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藤原涼  作者: m@ho
10/13

防犯カメラと駐車場


 涼は家に帰るとコピーしておいた防犯カメラDVDをじっと見て過ごした。勇さんが家へ向かい、1時間ほどしてカイラさんが裏口から帰った後、勇さんが駐車場に向かうが、途中で電話をするため立ち止まり、しばらく対応した後駐車場に向かい、車に乗り駐車場を出て行く。

 出る時にもナンバーの写真も掲示されている。

 徳田家の駐車場は事前に登録されているナンバーがキーになってシャッター開くため、登録のない車の出入りは出来ない。

 車が出て静寂が訪れるまで繰り返して見ている。「わからん、このままだと勇さんが犯人になっちゃう」

 ベットで仰向けになって小休止していると、携帯電話が鳴った。

「はい、藤原です」

「北沢警察の岡本です」

「電話ありがとうございます。IPアドレスから所有者がわかりましたか?」

「いえ、徳田家の裏に止めてあったトラックの件です。」

「持ち主が分かったんですね?」

「はい。レンタカーで、裏手のアパートに引越し作業を終えて駐車していたようです。北海道からの引越しだったようで、関連性が薄いと判断しました。」

「ありがとうございます。可能性が除外できてよかったです」

「IPアドレスから事業者に情報提供を依頼しているので、少々お待ちください。」

「ありがとうございました」

 電話を切ると天井を見て心を落ち着かせた。

『もう一度徳田家に行くか。ミステリー番組でも警官が現場に戻って考えろと言っているしな』

 新橋の喧騒とした駅前を通って電車に乗り新宿経由で梅ヶ丘に向かう。

 梅ヶ丘の徳田家の周辺を一周する涼。

「ここに引っ越しのトラックがあって、トラックの上から壁によじ登れはするけど、目立つなあ」トラックの場所を確認するが、怪しい点は無さそうだ。

 インターフォンを押す。「あ、藤原さん、いらっしゃい」カイラさんの声である

日本庭園を通って玄関に着く。

「こんにちは」「藤原さんなら毎日来てね」

「ありがとうございます。誠さんは自宅ですか?」

「聞いてみるね」携帯で確認している。

 家が広いので徳田家用の携帯を持っているカイラさん。

「今来るって。」誠家側を見ると歩いてくるのがわかった。

「こんにちは。どうしました?」

「中間報告をと思いましてお邪魔しました」

「ありがとうございます」

「周辺に駐車されていたトラックに以上はないのですが、勇さんの足止めした連絡先を警察に調べてもらっています」報告する涼に、少し残念そうな誠さん。

「わかりました。それと、ここの本家は財団法人所有になり、財団本部として関係者が入れるようにしようと思っています。」

「いいですね。何時でも来れると嬉しいです」

「評議員と理事、職員には駐車場と金庫のアクセス権限を持たせようかと。カイラさんから説明聞いてね、藤原さんも出入自由だから。」

「駐車場を見せていただ来たいのですが、よろしいですか?」

「じゃあ、地下から行こう」

地下から荷物運搬用に駐車場に行けるようになっている。

誠さんが案内して進む。

「地下の出入りには特殊な鍵があれば出入りできる。後でカイラさんから受け取って。」

「ありがとうございます」

先日確認した防犯コントロールルームの横を通って駐車場へ続く廊下へ向かう。駐車場から真っ直ぐ行くと金庫に行くようになっているが、その途中に合流するようになる。合流地点のドアに着くとドアが開く。「この鍵がないとここは開かない。」

「鍵を持っているのはどなたですか?」

「父以外は兄弟3人とカイラさんだけ。」

ドアから入ると駐車場になっていた。

スリッパを履き、駐車場に出る。

「ここから徳田さんの書斎までは、今のルートだと階段の防犯カメラ1箇所だけですか?」

「ここの駐車場にある防犯カメラ以外は階段だけだね」

「ご家族の方も玄関や裏口に回るのはなんでですか?」

「ここは荷物用かな? 下駄箱ないしね。」

「なるほど」

「駐車場へのこの道は初めてきました」

「普段は絵画なんかの運搬時だけだからね。通常はこっちの通用口側に出るドアからだからね」

案内されたドアの方へ行くと解錠される音がしてノブを回すとドアが開く。階段を上がると隣接する出入口のドアに出る。

「ここには施錠がないのか」駐車場側のドアの鍵で十分なのであろう。

「あの日勇さんが出入りしたのはここでしたね」そう言いながら駐車場へ戻る涼。 

駐車場には車が10台ほど。クラシックカーやフェラーリが置いてあり、資産として保管してある。何台かは警報のブルーライトが点滅している。ドライブレコーダーがある車は最近購入の2台だけが付いている。

「結局電気自動車買ったんですね」

「資産というより新しい物が好きだったね。研究熱心だった。」

「そうそう、以前に勇がいつも置く場所に置いてあったから、覗くのに手をかけたらけたたましい警報音が鳴って驚かされたと言っていた。声がして触らないように言うらしい」

「聞きました。徳田さんが昔のアメリカドラマみたいだろと笑っていた」

「ここから出るのは、シャッターだけですよね?」

「車はシャッターからしか出られないね」

「防犯カメラ映像を見た感想だと、勇さんとカイラさん以外の第3者が出入りしたとしたら駐車場しかないんです。しかし、残念ながら勇さん以外映ってないんです。」

「一番怪しいイタズラ電話の原因を探ります」

「駐車場だとしたら、防犯カメラが誤っているという前提で調べてみるしかないね」

「確かにそうですね。防犯カメラに間違いがないという大前提で考えていました」

「ちょっと失礼します」携帯電話でメールする涼。

[夢稔、忙しいところ悪い。防犯カメラのデータで異常がないか確認して欲しい。データが改ざんされた事を前提に確認して欲しい。]

[了解]とすぐに返事が来た。

「友人にデータ解析を依頼しました。」

「前に話していた幼なじみ?」心配そうな誠さん

「はい。そうです。」

「確か大手のIT企業じゃなかったっけ?」

「はい。ウイルス対策ソフト会社です。」

「忙しいだろうに、大丈夫?」

「担当に任せているので、社長自身は忙しそうではなかったです。」

「それは、藤原さんの前だからじゃないかな」

「確かにそうかもしれません。」

カイラさんが降りてきて鍵を持ってきた。「フジワラさん、これが鍵ね。これでいつでも来れるから安心。」鍵を渡すと踵を返して戻った行く。

「ありがとうございます。誠さん、駐車場に少しいますので、戻っていただいて大丈夫です。」

「わかった。もし駐車場から出るときは、その鍵を持ってドアやシャッターの近くに行けば開くから。」

「シャッターの近くで勝手に開くんですか?」

「そうだね。高速シャッターだから心の準備が必要かもだけど」

「わかりました。」涼が答えていると誠さんが金庫側の出入口から帰っていった。

警備カメラので観た勇さんの動きを何度も検証する。

  駐車場をうろうろする涼。

「ここに勇さんの車が来て」

 防犯カメラを思い出してイメージする涼

「降りて出入り口へ行く」出入り口の扉を見ながら考える

「出入り口の記録か。誰かがいたとしたら記録はあるよな?」

 駐車場へ来た通路へ戻って行く。

 コントロールルームへ入りパソコン操作をする。

 出入口記録の場所をクリックし、出入記録を確認する。

 当日、裏口の扉。時間を見て行くと勇さんが通った時刻に開閉の記録がある。「yuu」という表示が出ている。勇さんの出入り後5分後とその1時間後に「keiko」という文字で駐車場側の扉の開閉がある。

『誤作動?』「恵子さんって徳田さんの亡くなった奥さん?」電話をかける涼

「誠さん、すみません。恵子さんってお母様ですよね?」「ああ、母がどうかしました?」

「出入口の鍵の記録の鍵に使用されているんです」「え? 母の鍵? 持っていたのかな? 防犯システムを入れるか入れない頃には病院に入っていたから持っていたかも不明だよ。カイラさんに聞いてみないとわからないな。今行くよ」

 階段を上がり、リビングにカイラさんがいた。

 丁度誠さんも来た。

「カイラ、母さんの鍵ってどこにある?」

「え? お母さんの鍵ですか? 徳田さんが持っていたんではないでしょうか?」

「鍵のセキュリティが残っているんだけど失効していない理由は知っている?」

「ええ、帰ってくるような気がして消せないと言われていましたが、鍵自体は見ていないです」

「母親の鍵の存在なんて誰も知らないんじゃないだろうか。」

「複製された?」

「技術的に複製出来ないと聞いています。セキュリティの関係で同じ番号は2つづつしか作らないと。」

「2本の鍵を探す?」

「あるとすれば書斎かベットルーム?」

「探しましょう」カイラさんが言う

「私が寝室見ますね。誠さんと藤原さんが書斎を見てください」カイラさんが張り切っている

「鍵の形は同じで、トップのあるマークの色が違うので確認してください。」

「なるほど、僕のは水色だ。」

 書斎に入り、涼と誠さんで鍵を探す。

 机周辺を誠さん、机以外の本棚などを涼が調査する。

 誠さんが早速「すぐにあったけど、これは親父のかな?」黒色のマークの鍵を手にとった

「おそらくそうですね。金庫の中は?」「金庫の中にはなかった。まあ家に入って家の鍵が必要とは思えないしね。」

「たしかに」

「最下段の手提げ金庫かな」

 誠さんは手提げ金庫を机上に出した。

 中に鍵が2つ。黒色とピンクが入っている

「ピンクは1つしかない。鍵の使用履歴は分かる?」

「下で見てみましょう」

 2人で再度コントロールルームへ向かう

 階段の所で2階のカイラさんに向かい叫ぶ涼

「カイラさん、ありましたー」

 コントロールルームへ降りた所にカイラさんも合流した。涼は自分の鍵をカイラさんに渡し、ピンクの鍵を持って駐車場へ向かった。

「テストするのね」カイラさんが納得していた

 ドアが開いたのを確かめて涼は戻り、コントロールルームへ行く

「カイラさん、ピンクの鍵は1つなので、使われたのはもう一つの方だと思います」

 コントロールルームの記録を確認すると、先程開けた駐車場搬入口2扉の開錠に「keiko」という表示が出ている。

「やはりこの鍵です。しかし、開いた時の防犯カメラには誰も映っていなく、人がいないのに開いたことになる。カメラの死角なので開いている状況が不明だな」誠さんが二人に説明しながら自身で納得している。

「まずは使えないようにしたほうが良いと思います」涼は心配して提案した

「そうだね、涼さん、操作練習の為に削除してみて」

「その前に鍵の使用履歴を保存しておきます」

 ID登録画面で検索にて「keiko」と入力するとID管理画面になる。

 使用履歴を見ると2008年に初めて使用されてから事件当日まで使用されていない。

「事件当日に駐車場搬入口1と2が何者かによって解錠され、家の出入りをされたが、防犯カメラに映っていない。」誠さんは事実を整理。

「明らかに意図的に鍵を使用していますね」

「母の鍵なら、入院した病院とか? 勇がわかるかな?」電話を取り出した

 「ああ、誠だけど、母さんの持っていたキーケース、特に電子鍵ってどうしたか知ってる?」

「あの時、家で倒れて入院したから鍵とか持ち出さずにハンドバッグとかに入っているんじゃないかな? カイラがわかるんじゃないかな」

「ありがとう。確認する。」

「カイラ、母さんのキーケースはどこかわかる?」

「はい、キーケースは2階の寝室にありますが、電子鍵は使われていないと思います。ちょうど改装工事が終わった時に倒れられたので、使わずにお亡くなりになられたかと思います」

「警備会社が井上さまのお客さんで、鍵は井上さまが皆に渡してたと思います。」

「井上さんってご長女のご主人ですか?」

「ああ、売れないゲーム会社経営やってて、プログラマー関連か何かで警備会社を親父に紹介した事から井上が最初だけ責任持って手続きをしていた。その後は一切フォローしてないけどな」少しイラッとした誠さんだった。


徳田さんも嫌っているような事を言っていたのを思い出す涼。

「長女は皆んなに愛されているから旦那のいい加減さに誠も勇も好きに慣れないらしい。」

「徳田さんもお好きになれないのですか?」

「妻に説得されて渋々結婚に同意したが、妻も私も心配で仕方ない。」

 ご自宅で行われた徳田夫人の葬式に伺った時に書斎で話されたことを思い出した。


 誠さんの心配そうな顔を見ているものの、気になるので聞いてしまう。

「井上さんの会社の状況は良くなっているんですかね?」

「いやあ、ことごとく失敗続きらしいので鍵のこともあるし、直接聞いてみるか。一緒に行こう」

「はい」カイラさんが新しいコーヒーを持ってきてくれていた「お出かけですか?」

「井上の会社に行ってみようと思ってね」

「いってらっしゃい」

「ちょっと上着取ってくるから駐車場で待ってて。」

「はい」玄関から出て駐車場に向かう涼。

 駐車場に入り、駐車場を探索する。

 防犯カメラは一つ。

『ここに何かがある』

 もし駐車場に誰かが侵入したら防犯カメラに移る。勇さんの映像は正しく映っていたけどドアの開閉に誰も映っていない。

「お待たせ」誠さんがやってきた。

「時間は大丈夫?」

「はい。大丈夫です」誠さんは青い国産車に向かう。

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