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クエスト88  [衝突]

 空中に飛ばされたカオスに直ぐに追撃がはいる。

 このまま下から短剣で狙う。

 恐らく彼奴にもあるコア、アレに刺せれば、ほぼ無条件で勝てる

 しかし、カオスもそれを分かっているからこそ、空中の無防備な状態を警戒する。


 つま先を犠牲に短剣の軌道を反らし、俺の腕を掴んで空中で取っ組み合いを始める。

 空中で上下を固定された俺はカオスの重量を抱えたまま地面へと落下する。

 しかし、此方もやられるだけではない。

 『創造』を使用して手首の筋肉を強化。

 そしてわざと手首を破壊し、強化した筋肉で無理矢理動かしてカオスの肩に短剣を突き刺した。

 俺を地面に叩き落としたカオスは再生の暇を与えないように追撃をし、短剣を蹴り飛ばした。

 だがその一瞬でカオスから距離を取り、再生を終了させた。


 その時に見た縮具合から、カオスの総エネルギー量の約10%ほどを削れた事が分かった。

 だが、向こうの目にも見えているはず。

 俺の魔力量も再生をし過ぎたり、常時発動させている物が多すぎるせいで目に見えて減っている。

 余裕気取ってるけど、正直このままだとジリ貧だ。


 やるなら光ってる場所を集中的に叩くくらいしかないけど、向こうも『再生』の種が割れたから、かなり警戒してる。とてもじゃないが、まともな攻撃は入れられない。

 そもそも頼みの綱の短剣がどっかに飛ばされた。アレがないと弱点を新たに作り出せない!

 彼奴のつま先と肩、そこの2箇所くらいなら幾らでも守られる。


 …そうか、狙えないなら、狙わなきゃ良いんだ。

 彼奴の縮んだ身体なら全て範囲に入る!

 なら、彼奴の動きを止めるまで!


 「凍結領域!」

 「その技はもう見たぞ!」


 カオスは地面を蹴り砕いて、その破片を上空へ投げる。その破片に飛び乗り、それを蹴った勢いで俺の所まで跳んできた。

 俺達はお互いの手を掴み踏ん張り合いになった。


 「やっぱりな!この技、お前に触れてれば攻撃対象外になるんだろ?!」


 やっぱりバレてたか。だかな!


 「俺ごと攻撃対象にすれば良いんだよ!」


 次の瞬間、地面から伸びた氷柱が俺とカオスの全身を突き刺した。もちろん肩とつま先は2本。


 「な゙っ!」

 「さぁ、耐久勝負するか?!」


 その時、カオスが顔を上げた。


 「馬鹿め!お前が止まるのをずっと待ってた!

 驕ったな!死ね!」


 そう言うと、カオスは無理矢理体を動かして指先を俺に向けた。

 するとその指先にエネルギーがぶつかり合いながら無理矢理収束され始めた。

 おそらく無理矢理圧縮したエネルギーを直接ぶつけて消し飛ばすつもりだろう。

 本来なら余裕で逃げられるほどの溜めが必要だから使えない。

 だが、今俺は自分で自分の自由を奪った。

 今から魔法の解除はまだ魔力が残り過ぎてて出来ない。

 それにここまで至近距離だと間に合わない。

 …確かに絶好のチャンスだ。

 ()()()()()()()


 「いやぁ、残念。」

 「何を今更……」


 俺もカオスと同じ体勢にした。そして指先の照準はカオスがエネルギーを集中させている所に合わせた。


 「俺も同じ事考えてた!」


 この状況を乗り切るのに最適な手は、逃げるでも、防ぐでも無く、()()()()事だ。


 「だが、今から溜めるのは間に合わん!お前の死は覆らない!」

 「悪いね、カオス!こっちの溜めは詠唱でスッとばせるんだよ!」


 俺の姿と、一人の龍人の姿が重なる。


 『光よ、闇を燃やし尽くすブレスと成り、彼の者を解放せよ』


 深淵のような黒いエネルギーと天界のような白いエネルギー。

 本来同じ空間にあってはならない物がお互いに僅かな隙間を空けて存在していた。


 そして、それらはお互いを固定していた魔法が解除されると共に相手に向って真っ直ぐに発射された。


 「『エンドレイ』!」

 「『ライトブレス』!」


 お互いの攻撃は正面からぶつかり合い、その点を中心に全方位に向けて莫大なエネルギーを放射した。

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