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藤原涼  作者: m@ho
11/13

ICC


 外車に抵抗があると以前話して事があり、国産車派であるためいつも国産車を乗り継いでいる。「ソフト会社って言っても親父のマンションの1部屋を借りて従業員も数名だからねえ」

「心配ですよね」

 車は動き出し、勢い良くシャッターが上がる

「妹を半ば騙して結婚したようなもんだからね。家族全員反対しても聞かず、出来ちゃった婚だしね。なにより一番可哀想なのが親父より勇だったな」

「勇さんと何かあったんですか?」

 車を走らせながら家族の細かな事を聞いた事に気にしながら車の周辺に目を配った  「勇がメジャーデビューする時に、デビュー先のレコード会社社長の娘と井上とが関係があって、その事がSNSで話題になったことがあって。メジャーデビューが無くなって、それから業界で勇の音楽を使われることが一気に無くなってね。そんな事があっても勇と親父がぶつかる事も多くなったのもある。」

「それで理解しました。以前にクラブで勇さんの歌を聞いて何で売れないのか不思議でした。勇さんというより、井上さんのせいだったんですね。」国道246を走り、スピードが上がったからか口数が減る。

「時代も変わるから良くなれば良いんだけど、今回の容疑が気になる」

「誠さんはやはり勇さんを応援しているんですね」

「ああ、もちろん夢を追いかけてたからね。親父の手前全面的に言えなかっただけだけど、皆んなが応援していた事は勇自身が分かっていると思う。」

 国道246号から少し入った所にあるコインパーキングに止めた。

「すぐそこなんだけど駐車場がいっぱいで、路駐出来ないからね。」そう言いながら降りる誠さんに次いで涼は降りた

「はい」

 誠さんが周辺を見ながら記憶を辿るように進んでいる

「このビルだ。」徳田第3ビルとある。

 エレベーターに乗り5階を押す

「いらっしゃいますかね?」

「誰かはいるでしょう」到着した5階で降りて進んだ。〈ICC〉という看板のドアの所でインターホンを押す

「はい、どちら様でしょうか」女性の声がした「徳田誠と言いまして井上社長の義兄です」

「お待たせしてすみません、社長は出かけていて戻るか不明です。」

「確認だが、社長が最近出勤したのはいつだい?」社長席らしき場所を見て聞いた。

「2週間近く出勤されていません。うちの会社大丈夫なんでしょうか?」「細かな事とか聞きたい事がある時に連絡できるように連絡先教えておいていただけますか?」涼がメモを渡し記載してもらう。「経理は社長が?」「はい。開発、営業、経理全て社長一人でされています。」

「社長が使っていたパソコンはどれですか?」

「このノートです」机上にあるノート型パソコンを指差した

「一時調査の為お預かりします。それと、社長か我々からの連絡があるまで自宅待機してもらって良いですか? 給料は財団から支給します。

財団の職員として待機して下さい。また、パソコンのパスワードをご存知なら記載しておいてください」

「わかりました」帰り際にメモを書いて涼に渡していった。

 事務員の女性が鍵を閉めるのに立ち会って帰る事にした。

「お父様は知ってたんですかね、こんな状況だって」三人でエレベーターに乗りながら涼が疑問をなげかけた。

「どうなんだろう、情報通な親父でもわからなかったんじゃないかな?」   

「いえ、お父様は御存知でした。」事務員の女性が口をはさんだ。 

「えっ、どう言う事?」誠さんが訪ねた

「電話で何度か資金援助をお願いしているのを聞いたので」

「なるほど電話で話している時点でダメだな」

「井上さんのダメもと感覚が感じ取られる」

「何度かって言われましたが、最後はいつ頃ですか?」マンションの出口で確認した

「最後に出勤された時なので先々週かと思います」

「サラ金とかに手を出してなければいいが。ありがとう。連絡しますね」

 事務員の女性とは別れて、誠さんと涼だけ駐車場に向かう。

「どれだけの人に迷惑かけているのか気になるな」電話をかけながら歩く誠さん。

「ソフト会社だとほとんど人件費と外注費でしょうが、運転資金をどの程度借りているかですね。安藤先生がご存知と思いますよ」誠さんの後を歩き、駐車した車に到着。。

「まあ、本人の携帯にかけたから折り返しあると思うんだよね」車に乗った時に電話が鳴った

「あ、忙しいのにすみません、スピーカーにしますね」電話をダッシュボードに置いた。

「どうしましたか?」先日会った井上氏の声だ。

「少し聞きたいことがあって電話たんです」

 丁寧に誠さんが聞いている

「はい。なんでしょうか」

「母の鍵なんですが、1個しか親父がもっていないようで、もう一つの鍵を知らないですか?」少し間が空いて

「お義父さんにお渡しした後はわかりません。」予想した答えが返ってきた

「それと、会社の方はどうですか?」

「会社はなんとかやっています。ありがとうございます」

「忙しいのにありがとう。」電話を切るが、目を合わせる二人。

「大丈夫ですかね?」涼が疑問を持って聞いた

「助けてくれとは義兄弟には言いづらいんだろうな。」

「事務所に連絡しますかね。そうしたらまあ、連絡があるでしょうから、その時に話せば良いですね」

「安藤先生に確認しますね」涼が安藤先生へ連絡した

「藤原です。徳田誠さんも同席して、スピーカーで話します」

「こんにちは、どうかされましたか?」

「井上が経営するICCの件で、事務所に行ったのですが、事務員が自社の行く末を心配しているような状態だったので、本人に確認しても大丈夫と言うので、プロのご意見を聞きたくて。」

「徳田さんなので包み隠さずに話しますけど、完成したソフトの販売も出来ず、プログラマーが離職された前期以降、開発も出来ず、銀行から借り入れた運転資金で返済している状況です。今期売上か、借り入れがなければ、存続は厳しいかと。一昨年から井上社長にはプログラム開発者から開発の見直しをご提言されていましたが、突き進めて今に至ります。先日にプログラムイベントをすると言う事で出費していましたが、赤字拡大するだけであれば中止すべきとお話はしました。」

「親父や妹も知っていたんですか?」

「お父様にはお話しましたが、お嬢さまには言わないように強く指示されました。」

「妹がなんとか工面しちゃうからか。親父から釘を刺されたんだろうね」誠さんは納得していた。

「会社設立の時に井上社長は徳田家の支援は不要だと豪語してましたからね。どこから来る自信なのか分かリませんでしたが」安藤先生の素直な意見だと涼は思った。

「安藤先生、ありがとうございました」

「いえ、お役にたてたなら良かったです。」

 電話が終わった後、誠さんが電話をしまっている時に話す涼。

「会社のことは手の施しようがなさそうですね。鍵は不明なので、あとは引越し業者への依頼をした人物の割出しです。」

「何か分かると良いですね」少しあきらめ気味の誠さんはエンジンを指導して走り始めた

三軒茶屋で降りた涼は誠さんにお辞儀をした。

 誠さんは少し手を上げて挨拶すると梅ヶ丘方面へ走っていった。『大丈夫かな? 誠さん』

 涼は半蔵門・銀座線を乗り継ぎ新橋へ向かう。

 自宅に帰り整理するためにタブレットのメモを開く

【どうやって? 何故?】

 といっう文字が大きく書いてあり、大きな2つの疑問の答えが出てこない

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