第22話 神童先生、黒竜を教育する
ダンジョン第三階層。巨大な黒竜が咆哮した。
グォォォォォォォォォォ!!
衝撃波だけで生徒たちが吹き飛びそうになる。
「ひぃっ!」
「で、でかい!」
「無理だろあんなの!」
上級生たちの顔は真っ青だった。ミラも短剣を構えながら警戒する。
しかし、ルーだけは平然としていた。「なるほど」黒竜を見上げる。「学園祭のストレス発散には丁度いいな」
「先生?」
「何でもない」
黒竜が前足を振り下ろす。巨大な爪、普通なら即死だ。
ドゴォォォン!!
地面が砕けた。しかし、ルーは消えていた。
「遅い」黒竜の頭上。ルーが浮いていた。
「え?」
「飛んでる!?」
「先生飛んでる!」
風魔法だった。黒竜が反応する前に、ルーは指を向ける。「雷槍」
ドォォォォン!!
巨大な雷が落ちる。黒竜の頭に直撃。
ギャォォォォ!!
悲鳴。黒竜がよろめく。
「先生強すぎる!!」生徒たちが叫ぶ。
「今さら知ったのか?」今日二回目だった。
黒竜は怒った。口を開く。魔力が集まる。
「ブレスだ!」
「逃げろ!」生徒たちが慌てる。
しかし、ルーは逃げなかった。「水壁」
巨大な水の壁が出現。
ゴォォォォォ!!
黒い炎のブレスが直撃する。だが完全に防いだ。
「なっ!?」
「防いだ!」
「黒竜のブレスだぞ!?」
ルーは笑った。「授業開始だ」
「え?」黒竜も固まった。
「魔法とはこう使う」
炎、水、風、土、光、闇、雷。全属性魔法が同時展開。
「うわぁぁぁぁ!?」
「先生何やってるんですか!?」生徒たちは絶叫する。
「実演授業」
「規模がおかしい!」
そして、ルーは黒竜へ指を向けた。「まとめていけ」
ドォォォォォォォォォォン!!
第三階層が揺れた。
数秒後、土煙が晴れる。そこには正座している黒竜がいた。
「…………」
「…………」
「…………」
生徒たちは沈黙した。「なんで?」誰かが呟く。
ルーは黒竜の頭を叩いた。「暴れるな」
コクコク。黒竜が頷く。
「人を襲うな」
コクコク。
「いい子だ」
コクコク。
「教育してる!?」
「黒竜を教育してる!!」生徒たちは大混乱だった。
ミラだけは平然としている。「いつもの先生です」
「いつもじゃねぇだろ!」全員がツッコんだ。
その後、調査隊は最深部へ到達した。そこで見つけたのは巨大な石碑。そこには
【王立魔法学園地下迷宮】【創設者専用施設】という文字だった。
「……嫌な予感がする」ルーが呟く。
次の瞬間、石碑が光った。
『認証開始』
『学園教師を確認』
『管理者権限を移譲します』
「は?」
『新ダンジョン管理者』
『ルーファス・グレイ』
「はぁぁぁぁぁ!?」
こうしてルーは、知らないうちに学園地下ダンジョンの管理者になってしまったのである。
もちろん、ろくなことにならない。




