第12話 神童先生、最強から最弱へ
神殿での治療から数日後。ルーはなんとか授業に復帰していた。
しかし、彼の《デバフ・学園もの》は容赦なく牙を剥く。
「先生、ここの問題わかりません!」
「えっと、それは……」
生徒たちが期待の眼差しを向けてくるだけで、血の気が引く。
「ぐぶっ……ごほっ!」
喉から赤い液体を吐き、顔色は死人のよう。
「先生、また血ぃ!?」
「弱すぎだろ!」
「本当に“神童”なの? 名前負けしてない?」
あぁ、俺の輝かしい伝説が……学園というフィールドでは、ただの雑魚キャラ……。
そんな折。
同じ歳の貴族の息子が、勝ち誇ったように言い放った。
「ルーファス先生! あなたの強さが本物か、僕と決闘してください!」
場所は学園の中庭。
最悪のシチュエーションだった。
「しょ、勝負は……」
ルーが口を開いた瞬間。
「ごふぁっ!!」
鮮血を吐いて崩れ落ち、即・保健室送り。
生徒たちは大笑いし、ルーの評価は地に落ちた。
だが、ここからが逆転劇だった。
数日後。
例の貴族の息子が、街の外でルーを待ち構えていた。
「神童ルーファス! 今度こそ決着をつけよう!」
そこは学園の外。つまり、デバフ圏外。
ルーは口元を拭い、ゆっくりと立ち上がった。
「……お前、いい度胸してんな。こっちの土俵なら……容赦しねぇぞ?」
次の瞬間。
爆炎、氷槍、雷撃。ルーの全属性魔法が豪雨のように降り注ぎ、相手は地面にめり込む。
「ひ、ひぃぃぃっ……!?」
貴族の息子は涙目で白旗を振った。
ルーは肩で息をしながら、どす黒い笑みを浮かべる。
「……学園の外なら、俺は最強だ」




