第13話 神童先生、最強伝説の誤算
学園でのルーは最弱。
だが一歩外へ出ればそれは別世界だった。
決闘を挑んだ貴族の子息が、学園の外で無惨に叩きのめされた。
その噂は瞬く間に学園中に広がり、やがて街にも流れ込んでいく。
「なぁ知ってるか? あの神童先生、学園じゃ貧弱だけど……」
「学園の外に出ると、マジで最強らしいぜ」
「決闘した貴族の子、泣きながら帰ってきたってさ!」
以来。
「ルーファス先生! 俺と勝負してください!」
「今度は私が挑みます!」
放課後のたびに、学園外での決闘が申し込まれるようになった。
そして、そのたびに。
「はぁぁぁっ!」
火炎弾の嵐。
「ぐわぁぁぁ!!」
「これでもくらえ!」
氷槍の雨。
「ぎゃぁぁぁ!!」
「雷鳴よ!」
「ひぃぃぃぃ!!」
挑戦者たちは次々と地に沈み、ルーは圧勝を重ねていった。
こうして「学園外最強の教師」という不名誉な二つ名が、国中に広がっていったのである。
そして、数か月後。
「ルーファス・グレイ!」
王宮の謁見の間に呼び出されたルーは、玉座の前で膝をついていた。
王、レオポルト三世は額を押さえ、重い声で言う。
「そなた……生徒相手に何人ボコボコにしたか、覚えておるか?」
「……二十人……いや、三十人くらいですかね……」
「やりすぎだ!!」
宰相まで頭を抱え、父母は横で真っ青。
ルーは額を床に擦りつけて必死に弁解した。
「ち、違うんです陛下! 向こうから挑んできたんです! 俺はただ、学園の中じゃ死ぬから外で受けただけで!」
しかし、王は渋い顔で告げた。
「……そなたの強さは疑わぬ。だが、このままでは“教育”ではなく“虐殺”だ。控えるのだぞ、ルーファス」
「は、ははぁぁぁっ!」
こうしてルーは、王様から直々に「生徒ボコり禁止令」を言い渡されることとなった。




