が軽くなった気がした。
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