第15話 神童先生、暗殺少女の涙
街の外での死闘を終え、ルーは倒れた暗殺少女を担ぎ上げた。
刃は折れ、体は満身創痍。さすがにこのまま放置はできない。
「はぁ……ったく……俺を殺しに来た相手だってのに……なんで俺が保健室に運ばなきゃいけねぇんだよ……」
学園に戻り、保健室のベッドに彼女を横たえる。
保健教師は驚いた顔をしたが、ルーの「ちょっと事情がありまして」の一言で納得して去っていった。
やがて、少女が目を覚ます。
「……どうして、私を助けたの?」
ルーはため息をついて、壁に背を預けた。
「死にかけてる奴を放っておけるかよ。……教師だしな」
少女は唇を噛みしめ、やがて小さな声で語り出す。
「私は……幼い頃に親に捨てられて……拾ったのは殺し屋組織だった……。刃の握り方しか知らずに生きてきて……」
来た。
ルーの胃がきりきりと痛む。
「ぐぶぉっ!!」
鮮血を吐いて床を染めた。
「せ、先生!? 大丈夫!?」
少女が身を乗り出してきて、距離が近づく。
「わ、私……先生を殺すつもりだったのに……先生が優しくしてくれるから……心が、揺れて……」
「ごふぁぁぁぁぁっ!!」
ルーは血反吐を吐きながら机に頭をぶつけた。
テンプレ連打、殺しに来てやがる……!
必死に息を整え、ルーは手を伸ばし、彼女の頭を軽く撫でた。
「……もう刃なんて握るな。……俺の授業を受けろ。それで……やり直せ」
少女の瞳が大きく揺れる。
「……先生……」
その瞬間、またしてもルーは口から血を噴き、ベッドに崩れ落ちた。
「せ、先生ぇぇぇぇ!!」
少女の叫びが保健室に響いた。




