クエスト86 [拮抗]
『神の命と引き換えに、無尽蔵の魔力を獲得しました。』
俺は右手をカオスに向かって突き出す。
『覚醒。『氷結魔法』が、膨大な神の力で永久にオリジンスキル『氷術』に覚醒します。
これにより、より少ない魔力でより強い攻撃を放てるようになりました。』
「氷弾。」
俺にかつてのコルンの姿が重なる。
アイスバレットが回転し、形も不格好なものから精錬された純度の高い透明な氷になっていく。
飛んでいったそれはアイスバレットとは比にならない強さで、カオスですら避けるという選択肢を取らざるおえなかった。
当たらなかった氷弾はビルを撃ち抜き、そこら中のビルの根元が無くなり倒壊した。
俺は徐々に逃げるカオスに撃ち込む数を増やしていき、最終的に一度に50発程休むことなく撃ち込んだ。
建物は既に消え去り辺り一帯は更地となっていた。
しかし、流石に次世代の神を名乗るだけあってこんな攻撃では当たらない。
「…流石に当たらないか。……じゃあ」
俺は両手を広げた。
「更に増やせばいい。当たるまで。」
…2倍…3倍…4倍…5倍…6倍…7倍…8倍…
カオスも徐々に余裕がなくなり、ついに身体に氷弾がかすった時、避けることを諦め、身体に当たる可能性がある氷弾を全て撃ち落とすことにした。
そして、動けなくなったカオスに俺は近づく。
後ろに下がりながらだと破壊が間に合わないカオスは近づく俺から距離が取れない。
俺は途中地面に落ちていたシュヴァリエの鎖と短剣を拾った。
『覚醒。『天秤』が、膨大な神の力で永久的にオリジンスキル『創造』に覚醒します。
これにより、より少ない対価で大規模な事ができるようになりました。』
「魔力を対価に、これらを一つの短剣に纏めて。」
俺にかつてのゴードンの姿が重なる。
シュヴァリエの鎖と短剣は混ざり合い、新たな白と黒のグラデーションの短剣ができる。
『対カオスの短剣…神と同じエネルギーに特効を持ちます。』
「良いね。」
俺はこれをカオスに刺すために至近距離まで近づいた。
わずか1メートルの間で絶えず氷弾が生成され壊されている。
短剣を刺すために一瞬氷弾を止めた。
それと同時に俺の足元から生えてきた黒い手に俺は足をつかまれた。
「?!」
「…お前を俺の脅威と認定して、俺も全力を出してやる。出てこい『アボルドム』の右腕!」
俺の足を掴んだ黒い巨大な右手は上に伸び、俺を宙に投げた。
その腕は俺が宙に浮いたタイミングで更に巨大化し、横から平手打ちをかまそうとしてきた。
空中で身動きが取れない俺は正面からこの得体のしれない手と戦わなくてはならなかった。
『覚醒。『爆散』が、膨大な神の力で永久的にオリジンスキル『爆撃』に覚醒します。
これにより、発動条件であった接触が不要になり、ロックオンすれば相応の魔力は使いますが、任意の場所で任意の強さの爆発を起こせます。』
『覚醒。『硬化』が、膨大な神の力で永久的にオリジンスキル『金剛硬化』に覚醒します。
これにより、更に硬くなり、インターバルはあるが、『金剛硬化』を上回る攻撃でも必ず一度耐える。』(現在既に発動中)
俺は右手で銃の形を作って黒い手の中心に狙いを定める。
「『爆撃』ロックオン!最大出力!爆破!」
俺にかつての真丸とセルジアの姿が重なる。
空中で起こった爆発は黒い腕の手に直径2メートル程の掌の大部分を吹っ飛ばして大穴を開け、それと同時に俺自身にも爆発でダメージは入り、更に黒い手の指で叩かれただけだが、かなり加速して地面に叩きつけられた。
「グッ…!」
「ゥ゙ッ…!」
俺も勿論かなりのダメージを受けて地面に叩きつけられたが、それと同時にカオスにもダメージが通ったようだった。
恐らくアレは彼奴のエネルギーで作った何かで向こうもダメージを共有しているのだろう。
『覚醒。『生命の息吹』が、膨大な神の力で永久的にオリジンスキル『神竜の息吹』に覚醒します。
これにより、回復魔法が超強化され、一度だけ死に人さえも復活させます。そして、追加で攻撃スキル『ライトブレス』が使用できるようになります。』
「神竜の息吹。」
俺とかつてのアルタイムの姿が重なる。
…それにしても、最大出力で2メートル程しか抉れなかったのは結構凹むな。
俺は体を癒し、再びカオスの前に立った。
「あれ?結構効いてるんじゃない?」
「…舐めるなよ、下等生物め。
回復ぐらいできる。」
掌の穴は一瞬にして塞がった。
「…だが、今ので分かったな。お前はアレ1本に本気を出さなかればいけないんだろう?
なら……4本出してやる。」
次は地面から手が右左二つづつの計4本出来てた。
『アボルドム』?ナニソレ?って方は、[クエスト31]辺りでチラッと一瞬出てきてるので見てみてください。
本当にチラッと出てきてます。
覚えてた方はマジで凄いです。




