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クエスト87 [劣化版]

 アボルドムの腕4本が振り下ろしてくると同時に、カオス本体も突っ込んできた。


 「こんな危ない所に突っ込んできて良いのか?」

 「問題無い。」


 飛んでくる拳を俺は短剣で受けた。

 するとカオスの拳から黒い靄が出てきた。

 カオスは直ぐに距離を取る。


 「…その短剣、さっきまでとは違うな。何をした。」

 「『特攻』だよ。お前に対しての。」

 「小賢しいな。」


 さっき、彼奴の拳からは靄が出てた。

 あの靄が何かは知らないが、彼奴が距離をとったって事はそういう事だな。


 なら、とりあえずこれを完全に突き刺してみよう。

 そのためにも、まずは動きを止める。


 俺は両手を地面につける。


 「凍結領域(フロスト・フィールド)!」


 絶対零度から進化した技。広がった氷は触れるすべてを氷にする。


 俺を中心に氷が一瞬で広がり、倒壊したビルなども下から氷と成る。

 アボルドムも、カオスでさえも例外なく氷と成る。


 足が凍ったカオスは直ぐに足を切り落とす判断をし、アボルドムに摘んでもらって空中に逃げた。

 しかし、そのアボルドムが氷と成るのも時間の問題だった。


 「面倒な技だな…」


 カオスがアボルドムの上に避難している間に、アボルドムの掌まで氷った。


 すると、カオスは覚悟を決めたように地面に飛び降りた。


 「良いのか?お前も直ぐ凍るぞ?」


 だが、着地したカオスは氷に成らなかった。

 それと同時に、ほんの少し縮んだ。


 「お前も何かしたじゃないか。」

 「お前のせいで世界を作り直す用に温存していたエネルギーを一部使ってしまったじゃないか。」

 「スキルを作ったのか?」

 「そんなエネルギーの浪費はしない。単純に同じだけのエネルギーをぶつけて相殺しているだけだ。」

 「だから縮んだのか。」

 「だから何だ。縮んだからといって、ステータスはほぼ変わらんぞ。」

 「()()だろ?」

 「余り希望は抱かん方が良い。さもないと、死ぬぞ?どこかの神のようにな!」

 「死?そんな言葉、お前にくれてやるよ!」


 スキルに込めた魔力が切れて氷が砕けた瞬間に再び戦いは始まった。


 カオスは短剣を使わせない為にできる限り距離を詰め、肘を使えるレベルの近距離戦に持ち込んだ。


 殴り合いの速度は徐々に上がっていく。

 俺はそれに喰らいつくために『創造』で速度を上げる。

 だが、向こうも同じ事をしていた。

 速度で上回り、圧倒する為に消費エネルギーを増やし叩き折る為に。


 だが、そろそろ視覚が追いつかなくなってきた。

 攻撃に対応しながら新たな一手を見つけのは厳しい。

 『覚醒。『未来視』が、膨大な神の力で永久にオリジンスキル『神瞳』に覚醒します。

 これにより、()として最適な一手を世界が見せてくれます。』


 「『神瞳』!」


 次の瞬間瞳には一点の光が映った。


 …掌…?何でそんな所…


 その時、脳裏に浮かんだのはアボルドムを破壊した時に再生していたあの瞬間。

 …もしかして、あの再生は()()()()()()のか?


 俺は大きな予備動作を入れて攻撃を入れた。


 「馬鹿め!ガラ空きだぞ!」


 次の瞬間、俺は腹に腕が刺さった。だが、俺に大きな一撃を入れたその腕とは逆の掌が光っていた。


 …やっぱり、何かがある!あの瞬間、最も早く打てたのはそっちの拳だったのに、カオスは態々逆の手で拳を打った!それが答えか!


 俺は腹に穴が空いていても問題無い僅かな時間を使って狙いを定めた。


 『覚醒。『リミットブレイク』が、膨大な神の力で永久的にオリジンスキル『超リミットブレイク』に覚醒します。

 これにより、クールタイムを自由に調整し、必要な分だけいつもより強くなれます。』


 「アイスソード、超リミットブレイク!」


 俺は腹に刺さったカオスの腕を切断し、カオスの掌に拳を撃ち込んだ。

 次の瞬間、その拳は掌を無理矢理貫通した。


 「何ッ!」

 「ハハッ!マジかよ!」


 俺は直ぐさま掌から『爆撃』をカオスの内部に撃ち込んだ。

 カオスの掌は内側から爆発し、手首まで完全に吹っ飛んだ。


 「ハハッ!やっぱり再生できてねぇじゃん!やっぱり神の劣化版だな!」

 「だぁまぁれぇえ!」


 俺は腹の再生と同時にカオスを空中へ蹴り飛ばした。

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